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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第4章『ゴリラゴリラディエリ』
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尊政府

「ドキドキHeartトゥHeartデート作戦とは?」


不本意ながら俺は犬に問いかける。

畜生は犬のくせに器用に見下したような表情をつくって俺を見上げる。

人生で犬に見下された人間など歴史上まれだ。江戸時代の一部以外では存在すらしないだろう。


その分犬への殺意も相当なものとなるのは必然だ。


「これより僕の飼い主とそこの女でそれぞれ考えた最高のデートプランを実行してもらう。端的に言うならばかれぴっぴの争奪のための代表戦だ。審査員は僕と成増を支配する勢力の一つである尊政府(とおとせいふ)の役人によって行う」

「尊政府ですって!?」

「知っているのか真冬!」

「成増が三つの勢力に分断されて混沌を極めているのは知っているわね?」

「しゃべる犬に見下されてる時点で混沌なんて生易しい言葉が似合う街だとは思ってなかったよ」


いつからこうなっちまったんだ。

街が汚れちまった悲しみを紛らわせるために犬を睨むが逆に鼻で笑われてストレスが溜まるばかりだ。


「尊政府は成増の東部を支配する巨大レジスタンス。尊いものを崇めることを至高としているわ」

「今すぐに潰れちまえよそんなもん」

「それは聞き捨てならないな!」

「なんなんだよ!また無駄なキャラが現れんのかよ!?誰だよ!」


やたらかっこいいBGMと共にその変態は颯爽と現れる。


「私があいやんマンだ」

「ただの不審者じゃねーか!?」

「不審者じゃないよ!騎士くん!」

「もう一匹変なの出てきたよ!?」


サイドアタックだ!

俺と真冬は変態二匹に挟まれる。


あいやんマンは赤い鎧をまとった小太りのおじさんで、裏声で俺のことを騎士くんと呼んできた方は全体的にピンクっぽい衣装を身にまとった女装癖のあるハゲのおっさんだ。


「騎士くん……おじさんのこと忘れちゃったの?」

「なんで俺には一方的な知り合いがすげーいるんだよ!誰だテメー!」

「昔カードショップで暴れてたの見てたよ騎士くん。おじさんポケカやってたよ」

「そんなモブみてえなやつ覚えてるわけねーだろ!!いや、覚えてたけどさ!!」


顔までは覚えてねーよ。


「さて役者は揃った。舞台はこの成増だ。後はこの哀れな女とどこぞのおっぱいで雌雄を決する……準備はいいかな?」

「マキシマ先生、秋子をディスらないで。あと先攻は秋子がいかせてもらうわ!」

「ずるいよこの女!ドサクサに紛れて先攻とってるし、カードゲームアニメの登場人物みたいな強引さだよ!」

「だから独り身なんだろうな」


あまり人のことは悪く言いたくないが、この大家さんに関しては自業自得としか言えない。


「さあ……始めようか。愛の反対は無関心だ。傷つけても殺しても構わない。君たちの思い描く最高のデートを見せてくれ」


傷つけても殺されても構わなくねえよ。

相手がこの二人だからシャレになんねーんだよ。


「待ってくださーーーーいっ!!」


気の重くなるデートが始まるのかと思いきやそこに現れるのは委員長だ。


左手でソプラノリコーダーの猛攻をものすごい勢いで捌きながらこちらに向かって走ってくる。

リコーダーの追尾性能やべえな。デビルメイクライ3の幻影剣超えてるわ。


「そのデート!!」


委員長はついにソプラノリコーダーを掴むと、


「私も参加します!!」


膝で真っ二つにたたき折った。


「……いいだろう丁度僕も属性が足りないと思っていたところだ。君が加われば映し出す性癖はより豊かなものになるだろう」

「秋子の魔具がぁーーーー!!」


そしてここに、


大家さんと

真冬と

委員長による


ドキドキHeartトゥHeartデート作戦が始まろうとしていた!!

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