フィールドダンジョン
情報をもらってから草原ダンジョンの奥に向かって足を進めることしばらく。
ダンジョンの奥に関する気になる情報というのは、このダンジョンに草原以外のフィールドが存在するという話だ。
ダンジョン内の調理場、あそこでの調理には木材が薪として燃料に使われていた。どうやらその元となる木はこのダンジョンの奥で採れたものらしい。
しばらく歩いていると、だんだんと人が少なくなってくる。当然ながら、ここはダンジョンなのでモンスターも襲ってくる。
今回初使用の「槍」。スケルトンダンジョンでは敵の特性やダンジョンの構造上、上手く使うことが難しかったが、この広いフィールドでなら問題ない。
むしろ、初心者の多くが木の槍を使っていたように、リーチがあるというのは分かりやすいメリットだ。
前回は弓で苦労して倒したウサギやスライムのような敵も、槍なら一刺し。
特にスライム相手に槍は効果抜群だった。体内の核をまっすぐ突き刺すだけで簡単に倒せる。あんまり長いこと突き刺していると穂先が溶けてきそうだったが、メインで使っている武器でもないし、替えの数はいくらでもあるのであまり気にしないことにした。
しばらく襲ってくる敵を倒しながら歩いていると、目の前に川が現れた。
そこそこの深さと幅。流れもかなりあるので、入るのは遠慮したい。草原のダンジョンに入って溺死なんて目も当てられない。
向こうに渡れる場所を探して、上流を目指して川沿いを歩いていくと、遠くに橋のようなものが架かっているのが見えた。
近づいて見てみると、木を何本か倒して渡しただけのとても質素なものだった。まあ、渡る分には問題ないので使わせてもらおう。
ダンジョンなのだから水系のモンスターでもいるかと思い川の様子を探ったが、今のところ生き物の姿は見つけられない。そもそもこの川に生き物がいないのか、単に私が見つけるのが下手なのか。
橋を渡ると視界は鬱蒼とした森に覆われた。
急な変化に慌てて後ろに目をやると、今渡ってきた川と橋が目に入った。急な変化に驚いたが、戻るルートがあってひとまず安心だ。念のため橋をもう一度わたると草原に戻ることが出来た。
それにしても、川を挟んで別世界とは。
世間ではこのダンジョンは草原が広がっている「フィールドタイプ」のダンジョンだと認識されていた。もちろん私もそう思っていたのだが、この急激な環境の変化は所謂「階層タイプ」のダンジョンの特徴に似ている気がする。
もしかしたら、『川を渡る』という行為が階層の移動と同じ扱いなのかもしれない。
気になることは多々あるが、今の目的はこのダンジョンの攻略ではなく食料確保のため集中する。ここまでの道中で倒したウサギの肉がそれなりにあるが、それだけでは今後の食事に飽きが出るだろうし、売ることも考えるともう少し欲しい。
森に入る前に植生などを軽く観察していると、何かが茂みの奥から飛び出してくるのに気が付いた。
こちらに向かって飛び出してきたのは、オレンジ色の毛皮の狐だった。
残念なことにあまり可愛くない。妙に手足が長く、アンバランスに見える。
今までの敵よりも素早そうだ。体長はそれほど大きくないが、槍の練習には良い敵かもしれない。




