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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第二章 スケルトンダンジョン攻略 後編

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いざ、ボス戦



 金属製の扉が消え、突如現れた『虹色に光る膜』


 これが示す意味は、ボス部屋からの退(・)却(・)不(・)可(・)だ。



 ***********


 ダンジョンのボス戦には、大きく分けて二つのパターンがある。

 


 一つは戦闘途中での退却が可能なもの。

 扉の隙間やボス部屋の前などから、ボスの種類を覗き見ることが出来たり、戦っている最中でも危なくなればボスの出てこられない部屋の外まで逃げたりできる。

 

 良く言えば安全な、悪く言えば卑怯な戦法が使えた。



 もう一つは途中退却が不可能なものだ。

 多くの場合、外部からボスの姿を確認することはできず、一度部屋に入ると倒すまで引き返すこともできない。


 要するに、入った瞬間「ボスを倒さないと出られない部屋」と化すわけだ。




 引き返せないパターンにもいくつか種類があるが、その最たる例がこの虹色の油膜。【ダンジョンゲート】と酷似した謎の物質で部屋が仕切られているパターンだ。


 この膜に触れるとボスの居る部屋に移動させられるらしい。

 



 あからさまに堅牢な扉があったので、このパターンではないと油断していた。

 まさか扉が消えるとは...何のための扉だったんだ?ただのギミック装置だったのだろうか?



 とりあえず作戦を練り直さねば。

 ボスの種類や大体の強さを確認して、ガンメタ決めようとしていたのだが...困ったな。


 

 それになにより、倒せないと戻れないというのは、リスクがこれまでの比じゃない。

 


 ・・・遺書でも書いておいた方が良いか?


 




 ともかく、徹底した準備が必要だ。

 

 まずは新しい武器の入手だな。特に弓。



**********



 とりあえず、何回か弓スケルトンがリポップするのを待って狩ってきたが、弓はドロップしなかった。

 


 長期戦になることも考え、一度帰ってきた。



 これからやるべきことを考えよう。


 とりあえず武器はそれぞれ更新しておきたい。


 弓だけでなく剣も槍も、新しいのが手に入るならそれに越したことはない。なにせ、なにが役に立つのかわからないのが一発勝負だ。

 手段が多いに越したことはない。

 


 今のところ弓スケルトンを狩って出たのは、特殊な矢じりのセット。ドロップのたびに刻まれた模様が異なるので、それぞれ異なる効果を持っていそうだ。

 まあ、まだ数が少なく試せていないんだが。

 


 それと、【剣術】【弓術】のレベルももう少しを上げておきたい。

 五層目では直接戦うことを徹底的に避けたため、レベルがあまり上がらなかった。



 

**********



 どうも、あれから三日後です。

 大体の準備は整った。


 新しい武器もゲットしたし、不足していたアイテム類もこれを機に補充しておいた。そして切り札も用意した。

 

 あとは、ステータスだ。

 


 種族:  人間

 レベル: 6(4)

 職業:  未選択

 状態:  不安

 筋力 10

 敏捷 10

 器用 13

 魔力 1


 <加護>

 無し

 <ユニークスキル>

 無し  

 <スキル>

【剣術4】【弓術3→4】【槍術1】【投擲4】

【気配察知3】【気配希釈4→5】

【盗掘7→8】【掠奪3】【祈り5】【目利き4→6】【演技1】

【考古学3→5】

【気絶耐性4(New)】



 五層目の弓スケルトンから得られた「新しい弓」の性能検証がてら、敵を倒していると【弓術】スキルのレベルが上がった。


 それに比べて【剣術】スキルは成長なし。最近、自分が近接戦に向いていないのかもしれないと思い始めた。



 特に成長したスキルは【目利き】と【考古学】そして【気絶耐性】。

 他のスキルのレベルも少しずつが上がっている。


 スキルのレベル上げの成果はここまで。



 最後に、余っているステータスポイントの割り振りだ。



 新しい弓の検証の際、筋力ステータスが12ないと満足に引き絞れないことが判明したので、2ポイントは筋力。



 残り2ポイントをどこに振るかは悩みどころだったが、器用に振ることにした。

  


 理由としては、器用ステータスが15あれば、動きながらでも精度よく弓を放てるからだ。

 最悪の場合、「逃げながら弓で応戦する」いわゆる引き撃ち戦法が使える。



 敏捷が足りるかは不安だが、今までスケルトン相手に速度負けした例がないのでここは割り切る。

 

 

 ということで、最終ステータスはこんな感じ。

 

 種族:  人間

 レベル: 6(0)

 職業:  未選択

 状態:  不安

 筋力 10→12

 敏捷 10

 器用 13→15

 魔力 1


 <加護>

 無し

 <ユニークスキル>

 無し  

 <スキル>

【剣術4】【弓術4】【槍術1】【投擲4】

【気配察知3】【気配希釈5】

【盗掘8】【掠奪3】【祈り5】【目利き6】【演技1】

【考古学5】

【気絶耐性4】

 



 うーん、燦然と輝く『魔力 1』。ここはもう諦めるしかない。

 


 とりあえず、できる準備はしたはずだ。


 ・・・



 いやー、それにしても我ながら運がない。

 単なるギミック系のダンジョンならボスと戦う必要もないし、せめて引き返せるパターンなら、いつもみたいに相手の特性を探ってから対策が立てられたんだが...




 逃げ場のない、未知の場所に飛び込むのは、「初めてのダンジョン突入」以来だ。

 それに、あの時はやむにやまれぬ事情があった。


 それ以来、リスクは極力避けてきた。まあ、危険をできるだけ避けて攻略する方針だったからだが。


 ・・・・・・

 

 ・・・

 

 どうする、まだやめておくか?


 最近、それも特に「引き返せないタイプ」だと知ってから


 「急いでボスに挑む必要があるのか?」

 「もっとレベルを上げてから挑むべきなんじゃないか?」


 という考えが顔をのぞかせる。


 それに・・・

 正直、アイテムは既にありえないほどゲットできた。

 このダンジョンの特異性もあいまって、宝石・アクセサリー類を換金するだけでもしばらく生活は余裕だろう。


 

 先行者利益を考えるならここで十分なんじゃないだろうか?


 ・・・・・・

 

 ・・・


 いや、違う。

 

 やっとここまで来たんだ。

 一番おいしい部分だけ食べずに帰るバカがどこにいる?



 先行者利益の話もそうだ。 

 アドバンテージがある?

 

 逆だ。

 

 たったこれだけのアドバンテージで、これからやっていけるのか?

 この現代ファンタジーと化した世界で。

 

 

 後発の奴らは、先行者の情報を使ってすぐにでも追いつこうとするだろう。 


 超人の奴らは、すでに新しい世界(現代ファンタジー)で暴れまわっている。

 



 先行者としての優位性は、常に前進することでしか得られない。

 凡人だからこそ、この僅かな優位性を失ってはならない。

 

 いまこそ進むべき時だ。



 覚悟は決めた。

 いざ、ボス戦!!




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