表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/74

王太子は背負い2

「ま、負けました」



 次の瞬間——

 静まり返っていた訓練場全体に、どっと凄まじい歓声とどよめきが広がった。

 空気が変わった。騒がしくなる。

 「凄いです!思わず見入っちゃいました」

 「ギル様強すぎませんこと!?」

 「ギル……だったか、お前強いな!どうなってんだ?」

 ギルが、大勢に囲まれて、困っている。

 教師が足を踏み出し、彼の前に出た。

 「お手合わせありがとう。若いが、すごいな!してやられてしまった」

 「いえ……こちらこそ、ありがとうございます」

 教師に手を差し出され、ギルさんは恐る恐ると手を差し出し、握手を交わした。



 次は、ソフィアと男子生徒だ。鑑定してみたが、男子生徒よりソフィアの方が武勇の数値は、少しだけ高い。しかし、知力は圧倒的にソフィアの方が上だ。ソフィアが勝つのだろう。

「始め!」

 開始と同時に、ソフィアは、急所を狙って迷いなく剣を振る。しかし、男子生徒はギリギリの所で受け流し、ソフィアの首を反撃しようとする。彼女は素早くしゃがんだ。それから、そのまま男子生徒の頭を大きく飛び越え、丁度反対側に着地した。その間に男子生徒は反対側を向き、着地と同時に攻撃を仕掛けようとした__が。

「まぶしっ……!?」

 丁度真正面から強い太陽光を視界に受け、彼は思わず目をつぶった。。ソフィアは最初から、太陽を背にする位置へ回り込んでいたのだ。

「しまっ……」

 

 カキィーン……!


 気づいたときには遅かった。

 甲高い金属音が響く。彼の剣は、飛ばされ、地面に音を立てて転がる。

「チェックメイト」

 無表情、そして冷ややかな声。

「しょ、勝者、サブジーナス公爵令嬢!」



 ソフィア……魔術使ったな。ルール破りやがって。このソフィアは、ルールまともに聞いてなかった説あるがな。

 ソフィアは、しゃがんで男子生徒の頭を飛び越える際、風魔術で蹴り上げる威力を高めていた。それが分かったのは、魔術や魔法を使用した・された瞬間、それがまるでゲームのポップアップのように表示されるからだ。

 鑑定眼様々だ。無ければ、気づかなかっただろう。



 続くレオン子息の対戦も、あっけなく決着がついた。一番印象に残っているのは、女子生徒達の対戦前の歓声だ。

『キャー!レオン様ー!頑張って!』『そいつなんか叩き潰してくださいましー!』『レオン様ー!』と、まるでライブ会場のようだった。一方、男子生徒達は嫉妬の目でレオン子息を見つめ、憎悪が思わず顔に出ていた。

 当の本人といえば、にこりと女子生徒達に微笑んで、更に歓声を浴びていた。

 そして、対戦相手からの猛攻撃を軽々と最低限の動きで躱していき、隙ができた瞬間、対戦相手を背負投げをしてみせた。

 ギャップ萌えを通り過ぎて怖い。サブジーナス家、優秀な人ばかりだな。

 レオン子息は、あっけなく勝利を収めた。



 その後、俺はフランクと対戦した。

 正直、ものすっごく、嫌だった。ほぼチートの奴と戦えとか、拷問だ。負けたらどうするというんだ。

 フランクの厄介なところは、戦いながら戦術や動きをリアルタイムで即マスターしてくるところだ。長引けば長引くほど、こちらにとっては不利になってくる。

 だから__俺は速攻で終わらせた。

 剣の腹を強く叩き打ち、フランクの剣を折ったのだ。そして、驚き、一瞬フリーズしたフランクに刃を向けた。

 皆を盛り上がらせたほうが良かったかもしれない。だけど、それで変に魅せるプレイをして、長引かせて負けるくらいだったら、勝ちたい。勝たないといけない。負けることなんて、許されない。


『カイン様、貴方は絶対なる次の王です。貴方は、負けることなど、許されません。貴方は……』

 

 俺は、「優しくて、強くて、優秀な、完璧な王太子」にならなければいけないのだから。

王太子カイン・ヴィルハルト・アマリリスの視点の話でした。どうだったでしょうか?

彼は、この作品でキーを握る人物なので(ネタバレ)是非、目を離さず読み進めてください!

ブクマやイイネ、★評価、宜しくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ