第5話:過去 その2
「な、何!?」
「凄い衝撃…!!」
周りにいる生徒達も騒いでいる。中にはパニックになっている生徒もいる。
ピンポーン
「今大型車が校舎に追突しました。生徒は速やかに避難しなさい。繰り返します……」
一旦教室は静かになったが、再び騒々しくなった。
「どういうこと!?大型車が追突したって…!」
「早く避難しよう。もしかしたら崩れるかもしれないし…!」
そんなクラスメイトの声を聞きながら、クレナとジュナは避難した。
その途中で、
「クレナ!ジュナ!大丈夫!?」
「「先輩!」」
同じ会の先輩と出会った。
「早く避難しましょう!話したい事があるの!」
その言葉に従い、2人は避難した。
避難場所に着くと、もう大勢の生徒がいた。
中には会の先輩達もいて、無事で良かったと思った。
「あの…先輩、話したい事って何ですか?」
クレナはふと
「話したい事がある」と言っていた事を思い出した。
「話を小耳に挟んだだけだから、本当かどうか分からないけど…。落ち着いて聞いて。」
そう言って先輩は話始めた。
「さっきの事故、車が追突した場所は二年の教室なの。幸いにもあんまり人がいなくてほとんどの生徒は無傷、怪我をした生徒もいたみたいだけど軽症で済んだらしいわ。」
そこで一旦句切った。
「でも、偶然窓際にいた生徒が数人いたらしいの…それが……」
その言葉を確認する前に、クレナは走った。
「クレナ!何処へ行くの!」
ジュナの呼び掛けにクレナは応えなかった。
(嘘……うそ!!だって…だってそんな……!!)
(先輩達が死んだかもしれないなんて………!!!)
クレナはやっとの思いで二年の教室までやって来た。周りに先生達の姿が見える。
「こら!!早く避難しなさい!!」
そう言う先生の声も聞かずに教室内へ入った。
教室は悲惨な状態で、車が突っ込んだ方の壁や窓ガラスはほとんど砕けていたり割れていたりしている。
その中をクレナが探していると、血のような赤黒いモノが見えた。
もしや…と思い近寄ると、確かにそれは血だった。
クレナは周りの壁が崩れるかもしれないということや自分も怪我をするかもしれないということを忘れて、血が出ている辺りの瓦礫を1つずつ取り除いていった。
「クレナ!大丈夫!?」
ジュナがクレナを心配してやって来た。
ジュナは周りがおかしい事に気が付いた。
先生が誰もクレナを避難させる様子を見せない。
クレナも中で座り込んでいる。
おかしいと思い、中に入る。
ジュナがクレナに近づいたとき、
「ジュナ…」
と、クレナがポツリと呟いた。
「クレナ…?」
「あのね…、先輩達、死んじゃったぁ…。」
見てみると、瓦礫の中に人が3人倒れている。
覗き込んでみると、確かに先輩達だった。それも2人を特に可愛がってくれていた…。
明らかに死んでいる事がわかる。
「なんで…?なんで…?なんで先輩達が……。」
「クレナ……。」
クレナはそのまま泣き出してしまった。ジュナはそんなクレナを黙って慰めていた…。
それから数年後、クレナは卒業の日を迎えた。
「クレナ、卒業おめでとう。私はまだ学校に通うけど、人形師として頑張ってね。」
そう言うジュナに、クレナは言った。
「ジュナ…。私、先輩達に似た人形を作ろうと思う…。」
「それって…動かない方の人形を作るっていう意味…?」
ジュナはそうだと言って欲しかった。
しかし、クレナは
「ううん…。動く人形…。一緒に暮らしたい…!」
それを聞いたジュナは、猛反対した。
「クレナ!!分かってるの!?そんな事をしたら皆もクレナも辛い想いをしなきゃいけないんだよ!?」
「いけない事だっていうのは分かってる!それでも、それでも…!!」
「クレナ……。」
ジュナは、何も言えなかった。
過去の話はこれで終わりです。そろそろクライマックスに近づいています。最後までお付き合い下さい。よろしくお願いします。




