12話 市役所に相談しに行って来た
親権を決めるには、3つの手段がある。
1、協議離婚
2、調停離婚
3、裁判離婚
裁判!裁判!訴えるぞ!ゴラァ!
とは、出来ない。3の裁判にはいきなり出来ないのだ。
1の協議離婚
二人で話し合い、親権を決める。手続きは不要だ。
2の調停離婚
1で揉めたら、ここに進む。
家庭裁判所に行き、公平公正な立場から、三者間での話し合いを設ける場所である。
3の裁判離婚
2で話し合いが破綻すると、ここに進む。まぁ、裁判して、裁判が決定し、それに従う。
2と3は、あれ?どういう意味?と思うので、聞く。
勿論、何も知らないので、市役所の子供相談室へ来たのだ。
「調停離婚って、家庭裁判所で裁判するんですよね?」
「いえ、家庭裁判所で話し合いをするんです」
「えーと、裁判しない?」
「裁判は、3の裁判離婚で行います」
「2は何なんですか?」
「調停員を交えて、三者間での話し合いをします」
「それって、強制力ありますか?」
「ありません。どちらかが折れるまでやります」
「じゃあ、来なかったら不利になるとか」
「来なかったら、調停が開かれないだけです。不利にはなりません。話し合いをして、冷静な判断を聞いて、心変わりするケースもありますね」
「ヤツを家庭裁判所に連れて来れる自信がありません」
「何度も何度も、家庭裁判所へ出頭要請して、来ない場合は、裁判離婚へと発展ですね。その場合は、来なかった事が不利になると思います」
な、何て事だ!4月まで3カ月も無い!そんな悠長な事はしていられないぞ!今の状況では、どれも選べない。
裁判するにも、九州に居残られたら、娘を奪還する手段も絞られ、限られてしまう。後手に後手にと、追い込まれ、親権を手放す事になりかねない。
「あの!児童虐待で、進める方向はどうですか?」
「それだと、児童センターですね。調査員が、行って、やんわりから始まるので、時間はとてもかかると思います。やはり、厳しく言うと、門前払いになってしまいますからね」
詰んだ。僕には、もう何も手が無いのか?123を眺め、考える。弁護士を雇っても、中途半端に終わり、お金を溝に捨てるだろう。児童センターや、子供相談室での対応は、難しい。
離婚って、簡単に思っていたけど、これ程、難しい事だとは思わなかった。離婚にはパワーがいる!と聞いていたが、まさにその通りだ。キン○マンの様に、火事場の糞力が使えれば!!
「ありがとうございます。参考になりました」
「あの、訪問しても宜しいですか?」
「僕は何時でもいいです。が、ヤツはピンポン押しても、出てきませんよ?それに、何て言って来るんですか?僕に相談されたって、言っても構わないです。が、その後、当たり散らされるでしょうね。何で自分に相談も無く勝手にやったんや!ってね」
「そうですね。お父さんから、って言わないと、理由がありませんよね」
「僕は現状を見て、唖然として欲しい。でも、その後の事を考えると悪手ですね。子供が一番です!今が異常なんですから。来てくれるのは、構いません。会社でも5Sはやくやるんですよ。訪問前に掃除するのが、5Sでは無いですからね!現状が通常なんですよ。それを加味して、毅然と訪問する方が言って下されば!こんなゴミ屋屋敷に居たら、子供が死んでしまいます!ってね」
「そんな事は言えません。やはり、やんまり言わないと」
「やんわりじゃあ、通じないんです!ストレートのど真ん中じゃないとね!カーブやシンカーなんて、あれ?私は悪くないよね?うん!そう!お前が悪い!ってなりますもん」
「そうですか。でも、見に行くのはしたいですね」
「どうぞ。直球で言ってくれる職員なら、歓迎します」
「それは、ちょっと難しいですね」
「今はイチも安定してます。母親からの虐待が、減少してますから。でも、直ぐにメッキは剥げるでしょうね」
「そうですか。なら、そのメッキが剥がれかけたら、連絡して貰えますか」
「はい。勿論!子供が大事ですからね!」
そう言って、市役所を後にした。
話は有意義ではあったが、進展は無い。どうする?ヤツの叔父を呼んで、現状を見てもらう。3者間協議をするしか無いのか?奥の手だが、やるしかない。はぁ、電話するのヤダな。




