第5章第13話〜白兵戦〜
「ほう、中級ではあるが治癒術も使えるのか。流石、レジェンドハンターですね。」
「うるせえよ」
斬られた横腹を治癒術で治し、刀を構える。相対している風間も刀を構える。
「ほぉ、マナの量がとんでもない…これは怖いですな。」
「このまま逃げてもらっても良いんだぜ?」
「残念ながら私は剣豪と言われておるので」
そうして数秒睨み合いが続いた、互いに一呼吸飲んだと同時、俺達は地面を蹴っていた。金切音が周りに響く、刺突、唐竹、袈裟、横一文字、互いに互いの刃を交わし、受け止め、斬り合う。
「やるなぁ!お前!」
「そちらこそ!」
そして互いの刃が激突し、力の押し合いになる。ギギギギッ…と互いの刀から金属の擦れ合う音が鳴る。
「「はぁ!」」
互いに刀を押し合い、同時に離れ、距離ができた。
そして風間は刀を構え、身体と刀にマナを込める。
『ドリルスマッシャー』
風間が突撃を仕掛けてくる、俺も身体と刀にマナを込める。
『雷牙突』
互いの刀が弾かれ、宙を舞い距離を取る。地面に落ちた刀を取り、再び風間を見る。風間も既に刀を手に取り、俺を見ていた。
「まだやれるよなぁ?」
「無論」
不思議だ、今まで戦ってきた奴の中で1番楽しい。まだやり合いたい、そう思っている自分がいた。
『火焔の竜嗎の舞』
『神雷の竜轟の舞』
互いに連撃を放つ、互いに連撃を防ぐ、互いの刀がぶつかり合い、火花が散り金切音が響く、連撃の最後も互いにぶつかりあい、激しい爆発が起こり爆煙が舞う。俺達は距離ができ、暫し沈黙が流れる。
「なぁ、お前は誰の指示でここに来たんだ?」
「…私はレジスタンスのお上様…月雪翔太という方の命でここに参った次第。」
向こうのお上様の命令で来たのか、恐らく俺の魂を取れとでも言われたんだろうな、と、考えた俺は続けて風間に問う。
「指示の内容は俺を殺害することか?」
「少し違う、貴殿を戦闘不能にせよ、との命令であるため命までは取るつもりはないです。」
殺害命令じゃないのか、まぁだからと言って素直にはいどうぞなんてしないけど。
「じゃあお前らはここら近辺の妖怪を討伐するつもりはないのか?」
「愚問ですね、私達は所属こそ違えど同じハンター、故に妖怪討伐をもこなさせていただく。」
そうか…と呟くと風間は刀を構え直した、俺も刀を構え直す。
「まぁ…命を取られないっていってもそれが加減する理由にはならんよな」
「…ごもっともでございます」
俺の売り言葉に風間もほんの僅かに口角を上げる。なんだ、お前も楽しくなってんじゃねえか。そして俺は斬りかかりにいった。
「はぁ!」
『極炎刃』
「ぐぅぅ!!?」
俺の斬りあげに対し、風間は刀を間に入れて防御を試みる、しかし間に入れた刀は金切音を上げて弾かれ、俺の刃は風間の腹から胸を皮一枚裂いたのであった。そしてまだ俺は空中にいる。
『氷落斬』
刀を真下にし、落下しながら攻撃する。風間はすぐに交わす、しかし氷の氷柱が数本奴を襲い頰や服を裂いた。
「…っ!やられてばかりでないですよ!」
『鏑斬』
風間は刀を振り、マナを斬撃として飛ばしてきた、二撃の斬撃を刀で振り払うと、既に風間は俺の前に迫っていた。
『暴風の舞』
恐らくはカウンターができないタイミングを狙ったんだろう、悪くない、でも相手はこの俺だ。
『陽炎』
「なっ…!」
俺は既に風間の背後を取っている、風間は背後の俺に気付き振り向こうとした、その瞬間に俺は刀を振り下ろした。
「残念だがゲームオーバーだ」
『三日月斬』
俺は風間隼人の…剣豪の背中を裂いた。




