第20話(閑話3) 絶対防衛線(自称)の裏側
ノアが色々な意味で疲弊しきって深い眠りに落ちた深夜二時。
彼の部屋をこっそり抜け出したルチア、クララ、ヴァネッサの三人は、廊下でひそひそと緊急会議を開いていた。先ほどまでの甘々な表情から一転、三人は極めて真剣な表情で頷き合っている。
「……みなさん、手応えはどうですの?」
ルチアが自身の胸元を整えながら尋ねる。
「ノア様はご自身の『力』への恐怖で心が折れかけていますわ。だからこそ、私達の肉体と愛で、四六時中思考を麻痺させなければなりませんの!」
「ああ……」
クララが真顔で深く頷いた。
「今日の抱き枕作戦も効果的だった。ノアの心拍数は跳ね上がっていた……彼が余計な恐怖を思い出す隙など、ミリ単位も与えていない証拠だ。」
「ふふ、私の口移し未遂も相当効いていたわね♡」
ヴァネッサが妖しく唇をなぞる。
「あの子、思考が全部吹き飛んで顔を真っ赤にしてたわ。……そうよ、あの子に過去のトラウマや怪物の力を思い出させるくらいなら、私達のハレンチな攻撃で脳みそを溶かしてあげるのが一番の救済なのよ♡」
「えぇ……。」
「そうだな。」
ノアを「トラウマから守る」という目的が、いつの間にか「全力のお色気でノアの思考を破壊する」という明当違いな方向へ一致一致した三人。
「明日からの収穫祭でも、一切の隙を見せず、徹底的に密着して甘やかして差し上げましょう♡」
聖女と騎士と小悪魔の、あまりにも過激でズレまくった「保護計画」が、静かな夜の屋敷で着々と練られていた。
次回は本編第2章開幕!
よろしくお願いします!




