第19話 ティーチャードクター③
遊園地に到着した4人は、さまざまなアトラクションを楽しんでいた。
まず彼らはコーヒーカップに乗った。それは思ったよりも速く、目が回ってしまう。
コーヒーカップに乗り終えた4人は、次に何に乗ろうかと話し合う。
「次はジェットコースターに乗ろうよ」
と杏奈が提案した。
「おいおい、今コーヒーカップで目が回ってんのにそんなん乗ったら死ぬぞ…」
と秀が反対する。それに合わせ、璃海も反対した。
「そうだよ。私、今ジェットコースターなんて乗ったら……」
そこで、杏奈は
「百合はどうしたい?」
と訊いた。
「私はジェットコースターがいいかな。」
と百合が答えたので、秀と璃海も仕方なくそうすることにした。
「うわああああああああああああああああ」
と大声を出して叫ぶ璃海。秀は璃海の意外な姿に驚くと同時に、急降下するジェットコースターで内臓が吐き出るのではないかというほどの感覚を覚え、死を悟った。
「秀くん、全く叫んでなかったね。怖くなかった?」
と杏奈。
「いや、恐ろしすぎてむしろ叫べる状況じゃなかった…」
「なんだ、そういうことか。秀くんってけっこう怖がりなんだね。」
とニヤけながら言う。
「お前な…」
と拳を固くする秀。そんな二人を、百合と璃海は笑って眺めていた。
午後から来たこともあり、気づけば夕方になっていた。最後に4人は観覧車に乗ることにした。観覧車は2人乗りだったので、ジャンケンの結果、璃海と杏奈のグループと、秀と百合のグループに分かれることになった。璃海たちは先に乗り、秀と百合は後に乗り込んだ。
観覧車の中で、秀と百合は互いに黙っていた。しかし、しばらくして百合が沈黙を破る。
「ねえ、松浦」
「ん、なんだ?」
「実は、私の成績は前から悪かったんだ。私は要領が悪くて、沢山勉強してもなかなか成績が上がらないの。」
秀は真剣に百合を見つめ、彼女の言葉に耳を傾けていた。
「それでね……」
と、そこまで言って百合はまた黙り込んでしまった。
「どうした?」
と秀が先を促す。少しの沈黙の後、百合は続けた。
「私ね、先生になりたいんだ」
百合の俯いた顔は、夕日に照らされた自身の影に隠れてよく見えなかった。




