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強☆人☆類 〜握力がインフレした俺はゴリラの異能使い〜  作者: 徳島静
第3章『ゴリラゴリラグラウエリ』
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WNC②

「それでは行ってきます。宇治春くんに失望はさせませんよ。すぐにひき肉にしてきますから……そしてその次は――」

「ひっ!」


その次は……何なんだ?

隣にいる真冬の短い悲鳴である程度察しはついたが俺は考えるのをやめた。

闇の深い言葉を残して委員長はリングへと向かう。


「控えの選手はこちらでお待ちください」


係員に案内され俺と真冬はすぐそばの二階へと通じる階段を登り最前席へと座らされる。


他の観客に混じって座ると委員長が相手と対峙する姿が見える。

相手は何というか……アメリカのボディービルダーを四人くらい合体させたような筋肉モリモリマッチョマンだった。


「俺は……ポッカ」


アリーナにひどく渋い声が響き渡る。ターミネーターを思わせる一本調子な声音だ。

だがそれに反して名前は中々可愛い響きだ。


「ポッカは中学時代隣の和光市で最強と言われていた強人類だ。あんな月ノ美兎みたいな外見の女――ひとたまりもないだろうな。一瞬で人肉ハンバーグの出来上がりさ」

「そうか……でお前誰?」


となりのモブみたいなやつがいきなり俺に向けて解説しきた。

人肉ハンバーグ成増で流行ってんのかよ。相手は俺の問いをガン無視して試合に見入る。

何なんお前?


「それでは皆さん!WNC!レディー……ゴー!」


そんなどうでもいいことはさておき試合ははじまってしまったようだ。


「女よ。中々良い体をしているな」

「のっけからセクハラですか?」


ポッカは結構な恥知らずであった。

委員長は笑顔だが、唇の端がピクピクしており、額には青筋が立っている。多分ポッカは殺される。俺の直感がそう言っている。


そしてポッカは空気の読めない男とでもあったようだ。


「いや……賞賛しているのだ。何故ならば気持ち良いぐらいに胸に贅肉がない。お前……女装男子か?そうでないならばその年、その性別でサラダチキン並みに薄く低タンパクな貧乳を保つには恐ろしいまでの鍛錬と苦悩ガアアアアアっ!?」


バチィイイイイン!!


委員長はポッカの頬をコレでもかと綺麗にビンタした。

悲鳴を上げながら吹き飛んだポッカはアリーナの壁に激突して、首が不味い方向に曲がると、


「100パーセントの貧乳を超えた代償が……この握力か」


バチコぉおおおおン!!


一瞬で距離を詰めもう一発反対側の頬を張られるとポッカはピクリとも動かなくなった。

首の向きはプラマイゼロでいい感じに前を向いている。


「ポッカ選手!物理的にもデリカシー的にも触れてはいけない部分に触れてしまったぁ!!これが禁忌を犯した者の末路なのかぁ!!ポッカ敗北!!」


「ポッカがいともたやすくやられるとは……なんて握力の強い男の娘だ。オレの情報網に引っかからない怪物がまだ成増に潜んでいたとは。おい、あいつは何者だ?」

「テメーが誰だよ」


「第ニ回戦真冬選手VSブラックパンツァー!」


そいつの正体が不明のまま第二試合が始まってしまう。


「一瞬で終わらせてくるわ」


負けフラグみたいな言葉を残して真冬は階下へと降りていく。


二回戦もこんな感じだったら盛り上がりもクソもねー大会だなと俺は一人思った。

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