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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第一章 スケルトンダンジョン攻略 前編

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スケルトンとは



 食料を集めるためにこのダンジョンに来たが、もちろん食料をドロップしないモンスターもいる。

 先ほど倒したキツネもそうだったし、今対峙している魔物も似たようなものだ。

 魔石以外には毛皮や牙などがドロップするようだが、今のところ()()に使い道はない。


 森に入ってしばらく、これまでに数匹の敵が襲ってきた。今までの敵とは勝手が違い倒すのに少々時間がかかったが、慣れれば問題はない。


 オオカミのようなモンスターと対峙しながらも、ついつい考えるのはスケルトンダンジョンの攻略についてだ。





 ここまでに森から出てくるモンスターを倒していて気が付いたのは、敵も()()()()()()ということだ。この至極当然のことに今になって気がついた。

 


 例えば今対峙しているオオカミ。痩せてて骨と皮ばかりに見える敵だが、左わき腹から出血し、片目が見えず距離を測りかねている。

 私が初めに槍で切り裂き、怯んだところを弓矢で追撃したからだ。【器物の指輪】を使った武器の切り替えにも慣れてきた。

 

 このオオカミの魔物も動物である以上、肉を裂けば動きが鈍り、目という感覚器官をつぶせば見えなくなる。

 


 しかし、スケルトンダンジョンではこうはいかない。

 

 まず怯まない。矢が鎧に刺さっても、剣でローブごと切り裂いても、そこに肉はなく血も出ない。


 骨を砕けば若干動きを阻害できるが、それだけだ。

 自分の身がどうなろうと構わないとばかりに突っ込み武器を振るってくる。


 全くどうしたものか、とため息をつきつつ、目の前の敵からは目を離さない。



 初撃以後こちらを警戒し、なかなか襲ってこなくなったオオカミであったが、しびれを切らしたのか視線を切ろうと走りだした。


 普段であれば有効であったであろうその行動も、あの状態では満足にいかない。

 木でこちらの視線を遮り飛び込んでくるところを槍で一突き。

 ガリガリのオオカミは、毛並みの良くない皮だけをドロップして消えた。



 結局、聖属性の武器を用いるか、直接骨を砕く以外にスケルトンの倒し方は見つかっていない。それどころか、最近のスケルトンは首を落としても体が動くことすらある。

 

 なんとか敵を倒しても自分が怪我をしてしまっては意味が無い。未だに治癒の魔法もポーションも私には無いのだから。

 あのダンジョンの敵はスケルトンだけだが、今になってその()()の厄介さが身に染みている。


 小さなリス(といっても肉食)のような魔物が血の匂いに惹かれてやってきたが、槍を向けるとすぐに逃げていった。



 (ここまで怯えられるとそれはそれで困るな。)



 そう思いつつ、ふと今の出来事をみて()()()()()が浮かんだ。


 (聖属性を露骨に避けていたスケルトン。今思えば、あれは怯えていたのではないだろうか?)


 今までスケルトンを倒すことに、何の感慨もなかった。だが、彼らにも感情があったのかもしれない──そう考えると、スケルトン、彼らに対する疑問がふつふつと湧いてくる。



 彼らの戦う理由は何だろうか?彼らに記憶や心は、残っているのだろうか?

 ユニーク個体のスケルトン──あいつは、確かに笑っていた気がする。




 彼らは、もともと人間だったのだろうか?

 おそらく墓に埋葬された死体が元だと思われる。だが、それにしては棺とスケルトンの数が合わない。




 スケルトンからは、なぜ魔石がドロップしないのか?

 副葬品の中には、魔石を用いたと思われる装飾品もあったというのに。



 彼らは、侵入者である私をどう思っていたのだろう?





 ……そもそもあいつら(スケルトンたち)、どうやって私を「認識」していたんだ?


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