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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第4章『ゴリラゴリラディエリ』
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SCP-195027自覚のないストーカー秋子

「ラーメン美味えーー!!」


多分夢を見ている。

景色はぼんやりとしているし、何より俺は謎の幼女に気絶させられたから。

だからラーメン屋にいるのはおかしい。


「うむ美味であるな。拉麺屋というものは人生で初めて訪れたが」

「マジかよ。成増の小学生とは思えない生活スタイルだな」

「あまりこういった場所に縁がなくてな……それより良かったのか?他人のカードを転売した金で拉麺など食べて?」


これは多分よしたかのカードを売りさばいてアグラヴェイン卿とラーメン屋に行った時の記憶だ。


「俺は……友を悲しませたくない」

「……」


呆れた風に黙っている。

俺はバツが悪くなったのだ無言でラーメンをすすっているとやがてアグラヴェイン卿が口を開く。


「汝。一つ良いか?」

「なんだよ改まって」

「我の真の姿についてだ。今の我は見ての通り世を忍ぶ仮の姿である」


デーモン小暮閣下みたいなこと言いだしたがどうしたんだ?


「だから問いたいのだが、そなたがもし我の真の姿を知ったらそなたは我をどう思うであろうか……ふとそれが気になったのだ。我らの関係は変わるのか変わらないのか」


珍しく真剣な口調に俺は確か珍しくまともに答えた気がする。


だが――肝心のその先の場面は思い出せない。

急に音量ボタンをいじられたように、声が消え、場面が虚になり、段々とまた意識が薄れていく。


俺はこの後何を話したんだっけ?


答えは見つからないまま二度目のまどろみに入っていく。


===


「あっかれぴっぴ、おはよう!」

「ねえどこ?ここ?」


窓のない地下室と思われる場所で目を覚ました俺。

声をかけるのはエプロンをまとった文字通り幼妻といった感じの幼女が一人。炊事をしていたのか手を拭きながら現れる。


「やだ〜これからかれぴっぴが永遠にくらすマイホームよ。秋子とかれぴっぴの愛の巣ともいうわぁ〜」

「ここ地下室だよな?あとなんで俺鎖につながれてんの?」

「あんしんしてかれぴっぴ!第三次大戦にそなえて水爆の直撃にもたえられる親切設計だから!CIAが大統領の為に秘密裏に考案した核シェルターの書類をハッキングしてつくったの♪」

「絶対に逃げられないということでよろしいのか!?」


こいつ……何者か知らんが超小学生級のサイコパスであることは間違いない。

なんで俺の周りにいる異性は闇を抱えている奴しかいないの?

普通の幼馴染はどこに売ってるの?ダークウェブとか行けば出会えるの?


「逃げるなんてひどいよっ!かれぴっぴは秋子のこときらいになっちゃったの?」

「お前が誰かすらわかんねーよ!」

「ふぇ〜ん!ひどいよぉ〜!秋子はこの数年1日たりともかれぴっぴのこと忘れてなかったのにぃ〜!」


典型的なストーカーの文言を口にする幼女に俺は震えが止まらなかったがなんとか失禁は抑えて問いかける。


「あの……本当にこれっぽっちも心当たりが無いんだけど……」

「ぐすっひどいですぅ〜……成増のアーチャーにつつかれているところをたすけてくれたでしょう。数年前の成増宮殿でそよぐ風にもたれてる秋子の肩抱きしめて愛してるってもう君なしじゃ生きられないwithoutyouっていってくれたですぅー!」

「てめえフォールスメモリーシンドロームかよ!偽りの記憶を信じ込んでんじゃねえ!」


どうやら人生で一度きりの出番しかないと思っていたあの時の幼女らしい。

最後に不穏な言葉を残していたが、まさかこんな形で不安が現実になるなんて。


「ど、どならないでかれぴっぴぃ〜!秋子幼女だよ?アベンジャーズが世界をほうりなげてでもまもるべき存在だよ!台所から牛刀もってきちゃうよっ!!」

「俺が悪かった」


命は大事。これ重要。

幼女は幼女らしくころころと態度を変え、笑顔に戻るる。


「よかった〜かれぴっぴ突然どなるから秋子DVを覚悟しちゃったですぅ……でも秋子は真の愛幼妻(パトリオット)だもんね。そんなひどいことかれぴっぴはしないんだもんね」


メタルギアソリッドの話題以外でパトリオットなんて単語会話に組み込むやつなんて聞いたことねえ。


それにしてもこの幼女。

サイコパスであることを抜きにしてもおかしな点がある。


「お前……いくつ?」


思い返せば姿形が数年前とまるで変わらぬ幼女そのものなのである。

普通この年頃の女の子ならば成長が早いから見た目も結構変わるもんだが。


すると幼女の表情が一変して険しくなる。


「女性に年齢を尋ねるとは感心しないな。ここがベトナムであったならば貴様は即刻銃殺刑だ」


急にアメリカ海軍みたいな口調と声音になる。

マジでなんなんだよこいつ……身の上の一切に想像がつかない。プロファイリング不可能だわ。


「な〜んてねっ☆かれぴっぴのことじゅうさつけいになんてするわけないでしょ〜」

「お前からはスリラーとかホラー的な恐怖を感じる」

「ひどい……秋子学生時代にSCP195自覚のないストーカーとかいわれてまわりのクソビッチどもからいじめられてたからそういうこといわれちゃうとトラウマスイッチはいっちゃうかも……」


SCPって確保収容保護の略称でクトゥルフ神話のサイエンス版みたいなやつね。

二次創作可のみんなで考える危険生物危険事象みたいな感じ。


まあ今の現状俺がSCPされてんだけど。


今更ながら俺の状況を説明すると四肢を鎖で繋がれてベッドに寝かされている状況だ。

これって立派な犯罪だよね。


「そんなことよりかれぴっぴ!朝ごはんよ!秋子のとくいりょうり!あつあつのアヒージョ〜」

「んなもん朝から食わすんじゃねえ!!」

「あ〜ん!」

「あちぃーー!」


グツグツに煮えたぎったオリーブオイルの中から取り出された魚介類を無理やり口の中に放り込まれる。


拷問!


これは立派な拷問!!


鎖を引き千切ろうと力を込めるが。


「むりだよ〜かれぴっぴ。それは秋子とくせいの鎖でとらえたかれぴっぴを強制的に絶の状態にするの」

「念能力者かよ!?」

「だ〜か〜ら〜かれぴっぴは……うっ!?」


突然幼女は胸を押さえて苦しみ始める。


「どうしたんだ幼女!!」

「うっ……秋子の中の秋子が……じゃましないで!秋子が秋子じゃなくなる!」

「なんだ!?突然!怒涛の展開に俺はまるでついていけてないぞ!!」

「だ、大丈夫よかれぴっぴ……秋子負けないすぐ戻ってくるから待ってて……でぃディディ!!でぃけーいどっ!!」


幼女は訳の分からない奇声を発して入り口のドアをぶち壊し去っていく。


嵐のようなやつだ。

そして誰か助けてくれ!

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