風紀委員会見学【後編】
「あら?風紀委員長と副委員長ではありませんか。先輩達が必死に仕事しているのに、お遊びですか?」
扉の向こうには、賭場が存在していた。風紀委員長と副委員長が中心にいた。
「ふん!新入生なんかに言われたくないな!生徒会でもありゃねぇし。なあ?」
風紀委員長が肯定を求め笑うと、周りの仲間もつられて笑った。
レリーナは呆れたように、ため息をした。
「貴方達が遊んでいるおかげで、仕事がたんまり溜まっているのですよ?」
「全員、疲労」
「過労死するかもしれませんね。その様子ですと、『仕事をする』ことはなさそうですね」
さて、どうしましょう?頬に片手をあてて、レリーナは考えた。
「そもそも、学園の風紀を守るための委員会なのに、委員長自らが、乱してどうするんですか?」
「うるさいな!なんにも知らない、お前らに言われたくないな!」
後ろにいた疲労困憊の先輩達はオロオロしていた。グラディオは一切、関わらないようにレリーナから離れた。
「何も知らない?確かに私は昨日、入学したばかりです。まだ、学園の全体像は見えてませんし、ましてや、暗黙の了解も知りません。というか、そもそも、仕事をしずにその座に居座っている貴方達が問題なのではないでしょうか?」
(こんな状態だって聞いてないわ!こいつらはさっさと排除したいわね…)
委員長をはじめ、賭場にいた生徒は顔を真っ赤にさせていた。反対に、オロオロしていた先輩組はより顔を真っ青にさせていた。
「決めました!次に私がここに来るときは、正式な抗議文と一緒に伺います。その時は――」
潰される覚悟で。レリーナは挑戦的な笑みを浮かべ、やたらと重い扉を一気に閉めた。
「と、言うわけで、『新・風紀委員会』を発足させようと思うのですが、賛成の方はいらっしゃいますか?」
くるっと振り向いて笑顔で、言い放つレリーナ。沈黙。しばし、沈黙…………………………………………………………………………。
「なぜ、新しく発足を?」
「あいつらを潰すためです!アレを抗議するには、生徒会か最低でも、風紀委員会でなくては通りそうにないですし……」
それでも他は不安そうだ。レリーナは、一つの考えにたどり着いた。
「もしかして、家のことを気にしているのですか?」
「あ、はい……。委員長や副委員長は、どちらも有力な侯爵家で、その下についている生徒も、影響力の高い家柄です」
「万が一、お家潰しされかねませんし……」
(家のことを心配するのは、当たり前のこと。打つ手はあるわ)
「先輩方、ご安心ください。お取り潰しを防ぐため、私の伝手を総動員しますわ。偶然にも、仲の良い兄弟子、姉弟子が地位の高い方たちですし。なんでしたら、ガラン兄さんにでも手伝ってもらおうかしら?」
ついでに、私のお友だちの親ですしね。内心、そう思いながら、ちらりとグラディオの方を見た。彼は無関心のように見えるが、小さく頷いていた。
「ちなみに、あなたの兄弟子と姉弟子には、どなたがいますか?」
「エドワード皇帝陛下、エリザベス皇后殿下、アリク閣下、ライザック閣下……。一番、地位が高いのが……ガラン兄さん、えっと……魔王ガウラン陛下ですね。他にもいらっしゃいますが…」
レリーナ以外、全員、魂が抜けたような状態になっていた。
「皆さん、大丈夫ですか?」
「想像以上でした………」
「お取り潰しは免れそうですね………」
そして、皆が立ち上がり、一人が宣言した。
「我々は今この時をもって、風紀委員会を離脱する!そして、新たに『新・風紀委員会』を発足する!」
「委員長は当然、その子でしょ?」
委員長候補にレリーナが名指しされたが、全身全霊で拒否した。
「無理です、無理です!昨日、入学したばかりです!仕事内容を全く知らない私より、よく知っている先輩方からの方が…」
数分、話し合った結果……
「新・風紀委員会委員長は、3年パルカス・ファーティマ、副委員長はレリーナ・アルースに決定しました!」
「副委員長の座は絶対にレリーナさんです!」と説得され、折れた。
「人数は、委員長と副委員長を除く10人は必要でしたよね?」
「グラディオさんを入れて、ぎりぎり10人です」
一斉にグラディオの方を見た。急に注目されたので、一瞬だけ、仮面が取れてしまった。
「ディオ、十分に人数が集まるまででいいから、入ってくない?」
「別にかまわないよ。どうせ、人手不足には変わりないでしょう?」
こうして、新・風紀委員会は発足した。もちろん、生徒会からの許可はおりた。
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他の書きたいやつが増えちゃいましたね…
【これが終わり次第、書きたいけど……】
光が見えませんね……
【そう、だな……】




