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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第一章 スケルトンダンジョン攻略 前編

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近況



 「こんにちは!この前はありがとうございました!」


 動きやすそうな服装に、腰に剣を一振り。

 他にも質の良さそうな装備を身に着けた、明るい雰囲気を漂わせる彼女は、前回このダンジョンに来たときに話をしたうちの一人だ。

 

 確か、このダンジョンをメインに潜っているわけではなく、食材の確保に訪れた私と同じタイプの探索者だったと記憶している。

 

 前回と装備が変わっていたので尋ねると、いろいろと話を聞かせてくれた。



「アクセサリーのアドバイス助かりました!メインで潜っているダンジョンで行き詰まっていた箇所があったんですけど、いろいろな装備を試してみたら、その中に良い指輪があって...」



 少し見せてもらったが、今まで見たどの指輪とも異なるデザインだった。能力自体は高くないらしいが、効果が彼女の攻略しているダンジョンにぴったりだったそうだ。


 周りに人が多くいる状態で装備の内容を聞くのは避けたが、会話中にこっそりと【鑑定の指輪】で鑑定させてもらう。

 色々と検証した結果、触れなくてもしっかりと意識を向ければ鑑定できることがわかった。バレないことも確認済みだ。見れる効果は落ちるが。


【握力強化の指輪 Lv■】


 なるほど。持っている装備にはない効果だが有用なのは分かる。

 

 【鑑定】。あまり距離があると使えないが、人の装備でも確認できるのは便利だ。強いて言えば、魔力をそれなりに消費するため、手当たり次第には鑑定できないのが残念だが。


 少し歩きながら、お互いに知っていることを話す。


 どうやらここ数日でこのダンジョンに潜る人が急増したらしい。他にもダンジョンがあるとはいえ、安定して食料の確保ができるダンジョンはどこも大人気だ。

 初めてダンジョンに潜る人や、練度の低い人が急増したことで怪我や事故が多発。あわや人災の二の舞になるところだったそうだ。

 そのため、まともな武器を持っていない人は、経験者や武器持ちと一緒でないとダンジョンに入るな!という空気だそうな。

 

 未だに人が多すぎる気がするが、これでも一時よりはマシになったそう。


 話を聞いていて、ようやく周囲からの視線の意味が分かった。

 どうやら私は「まともな武器も持たないのに、一人でダンジョンに入ってきた()()」に見えたようだ。

 



 今回手に持つ武器は()。もちろん、いつもの剣も弓も、その他の装備もインベントリに入っているが、重要なのはそこじゃない。

 未だに周りに人が多く、モンスターもいない。そのため金属製の鋭い穂先はカバーで覆っている。

 今の私の装備を客観視すると、初心者御用達の木の槍一本に見える。


 新しい武器を試しつつ、周囲の装備のレベルから浮かないように気を付けていたが、裏目に出たようだ。

 どうやら彼女もその点を気にして、話しかけにきてくれたらしい。ありがたい。

 穂先の金属の部分が見えるように、カバーを調整していると、彼女が目的としていた場所についたようだ。


 そこにはキャンプ場の調理場のようなものがあった。そこまで本格的ではないが、ダンジョン内であることを考えると十分な設備だ。

 

「すごいな。いつの間に?」


 聞くと、入り口からは少し離れているがモンスターも少ないここはいつからか、休憩所のようになっていたらしい。電気が止まり始めてからはここで火を起こして調理をする人が出始め、それを整備していったと。


 


 お互いの今後の予定を軽く話して、別れることにした。

 彼女はここで肉を調理する予定だったが、探索者施設での買取を教えると、日持ちしない分は買い取ってもらうことにしていた。武器も同様に買い取ってはいるが、やはり売る予定はないそうだ。


 私は彼女の話を聞く中で、ダンジョンの奥に関する情報が気になったので、このまま進むことにした。まあ、浅いところでは人が多くてモンスターの取り合いになりそうだし。


 「いろいろと教えてくれて助かりました。メインのダンジョンの攻略も頑張ってください。」


 「こちらこそ!何か困ったことがあったら連絡ください!気をつけてくださいね~」


 

 さて、こちらもメインのスケルトンダンジョンの攻略に向けてさっさと食料を集めねば。




________________



 彼女はヒロインではありません(予定)が、後の物語に再び登場します。詳しいプロフィールはそこで。


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