8 ルーク殿下
レオと話し合った次の日、クロエ王女に会いに行った。
同時にレオはルーク殿下に賭博の件を報告に行っている。
私はクロエ王女にレオの事を話した。
「これはレオだけの話ではないと思います。今までミリア嬢と噂のあった方々を調べる事をお勧めします。」
「随分物騒な話になってきたわね。」
クロエ王女がため息をつくと、部屋がノックされルーク殿下が入ってきた。
ルーク殿下にお会いするのは初めてだ。金色の髪に深いグリーンの瞳。バランスの良い体躯はどんな姿も絵になるだろう。完璧な王子様だ。
立ち上がり、名を名乗って挨拶をすると、美しい笑顔で返された。
「デイジー嬢、今回の件でレオに助言した様だな。おかげて早く解決しそうだ。感謝する。」
ルーク殿下の話によると、ミリアの父ガネル男爵が怪しい動きをしていて警戒し始めた所だったらしい。
今回のレオの告白で全容が見え、これから摘発に向けて動くらしい。
「だが既に賭博中毒者も出てきているようだ。もしかしたら借金で全財産を失う人もいるだろう。」
殿下の言葉に被害の大きさを実感する。
「あとはミリア嬢だな。彼女は一体何なんだ?」
クロエ王女と私は顔を見合わせて首を傾げた。
「この間、私にぶつかってきて勝手に倒れたんだ。そしてなかなか立ち上がらない。だから仕方なく手を差しだしたんだ。」
私はミリア嬢ならあり得ると頷いた。
「そうしたらサッと手を取って、大丈夫ですお気になさらないで下さいと勝手に言ってだな。少しでも可哀想だと思いましたら次の舞踏会でお声をかけて下さい。って涙目で去って行ったんだが。」
その様子が目に見えるようで笑ってしまった。
すると殿下と目が合ってしまい慌てて口を閉じた。
クスっと笑った殿下がこちらを見ている。
「デイジー嬢、今は婚約者はいないんだな。では次の舞踏会ではエスコートさせてくれ。君ならミリア嬢に絡まれても平気だろう。」
びっくりして声の出ない私を見て、殿下が小さく吹き出すのが見えた。
そしてそのまま部屋を出て行った。
「何故、殿下が私をエスコートするのです?」
「ごめんなさい。私がミリア嬢に何を言われても動じない貴方の事を話したからかもしれないわ。是非、お兄様のお相手をして下さいね。」
優しく笑うクロエ王女に、そういえば金髪の王子様と踊ってみたいなんて、とんでもない事を前世で言っていた事を思い出した。




