異種カードゲームバトル
「くっ……教えてくれよしたか!何故これほどまでに卑劣な行為を行う!カードゲーマーとしての誇りを失ってしまったのか?」
「ふぅん……貴様はまだそんな世迷いごとを語るのか?忘れたとは言わせないぞ。貴様が俺にした裏切り行為を」
「裏切り……まさか」
「そうだ。貴様は俺のシークレットレアブルーアイズホワイトドラゴンを取り返した後転売した。それはカードゲーマーの三大禁忌だ!」
カードゲーマーの三大禁忌。
それは、
「相手のデッキを見てそのカード弱くないですか?と発言すること」
「風呂に入らない」
「他人のカードを転売」
の三つの禁則事項であり、これを破ったものは永久に後ろ指を指され、卑劣者のレッテルを貼られる。
「貴様は俺の魂のカードを成増のアーチャーから取り戻した後二束三文でメルカリに転売し、その金で仲間と共にラーメン屋に行った……絶対に許さん!粉砕する!」
よしたかは跪く俺を指差して非難する。
「信じられねえくらいの外道だなあいつ」
「終身刑でも文句は言われねえぞ」
「きっとチームメイトの女もレイプされてんだろうな。人間じゃねえよあいつ」
酷い言われようである。
だが小学校時代、異性から生きる呪いとして扱われていた俺にとってこの程度の人格否定は響かない。
「よしたかその件に関しては――」
「謝罪など聞きたくない!貴様が語るのは己の握力だけにしておけ。ハイボールバインド!」
話を聞く気はないようだ。
俺はフィールドマジックハイボールパーティーの効果によってさらに握力が半減する。
しかも相手フィールドのハイボール・ダブルモルトガールはフィールドマジックの効果によって握力では破壊されず、さらに自身の効果で三回攻撃できる。
このままよしたかにターンを回せば、敗北は必須。
強くなったな……よしたか。
思えば握力のぶつかり合いで負けはなかったが、デュエルでお前に勝てたことは一度も無かった。
お前が絶対の自信を持つデュエルで語ると言うのならば……
俺もまたカードでお前をわからせる!
「オープン!」
「オープン!?」
俺は半減されまくった握力を懐に忍ばせていたデッキに込める。
カードは俺の握力に答え、具現化する。
「俺は手札から放課後・アフタースクール・吹奏楽フルートをエナゾーンへ!」
「宇治春!貴様は何を始めているのだ!?」
よしたかが困惑するのも無理はない。
握力には握力を。
強人類には強人類を。
そしてカードにはカードを!!
「あいつのデッキ……まったく違うカードゲームをモチーフにしてやがる」
「始まるのか……異種カードゲームバトルが!?」
だいたいモブが説明した通りであるが、俺は全く別のカードゲームのデッキを用いてよしたかに対抗する。
美少女がたくさん描かれたこのデッキは俺の魂を込めた自作デッキである放課後・アフタースクールデッキである。
こんなこともあろうかと懐に忍ばせておいて正解だったぜ。
ちなみにイラストはピクシブで神絵師に高い金を払って描いてもらった。
「いくぜ!俺のターン!俺は手札から放課後・アフタースクール・筋肉ラガーマンを特殊召喚!!」
さっそく場に出したのはガチムチのラガーマンだ。
高い金を払って雇った絵師は女絵師で不幸にもボディービルダーとマッチョ以外では興奮できないという悲しい性を背負った淑女であった。
デッキのカードは年上のお姉さんに関するものだけという俺の要望は七割型無視され、マッチョとガチムチと美少女が入り乱れる終末世界デッキが完成してしまった。
「筋肉ラガーマンの効果!このカードが特殊召喚に成功した時相手フィールドの表側表示のマジックまたはトラップカードを一枚破壊する!」
「なにぃ!?」
「俺はハイボールパーティを破壊する!喰らえ!男坂トライ・アングル!!」
「ボルスァあ!!」
具現化したラガーマンは、相手フィールドのフィールドマジックにトライする。
ハイボールパーティは破壊され、これでよしたかのモンスターは握力による耐性を失った。
「ショットガンシャッフルはカードを痛めるぜ?よしたか!」
俺は言いたいことだけを無駄に言い放つ!




