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闇の中の光 6

また少し間が空いてしまいました(><)

あたたたた、、、。

そして、いまさらながらトウランスの外見年齢をあまり書いていないことに気が付くという、、。

百年たってますが全く外見は変わってませんです、はい。


下の村に隣接する広大な森。

それは闇神の聖域、黒き深淵の森。

暗黒水晶の生まれいずる水晶の森が最深部に在るという。

エクセルはその森に踏み入る。

静寂が辺りを包む。

鳥の声さえない。

そんな中エクセルの眼は木立の中に丸い緑のボールの様な物を持った

小さな人影を捉える。

「子供?」

深い緑の長髪、褐色の肌。

その少女はエクセルに気が付くと森の奥に駆け出して行った。

緑のボールを残して。






樹に叩きつけるように押し倒されたトウランスは立ち上がる事が出来ず

その場に座り込んだまま自分を突き飛ばしたキルゼアを見る。

それでも咄嗟にショールを引き寄せ顔を隠す。

「ふう~ん

 エクセルの奴上手くやったみたいね

 反抗的な眼だ事

 これは確かに楽しめそうね♪

 あのどろんとした木偶人形たちとは大違い♪」

獲物を物色するような眼でアルカシアがトウランスを見る。

「だろ

 さてまずは素顔を確かめるか

 ちらっと目にはかなりいい女に見えたが?」

ショールを剥がそうとするキルゼアの手を祓いのけ。

その勢いで立ち上がりトランスは逃れようと走り出す。

が、キルゼアにショールの端を掴まれ一気に剥ぎ取られてしまう。

「何?!」

「男?」

キルゼアとアルカシアが同時に叫ぶ。


現れた姿は黒い髪、青い瞳の青年。

はっとするような美貌には間違いないが

包帯に覆われたその体系は細身だが女性的な部分は皆無だった。

トウランスも一瞬怯むがそのまま足を止めず駆ける。

アルカシアが素早く左手を振るう。

そこから黒い鞭状の物が飛び出しトウランスの首に巻きつく。

「うっ!」

首に巻きついた鞭を強く引かれ、又地面に引き倒される。

鞭を操りながらアルカシアがしげしげとトウランスを眺める。

「へぇ、男だったとはねぇ

 どうするキル?」

「ちっ!」

キルゼアは男だと解り興がそがれたように吐き捨てる。

アルカシアがトウランスの首に巻きつけた鞭を少し緩めると

新鮮な空気を求め激しくトウランスは咳き込んだ。

「男なら私が貰ってもいいわよ」

そう言いながらアルカシアは舌を唇に這わせ妖艶な笑みを作る。

トウランスは首に巻きついた鞭を握りしめそんなアルカシアを睨む。

ひゅるっと生き物のように鞭が動き

トウランスの首から離れ左手首に絡みつき後ろの樹の幹に繋ぎ止めた。

「?!」

トウランスが反応するより早くアルカシアの手から放たれた黒い楔が

ドスっという音を上げトウランスの左掌を後ろの樹に張りつけた。

トウランスの口から小さく悲鳴が漏れる。

アルカシアの得意魔法「黒閃弾」だ。

どくどくと鮮血が貫かれた掌から流れ出す。

くるくると指先で黒い魔力の塊を操りアルカシアはキルゼアに問う。

「腕一本でいい?

 念のため足も一本貼り付けとく?」


左掌を背後の樹に、右足の甲を地面に貼り付けられトウランスは動きを制しられる。

激痛が襲うが何とか意識は繋ぎ止める。

「足二本とも貼り付けたら楽しめないものね♪

 あなたからる?

 それとも私に譲ってくれる?」

アルカシアがキルゼアを促す。

男と分かりキルゼアの方はどうでもよくなったような表情だった。

「まぁ、、女の代わりにはなりそうだが、、」

トウランスの顔を眺めながらそう呟く。

自分を値踏みするようなキルゼアに

トウランスには唯睨み付ける事しか出来なかった。

「へぇ

 面白いなこいつ

 絶望するでなく、泣いて命乞いするでなく

 俺を睨んでやがる」

初めてともいえる反応だった。

いや、、遠い昔の記憶を思いいこせば

異空間に幽閉された直後くらいにはこういう反応の玩具が居た。

思い出すかのように眼を細める。

「悪いなアルカシア

 やっぱ俺が貰うわ

 もし俺が殺しちまったら簡便な」

気を変えたキルゼアにアルカシアが釘をさす。

「あら駄目よ殺しちゃ

 ロリアン様に叱られるわよ?

 取敢えず息だけはさせとかなきゃ」

アルカシアの忠告にキルゼアが問い返す。

「ロリアン様に?なんで?」

「まだ気が付かない?キル

 こいつエクセルが連れ帰った玩具じゃない」

アルカシアの言葉に愕然とするのはトウランス。

気付かれていた?

「エクセルの奴どういうつもりか知らないけど

 その前身の怪我、黒い髪

 間違いないわ

 ふふっ

 初めは此処の木偶人形を上手く誑かしたんだと思ったけど

 幻羽世界の白羽虫(白の一族)だったとはね

 こいつ

 ロリアン様がコロセウムで裂くって仰っていたから

 殺しちゃ駄目」

そこまで話し、アルカシアは堪えきれず笑い出す。

「アルカシア?」

いきなり笑い出した連れに訳が解らずキルゼアが名を呼ぶ。

「うふふふふ

 笑いが止まらないわ

 だってそうでしょ?」

さも嬉しそうに笑いながら続ける。

「あなたもそう思ったんでしょ?キル

 此奴の反応

 ここの木偶人形たちとは似ても似つかない反抗心

 幻羽世界にはこういう奴らがうじゃうじゃいるのよ?

 考えるだけで楽しいじゃない」

アルカシアはまだ見ぬ幻羽世界の住人に思いを馳せる。

興奮を抑えきれぬかのようにその身を抱き妖艶で残忍な笑みを浮かべ。

「ああ、考えただけでゾクゾクするわ

 生きた心の羽虫共を蹂躙するの

 驚愕に見開かれ悔しさと恐怖

 己の無力さを絶望を血で彩り

 どんな声で断末魔を奏でてくれるのかしら?

 ふふふ

 早くマナが緩和されて自由に行けるようにならないかしらねぇ」

うっとりとそう語る。

「なるほど

 幻羽世界は俺達にとって美味い生贄の宝庫ってことか」

アルカシアの言葉に納得しキルゼアもニヤ付く。


黙ってその言葉を聞いていたトウランスは唇を噛み締める。

何という傲慢な言葉だろう。

自分を貫く痛みも忘れ怒りが沸き起こる。

幻羽人を蹂躙する玩具としか見ていない2人に。

悲しみを苦しみを嘲笑う残忍さに。

その怒りにアルカシアのさらなる言葉が火を注ぐ。

「そうよ、ここにいる木偶人形とは大違い

 そうなれば此処の木偶は全部廃棄処分にすればいいわ」

廃棄処分?!

今まで虐げてきた彼らをあっさりと殺すと言うのか?

それも全員?!

そんな事許せる訳がないっ!

トウランスの中で何かが弾ける。


爆音と共に閃光が辺りを照らす。

エクセルは背後に大きな閃光を浴び振り返る。

「今の光は?」

深淵の森でいるはずのない少女を見。

その姿を追おうとしていたエクセルだったが

背後の閃光と爆音にまさか?という不安に駆られ身をひるがえし駆け出す。

トウランスの身に何かあったのかもしれないと。

やはり離れるべきでは無かった。

無事でいてくれと祈らずには要られない。

そんなエクセルと閃光を訝しむもう一人の男が居た。

深い緑の長髪、褐色の肌。

森に消えた少女と同族に見える。

彼は少女の去った方向を眼で追い、そしてエクセルの駆け去った方向を見る。

何かを決意したように。


エクセルは森を駆け抜ける時間さえもどかしく思えた。

漸く少し開けた場所に差掛る。

開けた?森の中に?

不審に思ったその先の樹に磔られたトウランスを見つける。

駆け寄り、掌を樹に縫い付けている黒い魔力の塊を破壊する。

傍に落ちているショールを口にくわえ裂き包帯代わりに血止めに使う。

同じく足の枷も破壊し血止めをする。

破壊した魔法は黒閃弾。

アルカシアの仕業と気付くが周りに彼女の姿は無い。

「トウランス?大丈夫か?」

「あ、、ああ」

大丈夫な訳がないがとりあえず命の危険は無いようだった。

「しかし、、、よく、、、

 一体どうやって?」

エクセルの疑問にトウランスはたどたどしく答える。

が、彼にも何があったのかはよく解っていないようだった。

「どうにかフレイの魔法が発動出来たから、、」

頭を振りながらそう答える。

「フレイ?」

トウランスの口から出たのは炎系最少呪文。

エクセルは自分の背後を振り返る。

そこには横幅約50mそして縦は遙か彼方まで焼き払われた地面が広がる。

高温の炎で焼き尽くされた大地の姿だ。

「これがフレイだって、、、?」

ありえない威力だ。


そして前髪の隙間から視えたトウランスの瞳の色が変わっているように見える。

「トウランス?」

エクセルに呼ばれ彼の顔を見るトウランスの瞳はいつのも青に戻っていた。

同時に意識もはっきりしてきたようだ。

エクセルの背後を見て驚きを隠せない。

「これ、、、俺がやったのか、、、?」

「覚えてないのか?

 フレイを使ったと言ったぞ?」

「あ、ああ

 そうだなそう言った、、、

 ぼんやりだが覚えている

 俺はまた、、、」

なにやら険しい表情でそう答える。

「また?

 よく解らんがその話はまた後だ

 兎も角ここから離れるぞ?」

また黒の一族に遭遇しないとも限らない。

何しろあの爆音と閃光だ。

下の村に来ている者が他にも居れば怪しんで様子を見に来るはずだ。

「あ、うん」

答えて立とうとするが貫かれた右足に力が入らない。

「無理か?」

心配そうなエクセルの声に。

「い、いや大丈夫だ

 すまないけど肩を貸して貰えないか?」

そうトウランスが答える。

返事が返る前に体が宙に浮く。

「え?」

御姫様抱っこをされた。

「お、、おいっ!!」

驚いてエクセルを見る。

「この方が楽だろ?」

「いやいやいや、、、

 流石にこれはちょっと、、、」

大の男が恥ずかしすぎる。

「今さら

 連れて来た時もこうやって来たぞ」

「なっ!

 そうなのか?!」

そう聞き今さらながら慌てふためくトウランス。

「お前は軽いし気にするな」

そう笑うエクセルに

「俺が気にするっ!」

トウランスは思いっきり反発する。

まだ背負われた方がましだった。

トウランスの抗議もむなしくエクセルは彼を下すつもりは無いようだった。

と、前方に眼をやる。

トウランスもそれに気が付きエクセルの見る方向に眼をやる。

そこには一人の青年が居た。

「アストルート、、、」

エクセルにそう呼ばれた青年は落ち着いた声で話しかけてきた。

「怪我人ですか?

 こちらへ」

そう告げると案内するように先に歩き出す。

深い緑の長髪、尖った耳。

褐色の肌を覗けば緑の民にトウランスには視えた。

エクセルも少し眉を顰めはしたが黙って彼に従う。

アストルートは2人を深淵の森へと案内する。




どのくらい時間だ経っただろう。

アルカシアは焼けつくような痛みとしたたかに打ち据えられた全身の痛みに耐え

落ちた穴から這い上がる。

彼女が居たのは焼けただれた大地に出来た窪みだった。

上に出たアルカシアは肩をさすりながら辺りを見渡す。

何が起こったのかよく解らない。

が、あの黒髪の男がやったのに間違いなかった。

あそこまで弱っていた白の屑にこんな事が出来たとは信じられないが

それしか考えられない。

「キル?

 畜生、、あいつ、、

 キルゼア?

 何処よ?!」

ふら付きながらキルゼアを探す。

声は無い。

「キル?」

なおも探すアルカシアの視線の先にそれはあった。

大地に転がる炭化した人型の物。

直撃を受けたキルゼアの姿だった。

「キルゼア、、、?」

アルカシアの言葉が詰まる。

変わり果てた愛した男の姿に愕然とする。


沈黙の中、カシャーンという小さな金属音。

アルカシアが額に着けていたフェロニエールの鎖が切れ地面に落ちた音だった。

恐る恐る手を顔に当てる。

焼けつく痛みに引き攣る右顔面。

右手も焼けただれている。

アルカシアの口から悲鳴が飛び出る。

右半身が焼けただれていた。

トウランスの炎魔法はアルカシアの右半身を焼き尽くしていた。

「こ、、、

 殺してやるっ!

 必ずこの手で殺してやるっ!!」

焼けただれた右手を握りしめ。

声を限りにそう叫ぶ。

痛みが彼女の復讐心をさらに燃え上がらせる。

絶対に許しはしないと!








 



 



 



 

 











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