歓迎パーティーの出来事【前編】
担任紹介と自己紹介、そして、学園の説明が終わった。寮へ戻り、着替えを済ませたところだ。
「さすが、ハクラさん!見立て通りね!」
「トアもそう思う?ケイ兄さんの簪も、素敵よね」
レリーナは鏡に映る自分を眺めていた。ハクラから貰った若緑のドレスに身を包み、ケイからの銀簪を使って、少し華やかに髪は結われていた。ミルクティーの髪はより輝きを増しているようだ。トアの手によって、化粧もされた。
「この姿、いつぶりかしら?」
「レリーナさんは転移してきましたもんね」
「あの方から説明は聞いているわ!」
レレルヒートが前に話していた天使族の子はノアとトアのことなんだそうだ。
「安心して!正体を知っているのは、私達だけですから!」
「教会からは全力でお守りします」
レリーナはそれを聞いて、安心した。
レリーナは教会を恐れている。なぜって?お忘れかもしれませんが、彼女はレレルヒートの眷属であり、天気の神であるから。教会に捕まったら、身動きが全く取れない。自由に動けない。それが怖いのだ。
「さあ、レリーナさん!お時間です!師匠とガウラン兄が寮の前でお待ちしてます!」
「楽しんできてね。私達は、ここにいますからね」
レリーナは二人に見送られ、ルーベンとガウランとともに会場へ向かった。
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会場に着くと、既に生徒とその保護者が集まっていた。どうやら、もう始まってしまっていたようだ。
「いたいた!師匠〜!リーナも〜!あ、ガラン兄上!こっち、こっち〜!」
エドワードが大手を振って、三人を呼んでいた。彼の周りには、エリザベスはもちろん、アリクとライザック、そして、彼らの妻子がいた。もちろん、婚約者らしき令嬢も。
「注目、されてますね……」
「エドらしいがな!ただ、もうちょっと、大人しくしてほしいもんだ」
「おや。僕も同感ですね。まったく、後で、叱っておきましょう」
三人は苦笑いで、その集団に混じって行った。突き刺す視線。レリーナは内心、懐かしんでいた。
「師匠、遅いわ!きゃー!レリーナちゃん!かわいいわ!ハクラちゃん、完璧よ!」
エリザベスが抱きついてきた。流石に、ドレスがシワになりそうだったので、無理矢理、離れさせた。エリザベスは頬を膨らませている。かわいい。
「非礼をお許し下さい、エドワード皇帝陛下、エリザベス皇后陛下」
レリーナは畏まり、カーテシーをとった。一応、無礼講であるが、公の場である。周囲の目もあるため、昨日のようにできない。
「畏まらなくても、いいのに〜」
「あのですね、一応、公の場ですよ?わかってます?」
ルーベンはぷくぅと頬を膨らまして、文句を言うエリザベスを笑顔で叱った。
「リーナ、息子のエルハントと婚約者のシャーロット嬢だ。娘のリベットは……多分、向こうにいると思う……」
「初めまして、レリーナ嬢。君のことは父上からも母上からも聞いているよ。ああ、僕はエルハント。気軽に『エル』と呼んで」
「エルハント殿下の婚約者のシャーロット・セキテリュースですわ。敬語なしで『シャルル』と呼んでもかまいませんことよ!」
「エル様、シャルル様、初めまして。レリーナ・アルースと申します。『リーナ』とでもお呼びください」
レリーナはカーテシーをとり、挨拶をした。シャーロットはガシッとレリーナの手を握った。
「お友だちに、なってほしかったのに!敬語は全くいらないわ!気軽に話しましょうよ、ね?」
レリーナはシャーロットの気迫に圧倒され、縦に何度も頷いてしまった。
「やったわ!お友だちができましたわ!リーナちゃん、敬語はなしよ、いいわね?」
「わかったわ。よろしくね、シャルルちゃん!」
レリーナとシャーロットは笑いあった。エルハントは置いてけぼり。
「私ね、戦闘の実技試験の時、貴女を見てたの!颯爽と終わらせるリーナちゃんの姿がかっこよかったのですわ!」
「本当に?ありがとう!あれで良かったのかなぁって、思ってたの」
「闘技大会にもちろん、出るわよね?」
「ええ。混合の部は絶対にね」
「ならば、そのときに、同士を集めますわ!リーナちゃんのファンクラブを結成したいのですわ!」
ファンクラブを作られるのは恥ずかしい。エルハントに視線を送り、ヘルプを申しだしたが、首を横に振られた。
「シャルル、落ち着こうか。ごめんね、レリーナ嬢。シャルルはやると決めたら、突っ走ってしまうんだ。だから、もう、誰にも止められない」
どうやら、ファンクラブは決定事項のようだ。
レリーナはエルハントとシャーロットの組み合わせはバッチリだと思った。どちらも、美少年、美少女。目の保養になるわね。
「そろそろ、俺達に変われよ。長えぞ!」
振り向くと、青髪銀眼の少年とうすピンクの髪の少女が立っていた。少女の姿をどこかで見たことがある気がした。
「殿下、シャーロット嬢。ダイレンとアリア嬢の紹介をしてもよろしいですよね?」
ライザックの圧に負け、二人は一歩後ろに下がった。
「リーナ嬢、昨日ぶり!んで、こいつが息子のダイレン。この子がダイレンの婚約者で、スーレ姐さんにそっくりのアリア嬢だ」
「ディオから、君の事を聞き出したよ。あいつに激怒したんだってね?オレはダイレンだ。『レン』と呼んでくれ。よろしく!」
「あの!実技試験、かっこよかったです!あ、わたしはアリア・リアンヌです。以後、お見知りおきを」
「レリーナ・アルースです。『リーナ』とお呼びく――呼んで、レンさ――ん、アリアさ――ん?――えっと……、アリアちゃん」
敬語になったとき、アリアに睨まれたので、慌てて口調を崩した。
「うん!よろしくね。ちなみに、スーレさんはわたしの母方のご先祖様なの」
「だから、似ていたのね!」
レリーナは納得した。
「リーナちゃん、ドレスもアクセサリーも綺麗ですわ!」
「ありがとう、シャルルちゃん!といっても、これ、貰い物なの。この簪も」
「それでも、素敵ね。わたしも東洋風のドレス、ほしいなぁ」
それぞれのドレスのメーカーを聞きあったり、エリザベスも混じって、デザインの評価をし合ったりした。
「アリク閣下……」
「『兄さん』呼びでいいのですよ?」
「………じゃあ、アリク兄さん。息子さんは?見当たらないけど」
「ディオなら、リベットに捕まってるよ」
「ほら、中央にいる。面白いんだぜ」
「二人は、ああやって、グラディオ様をからかっておりますの」
「可哀想だから、止めてあげてって、言ってもね、聞かないの」
と、それぞれの婚約者が小声で教えてくれた。
中央を見ると、エドワードに似た緋色の髪の少女が金髪の少年の腕を掴んでいた。
ここまで、呼んでいただき、ありがとうございます!
【ブクマや評価もよろしく!】
ついに、エルハント達がレリーナに絡んできました!
【次は、書きたい場面だったよな】
うん!絶対に書くって、決めていました。(^^)
【頑張って書くぞ】
頑張りましょう!




