第5章第15話〜合流前に〜
『三日月斬』
俺は背後から風間隼人の背中を裂いた、風間の背中から血が流れ出る。
「くっ…うぅ…」
風間は力が尽きたかのようにその場に倒れ込んだ。
(こいつを死なせたらレジスタンスと全面戦争になってしまう、そうなれば互いに被害が増えるだけだ)
俺は刀を鞘にしまうと風間に近づき、治癒術を使って傷を塞ぎ、癒していく。風間は意識を失っているため治癒されていることに気づいていない。
治癒が終わり、風間を抱えて俺は駅の方に向かい、まだ意識を失っている風間を駅の椅子に置いた。
「何故私を殺さない…?」
「気がついたか。理由は単純、お前を殺せば互いに被害が増える大戦争になるからだ。それに、俺は背後からお前を斬った、剣士として卑怯な手を使ったんだわ。同じ剣士なら互いに正面で斬り合って、斬り倒すべきだと思ったからだ」
そうして俺は風間の懐に電車代だけ渡して駅のホームから去った。
「ふぅ…風間隼人…剣豪と言われてる通りにかなり強かったな、油断したら俺が負けてたな」
実際剣の腕はハンターの中でも上位の方であった、あれで経験豊富やもう少し俺が疲労状態であったらと思うと背筋が凍る。
まぁそうだとしても、剣士の背後を斬ったという卑怯な手を使ったのは少し反省しないといけない。あいつの名前に恥をつけてしまったんだ。
「さて…そろそろ今日はこのくらいにして、俺も戻ろうかなっ…と?」
そろそろホテルに戻ろうかなと思っていると、付けているインカムから通信の音が聞こえた。
「林くん?どーしたん?」
『勝斗、俺の方にレジスタンスの奴が来た、恐らくお前の方にもいっていると思うから…』
「あぁー、俺の方にも来たよ、風間隼人っていう剣豪が来たよ。」
『そうか…とりあえず無事なら良かった、また後でこの事は話し合おう』
「了解」
そうしてインカムを切り、今度こそ帰ろうかと周りを見ると、目の前に郡山城が見え、せっかくなら登城してみるかと思い、整備されている階段を登って行った。今は廃城で誰も使っていないため城内には埃が溜まっていたり、少し木材や畳が朽ちた臭いがした。
だがまだ掃除や建て替えをすれば使える程ではあるため、帰って提案してみようかなと思いながら城内を歩いていくと、一つの箱を見つけた。
「お、なんだこれ、昔の財貨とかあったら売れるぞー」
そうしてウキウキしながら箱を開けた俺の期待を裏切るかのように中に入っていたのは一枚の紙であった。
「なんだこれ?何かの設計図ぽいけど…分かんねえな」
生憎書かれている文字は読めるが素材や作る工程は文字が霞んでおり読めない。ただ見た感じだとジェットパック?みたいな感じのものだった。
とりあえず持って帰るかと思った俺は、紙を懐に入れて城を出た。
この設計図後々重要だから覚えておいてね




