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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第4章『ゴリラゴリラゴリラの名は?』
51/53

トシオ 終わりの始まり ①

――そう言えば聖騎士ゴリラ伝説とか言ってて甲冑とか剣とかまるで使わなかったな。

やはり時代は物理より気功波の類だ。


あれから数日。

成増は平穏そのものだ。たまに路上で奇声が聞こえるが、平和で安心できる東武東上線沿線で最も住みたい街並みを完全に取り戻したと言える。


ポケカおじさんは普通に殺人未遂で捕まった。板橋区における空間の歪みに存在する牢獄――脱獄者0人と噂される成増次元牢に収容され、永劫に近い時を贖罪に費やすという。


「おじさんはいつか必ず返り咲く。次こそは成増を幼女の街。庇護とはわわとはぁぅう〜な街へと変えて見せようぞ」


逮捕直後に不穏な言葉を残す辺り、反省はしていないのだろう。俺も含めて俺の周りはこんなやつばかりだ。


「アナタはヒッピーとラッパー……ドチラをシンコウシマスカ?」


片言のガイジンが謎の勧誘を迫る程度には、街から幼女が消えている。

俺はささっと手持ちのメモ帳に「HATE」と走り書きを加えると、ビリビリっと破ってガイジンに渡し家路に着く。


「ファッキュぅうううう!!」


怒声が聞こえたが気にしない。

なぜならば成増の空は青いからだ。


すると前方に見知った影が見える。


「宇治春……」

「よしたか」


腕組みをして立つ俺の親友。

俺たちは目と目で全てをわかり合った。

今までのいがみ合いや和解、そして共闘。

互いに全てを理解し合ったことは言葉を交わさなくても明白であったがホモではない。断じて。


どうやらよしたかもまた自身がホモではないことを証明したいのか他愛もない話題を切り出す。

少し頬が染まって見えたのは、この身に流れるオロチ一族の血が覚醒したためとかそんな感じだろう。


「見事成増を救ったようだな。流石は我がライバル。だが騎空士としての腕前はまだまだ俺の方が上のようだ」


よしたかは闇金に手を染めたのかと疑う程に、膨大な時間と金を注ぎ込んだであろうゲームデータを俺に見せびらかす。


正直人権の揃い具合に歯ぎしりも辞さない程度の嫉妬を覚えたが俺はクールに笑ってごまかす。


「そんなゲーム忘れちまったぜ。キャラ育成と称した三途の川の石積みみたいな作業に心が折れたんだ。水着オリヴィエがくるまでは永久にログインしないぜ」


今日はゴリラでも全裸でもないので俺はポケットに手を突っ込んで週刊少年マガジンのバトル系漫画のライバルのごとくクールに去る。


「坂本真綾か……悪くない。えっちだ」


お前の俺を送る言葉は悪くないどころか最低だがな。


そして俺は自宅であるアパートに戻る。


「おかえりなさいませ……だんなさまぁ」


玄関の扉を開けるとそこには本格的な白無垢に身を包んだ幼女が手を三角にして床に額をつけて丸まっている。


完璧な作法。

控えめな動作ながらも溢れ出んばかりの気品。

まるで夫にかしずく古き良き大和撫子幼妻だ。


時代錯誤かもしれないがこういった文化も忘れてはいけないのかもしれない。


だが忘れてはいけないことは他にもある。

この女はストーカーという立派な犯罪者だということだ。

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