8話 人生二番目の後悔
「今更、転校するんやし、何回転校しても一緒や」
「それは違う!転校する身になってみい!転校した事あるんか!自分!」
「いや、転校した事は無いけど、仕方無いやろ」
「イジメにあったりするんやで!性格も暗くなるし!」
お前が言うか?
現在、上の息子の洗濯を放棄しているのに。
「お前の洗濯はもう洗わん!自分で洗え!」とイチは言われ、洗濯物を自分で、洗濯機へと投入しようとしているのを、見かける。
話を聞き、お父さんが洗ってあげると言ったら、泣いて喜んでいた。
それ以外にも、イチには風当たりは厳しい。台風並みの突風だ!子供をイジメ、虐待しているのに、よくもまぁそんな事言えるな!感心を通り越して、銀河まで駆け抜けるわ!
「マンションの近くに引っ越しする積りは無いんか?」
「無い。決めた事だから」
「そう。なら、離婚やな」
「そうなるな」
昨日決めたのに、何で離婚を口に出すの?アホなの?
結局、平行線だ。近付く事のない平行線である。何を話ても、進まない。二者間では、もう無理なのである。それはもう随分前から分かっていた。
「娘は引き取るから」
「いや、二人とも引き取る」
「いやいや、娘は引き取る」
「いや、二人とも引き取る」
「何で?」
「子供の幸せ考えたらそうなるやろ!」
「意味分からん!お前こそ、自分の幸せしか考えて無いんやろが!」
「は?そんな事は無い」
「娘と離れたく無いからやろ!」
「はぁ、二人とも引き取るって」
「あのな!私は、子供をもう産めないのよ!だから、娘を引き取りたいんや」
自分の事しか考えていない。それはお前だ。冷静だ。怒る気持ちも全くないよ。
「ああ、回復手術もあるよ」
「そんなん知らんわ!」
「で、45にもなって、また産みたいの?」
「そらぁ、そうや」
こんなクズを誰が貰ってくれると言うのだろう?あ、精子バンクという手もあるか。
息子のイチが産まれ、育児放棄していたのに、よく言えるよな「私、実は子供嫌いやねん」と言われた事を思い出す。
あの当時は今よりも過酷だった。
12時間労働をしていたのだ。更に、帰ってから、自分達のご飯を作り、風呂を洗い、子供をお風呂に入れ、そして、寝かしつけていた。ゆりかごの歌をもう1000回は歌ったよ。3番まであるんだ。
イチには苦労したよ。寝ないから。抱いたまま、寝転がらないと、寝ない。そっと置くのに、一苦労だ。ミスると、泣いて、また戻す。
もう二度とあんな生活したくない!
勿論、離婚の話は、あの時もしたよ。結局、僕が折れる形となった。
離婚の話の原因は、僕が車で道を覚えないからだ。オデッセイは大きいから、知らない道には入りたくない。だから、知ってる確実な道しか選択しなかったから。らしい。
今思えば、そこで終了していたらと、後悔となる。




