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親睦を深める

無事特待生となったアデル。次席のソレイユとお友達になりました。




 仲間の増えた早朝ランニングから一時間後。

 軽くもう一度走ってきた私は、ソレイユちゃんと再び合流していた。


「……貴女、人間ですの?」


「ちょっ、第一声がそれ!?」


「至極正当な評価だと思いますわ。さもなくば年齢詐称な歴戦の猛者か。

 ……それか、もっと幼い時よりよっぽど規格外な訓練を積んできたか」


「あ、それです」


「わかっていますわっ!!」


 あははーと笑う。

 いや、私からしたらあのランニングに付いてこられただけでも充分規格外だと思うけどね。

 自分の異常性は流石に理解しているし。


「とりあえず、ご飯食べに行こっか」


「食堂ですの?」


「ううん。オススメがあるんだー」


 お嬢様が食べるものかって言われたらわかんないけれど、そんなこと言い出したら学校にそもそも来られないだろう。

 行き先はもちろん、昨日の……!


「ここは……宿屋?」


「うん。目的は宿じゃないけどね!」


 受付に行って、おはようございまーすと挨拶。

 朝食を食べに来たと伝えてお金を払い、食堂へ向かう。


 昨日宿を出る時に、何時でもご飯食べに来て良いよって言ってもらえたからね。

 お友達料金で割引もしてくれる。嬉しい。


 二人で席についていると、今日もマロンちゃんが朝食を運んできてくれた。


「おはようございます。アデルさん」


「おはよう、マロンちゃん。こっちは同級生になるソレイユ」


「ソレイユですわ。お見知り置きくださいな」


「マロンですっ! ご一緒しても良いですか?」


「アデルが何も言わないなら止める理由は有りませんわ」


「ありがとうございますっ!」


 笑顔を浮かべて、マロンちゃんが席につく。

 うんうん。掴みは上々って感じかな?

 折角なら三人仲良く色々お話できるようになりたいよねっ!


「えーっと。ソレイユさんも他の街出身なんですか?」


「ええ。私は王都からですわ。学校に入るために家を出てきましたの」


「へぇ……アデルさんと言い、すごいですよね。15にして身一つで出てくるなんて」


「冒険者を志すような輩はそんなものですわ。アデルも遠方からなんですの?」


「それが、山二つ越えてきてるんですって。それも徒歩で」


「はぁ? やっぱり規格外ですわね」


「間違いないです」


「アデル、今朝だって…………」 「えー!」


 おいこらそこ、私が口を挟んでないからって話のダシにするんじゃなーーい!



 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 遅めの朝食を取り終えた私たちは、お店の手伝いに戻るというマロンちゃんと別れて外に出てきた。


「美味しかったし楽しかったですわ」


「でしょ!」


 時刻としては、まだ10時くらいといったところ。

 なんだかんだ朝からずっと一緒にいるあたり、すっかり仲良くなれたって感じで良いのかなー。


「んーどうしよっか。あんまり予定が無いのも難しいなぁ」


「そうですわね……でも、今日はお昼から呼ばれているでしょう?」


「え、なんの話?」


「……まさか、今朝の手紙見てない感じですの?」


「今朝? あー……起きてすぐトレーニングして、そのままランニング行ったからポスト見てないかも」


「はぁ……朝1でまず確認する。常識ですわ。資料にも書いてあったはず」


「うぐ、面目ない」


 ポストかぁ……そういえば朝晩2回は必ず見なさいって、合格の時もらった紙に書いてあったなぁ。


「今回は私がいたから大丈夫だったですけど、もっとシャキッとしなさい」


「はーい。

 それで、呼び出しって?」


「アデルと、わたくしに、もう一人。今年の特待生3人ですわ。13時に、学長室」


「えっ、学長室!? 私怒られるの!?」


「……入学してもいないのに、怒られる心当たりでもあるんですの?

  先輩から聞いた話の推測だけれども、冒険者ギルドの仮登録証の授与じゃないかしら」


 仮登録証というのは、冒険者養成学校でのみ用いられている制度。

 最低限の冒険者たる資格が揃ったと判断された者は、仮のギルドカードをもらうことが出来る。

 ランクは通常と同様のFから始まり、最高はC。卒業できた時点で、冒険者ランクはそれを引き継ぐ。


 それだけじゃあない。仮登録証があれば、実際の冒険者のように依頼を受けることが出来るのだ。

 まあ、流石に仮だから多少の制限はあるけどね。


「あーつまり、特待生になった時点で、最低限の力はあると見なされているってこと?」


「かも知れませんわね。午前の授業で習うような冒険者のいろはまで試験に組み込まれておりましたし」


「へー。早速依頼受けられるようになるのかな。だとしたら嬉しいな」


「まだ分かりませんわよ」


「わかってるわかってる。じゃあ、お昼になったら向かおうか」


 コクリと頷くソレイユちゃん。

 方針が決まったところで、軽く街を見て回って時間を潰すことに。

 そして、もうすぐ一時というタイミングで、私たちは学長室を訪ねた。


「……緊張しますわね」


「うん」


「ここの学長、癖が強すぎると有名なんですの」


 それは今聴きたくはなかったなぁっ!?





ちゃんと対面は平和に終わりますよ(ネタバレ



流石にペースはそろそろ落ちてくると思います。

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