表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷の追放令嬢、死神辺境伯の熱に溶かされて幸せになります ~捨てられた聖女の調和魔法で、極北の地を宝石の都へ~  作者: 花菱エマ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

35/50

第35話:目覚める魔導書。精霊王の導き

皆様、お久しぶりですわ!花菱エマです。

「第一部完結」として一度筆を置かせていただきましたが、皆様からの熱すぎる応援と「もっと二人の幸せを見たい!」という愛あるお声に、私の心まで溶かされてしまいました。

本日より、物語は第二部『精霊の門編』として、さらに甘く、さらにスケールアップして再始動いたします。

エルシア様とカイルム閣下の、新しい旅路をどうぞ見守ってくださると嬉しいですわ!

「――エルシア。もし、この雪の果てに、君を連れ去る神がいるなら」


 私を抱きしめるカイルム様の腕に、ぐいと力がこもった。

 彼の低い声は、深い愛情と、それを上回るほどの隠しきれない「焦燥」に震えている。


 朝日が差し込む執務室。

 机の上に置いてあったはずの『母様の魔導書』が、誰の手も借りずに宙に浮き、眩いばかりの蒼い極光を放っていた。


「……カイルム様、苦しいですわ。……大丈夫。神様が迎えに来たとしても、私はあなたの隣から一歩も動きません」


 私は、彼の逞しい腕に自分の手を重ねた。

 首筋に刻まれた「氷狼の紋章」が、カイルム様の激しい鼓動に呼応して、トクトクと熱く、甘く脈動している。

 

 王都を鎮め、ノースウォールに平和が訪れた。

 けれど、昨夜私たちが魂を分かち合ったその瞬間から、この魔導書は「何か」を待っていたかのように目覚めてしまったのだ。


 パラパラと音を立てて、魔導書の頁が捲られていく。

 文字が、光の粒子となって空中に舞い踊った。


『調和の聖女よ。王都の偽りの太陽を鎮めし者よ。

 汝の氷は、単なる拒絶の盾ではない。

 それは、世界を救う「冷たき愛」の楔なり』


「……母様の、声?」


 懐かしい、花の香りが部屋を満たす。

 光の粒が空中に描き出したのは、ノースウォールのさらに北。

 人間が立ち入ることを許されない永久凍土の果てに立つ、巨大な『氷晶の門』の姿だった。


『大太陽の核を鎮めた影響で、世界の天秤が大きく揺らいでいる。

 門の向こうで眠る「氷の精霊王」が目覚めれば、世界は永劫の冬に閉ざされるだろう。

 それを止め、新たな調和を紡げるのは、エルシア。……愛を知った、あなただけ』


 光の残像が消え、魔導書が静かに机に落ちる。

 後に残されたのは、机に刻まれた一筋の光の地図。


「……また、君に重荷を背負わせるというのか。あの王都の連中と同じように!」


 カイルム様が、怒りに身を震わせて魔導書を掴み取ろうとした。

 彼の指先から溢れ出す漆黒の魔気が、部屋の温度を瞬時に氷点下へと叩き落とす。


「いいえ、カイルム様。違いますわ」


 私は、カイルム様の頬を両手で優しく包み込んだ。

 怒りで険しくなった彼の瞳を見つめ、私は今までで一番晴れやかな笑顔で告げる。


「王都では、私は無理やり力を奪われる『道具』でした。……でも、今は違います。私は、あなたがいるこの世界を守りたい。……私の氷が、あなたの熱を助けるための『奇跡』なのだとしたら。……私は、自分の意志で、その門へ行きたいのです」


「……エルシア」


「カイルム様。……一緒に行きましょう? 一生、離さないと誓ってくださった、私の騎士様」


 カイルム様は、私の言葉を飲み込むように、強く、強く抱き寄せた。

 彼の熱い唇が、私の額に深い誓いを刻む。


「……ああ。……分かった。……地獄の底だろうと、天の果てだろうと、私は君を離さない。……君が世界を救うというなら、私はその世界ごと、君を私の腕の中に閉じ込めて守り抜こう」


 窓の外、ノースウォールの空には、かつてないほど巨大な、美しいオーロラが揺らめいていた。

 それは、古い因縁を捨て、世界の深淵へと挑む「一対の魂」への、祝福の幕開け。


 私たちの、本当の物語が、今、ここから始まろうとしていた。

お帰りなさいませ!

再開一話目からいきなりの「精霊王の導き」……。

エルシア様とカイルム閣下の絆は、もはや人間同士の愛を超え、世界の理をも変えようとしていますわね。

カイルム閣下の、怒りすら孕んだ「重すぎる独占欲」も、さらにパワーアップしている予感がいたします。


さて、二人が向かうのは、誰も見たことのない永久凍土の果て。

そこにはどんな試練が待ち受けているのか。

そして、母・イザベラ様が遺した本当の秘密とは……?


もし、この再開を「待ってた!」と思ってくださったなら、

ぜひ【ブックマーク】の再登録と、下の【☆☆☆☆☆】の評価で、

二人の新しい旅立ちへの「燃料」を贈ってあげてくださいな。


皆様の評価が、エルシア様の氷をさらに輝かせる、最強の魔法になりますわ。

次回、第36話「辺境伯夫人の朝。幸せなパンの香りと、小さな異変」でお会いしましょう。

(※甘い新婚旅行(?)の始まりですわよ!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ