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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第4章『ゴリラゴリラゴリラの名は?』
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ホムダイの刑

「俺の目の前から消えろ」


こういう手合いは甘やかしてはいけない。

かける言葉はシンプルでストレートに。

そして残酷に突き放すことが必要となってくる。


でなければ待っているのは破滅。


「ど!!どぼじでぇえええ!?」


完成された幼妻の仮面はいともたやすく崩壊し、語彙力を失ったゴーレムと化す。


ついでに握力の限界だったのか幼女の姿も剥がれ落ち、言いようのない残念さを纏ったアラサーが現れる、


「いやよ。私ね……認めてくれるまで居座るから。ホムダイの刑に処されてもここを離れないわ」


ノーマルモードの大家さんは声が茅野愛衣に似ていることと巨乳である点のみ評価に値するが、気の触れ方における狂気の発散の仕方が違うだけで幼女の時もこちらの時もおしなべて狂人だ。


ちなみにホムダイの刑とは古代エジプトにおける架空の呪いまたは処刑方法である。


生きたままミイラへと加工された後、スカラベと共に石棺へと閉じ込められ、そのまま虫に肉を喰らわれるという残酷なものだ。


そんなものがすらすらと頭の中から出てくるこの女……なぜ他人に好かれるかもしれないと一ミリでも思っているのか?

小一時間問いただした後に黄色い救急車に乗せたい。


「結局うやむやになったドキドキなんとか作戦の結果は私の優勝だもの。ならば君は私のもの。誰のものでもない私のもの。QED(証明終了)」

「うるせーよストーカー野郎!もういいこんなアパート引き払ってやる!地下に核シェルターがある時点で最上級の事故物件だしな」

「逃げられると思っているの?残念だけどこの部屋の入り口にセントリー銃を三台設置したわ。弾は五百発ずつ。無理に出ようとすれば蜂の巣だわ」

「ガチ兵器を一般居住区に持ち込むなや!」


ドアの上を見るとガチでセントリー銃が取り付けられている。この女モノホンの銃の悪魔や……


ならば窓は?


残りの二台があっただけだ。

ぬかりはないらしい。


「もうここから出ることはわたしでも叶わないわ……諦めて死ぬまで愛し合いましょう。私の自制心はもう……ストぉおおおんフリぃいいいいいい!!」

「助けてええええ!!」


奇妙なポーズで襲いくるアラサーは今まで戦ったどんな相手よりも恐ろしい。


「助けに来ましたよ宇治春くん!!」


ガラス窓を叩き割って委員長が部屋に転がり込む。

動きを察知したセントリー銃からは五百発の弾が一斉に放たれる。


だが委員長は難なくそれらを捌き切る。

よく考えたら俺たち強人類にこの程度の銃火器など無意味でしかない。


「何なのこの小娘かれぴっぴを奪いに来たの!許さないぴぇん剣双牙!!」


大家さんの両腕から握力による気功波の類が時間差で二つ放たれる。


「宇治春くんの今後のためにはっきり言っておきます」


委員長は俺を抱えたまま、大家さんの人間を超越した攻撃に応戦し、話す。


「あなたはただのメンヘラストーカーです。それも自分をメンヘラだと自覚していない最もドス黒いアラサーメンヘラガチサイコパスストーカーです!」

「うっ……何よそれ。ハリー・ポッターの呪文?それに全然的外れね。私は……うっ!?何この胸の痛みはや……体が重い。脳が考えるのを……やめ始めている?」

「あなたのほんのひとかけらだけ残った人間らしさが本能的に罪を感じている証拠です。真人間になって出直してください」

「たしかにやり過ぎた感はあった気がするけれど……お、身体が……握力が、保てな、わたし、秋子は、いのちの……かがやき」


大家さんは幼女とアラサーの中間の生命体となりやがて眼球以外動かなくなった。目だけがぐりぐりと目まぐるしく動いているので端的に言って気持ち悪い。


「行きましょう。宇治春くん」

「ああ、ていうかこれ救急車かCDC(疾病対策センター)呼ばなくて大丈夫か?」

「ほうって置きましょう。人間が触れてはいけないものです」

「あ、あき、こ、こうこうこうこうこうこうこう」


大家さんは自我を失ったのか、いのちの輝きとも呼べる幼女姿で虚な瞳のまま再座している。


もう関わりたくないので俺はその場を後にすることにした。

あと部屋は引き払おうと思う。

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