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第46話 愛の過剰供給

 ベッドの上に追い詰められたノアの前に、ルチアたち四人が完璧な包囲網を敷いて迫り来る。


 呪縛などもうない。

 あるのは、ノアを愛してやまない彼女たちの「純粋すぎる過剰な本気」だけ。


 

「ま、待てって! 俺はただ少し横になりたいだけなんだってば……っ!」

 

「ダメですよ、ノア様。戦いで張り詰めていたあなたの心と体を、私たちがすっかり癒やしてあげなきゃ気が済まないのです。」


 

 一番最初にノアの懐に滑り込んだのはルチアだった。

 彼女は容赦なくノアの上半身を起こすと、自身の柔らかい膝の上にノアの頭を強引に乗せ、極上の膝枕ポジションを完成させる。その柔らかさで、ノアの脳が溶けかける。


 

「さあ、じっとしていてくださいね。……ふふ、聖水アタック、いきますよ♡」


 

 ルチアが取り出したのは、特製の冷感ハーブ聖水を含ませた極上の耳かきだった。彼女の甘い吐息がかかる距離で、ノアの耳元を優しく、そしてゾクゾクするほど絶妙な手つきで刺激していく。


 

「ひっ……! おい、ルチア、そこは敏感だから……っ!」

 

「あら、敏感なんですか? じゃあもっと集中的に……ふふ、気持ちいいでしょう?」


 

 逃げ場を失ったノアの反対側からは、クララが容赦なく身体を張って迫ってくる。彼女は大剣の代わりに、全身を包み込むような特大のふかふか抱き枕を抱え込み、ノアの右半身を文字通りガッチリとロックする。


 

「動くな、ノア。私の体温でお前を完全に保温してやる。……ほら、じっとしていないと、この抱き枕で押し潰すぞ。」

 

「潰すってそれもう抱き枕じゃなくて拷問だろ!? っていうか密着しすぎだろクララ……っ!違うところが……!」


 

 クララの鍛え上げられたしなやかな筋肉の温もりと、女性らしい柔らかな感触が同時に押し寄せ、ノアの顔が一瞬で真っ赤に染まる。ふよふよとした柔らかい感触の正体を想像して、ノアの頭はさらに熱を帯びる。

 その隙を見逃さなかったヴァネッサが、ノアの腰の上に軽やかに乗り込み、小悪魔的な笑みを浮かべる。


 

「ふたりとも独り占めはズルいなぁ。……ねえノア、喉渇いたでしょう? 私が特別に、特製のエナジードロップを口移しで飲ませてあげる♡」

 

「い、いらない! 自分で飲めるから……っむぐっ!?」


 

 拒む暇すらない。ヴァネッサは甘いシロップを含んだ唇でノアの口を容赦なく塞ぎ、濃厚な蜜を無理やり流し込む。甘美な痺れが脳髄まで駆け抜け、ノアの体温が一気に跳ね上がった。唇に当たる柔らかな感触と、暖かさを保ったまま優しく動き続けるいきものが、ただただ気持ちいいという感覚を体に染み付かせていく。

 そして極めつけは、部屋の入口に仁王立ちするシャルロットだった。


 

「ふん、みんなして楽しそうね。……でも、一番肝心なことを忘れているわ。」


 

 肌のほとんどが露出した薄着を纏うシャルロット。彼女がカチャリと取り出したのは、光り輝く魔導の鎖と、特製の地下監禁室の鍵だった。


 

「脱走なんてさせないわよ、ノア。今日からあなたは、この部屋から一歩も出られない。私たち四人の愛情の檻の中で、一生甘やかされて溺れ続けなさい。」

 

「ま……ッ、待て待て待て! それもう完全に昔の監禁と変わらないだろ!?」


 

 ノアの絶叫を無視して、四人の過保護な包囲網はさらに縮まっていく。呪いが解けた反動と、自らの意志でノアを愛する自覚を得たルチアたちの熱量は、以前の数倍——いや、数十倍にパワーアップしていた。


 

「あ、あああ……! 呪いだった頃より自分の本心でやってる分、タチが悪過ぎるだろーーっ!!」


 

 ノアの悲鳴と、四人の満足そうな笑顔が交錯する中、甘々ハレンチ地獄の幕は完全に開かれた。

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