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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第一章 スケルトンダンジョン攻略 前編

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探索者施設

 食料を確保しようと駅前のダンジョンまでやってきたはいいものの、いまいち状況を掴めていない私です。


 今は巻き込まれないよう、少し離れた場所から様子をうかがっている。

 始めは、私と同じように食料を確保しにダンジョンに入ろうとする人たちの集団かな?とも思ったが、どうも少し違うようだ。

 

 周囲を見回すと、以前にこのダンジョンを訪れた時には見かけなかった建物が目に入った。

 仮設のようだがダンジョンに隣接していて、人の出入りも多い。

 まずは情報収集からだな。



 *******



 絡まれたくないので群衆から距離を取りつつ、仮設の建物をめざす。入口ののぼりには【臨時探索者施設】と書かれていた。

 おそらく「探索者」とはこのダンジョンに潜っている人たちの呼称だろう。実際建物を出入りしている人のほとんどは、ダンジョンから出てきた人たちだ。


 パンフレットが近くにあったので手に取ってみると、この臨時施設についての簡単な説明が載っていた。




 どうやらこの場所では、武器や食料などのアイテムの買い取りや、武器の預かり、貸し出しまで行っているようだ。

 まるでファンタジー作品に出てくる「冒険者ギルド」の現代版のようだ。


 以前、政府がダンジョンを管理すると発表した時は分からなかったが、着々と準備が進んでいたようだ。

 いつの間に、こんなに制度が整ったんだ?と驚いたが、どうやら本格的に始まったのは一昨日かららしい。

 


 食料を手に入れたらすぐ帰るつもりだったけど、予想以上に世の中は変わっているようだ。もう少し情報が必要だな。


 色々と考えながら、受付のような場所に向かった。



 ********



 私がスケルトンダンジョンの攻略に夢中になっている間に、世の中は少しずつ変化していたようだ。

 

 ダンジョンのゲートをくぐり、草原を進みながらさっき受付で聞いた話を思い出す。

 


 初めに気になっていた、ゲートから遠巻きな場所でたむろする集団。

 聞くところによると、彼らは自力での食料調達が困難な人々だそうだ。多くがダンジョンに入ったこともないらしい。高齢者もいたが、残念なことにそうでない人も多かった。


 まあ、現代人の全員が全員、命の危険のある場所に飛び込めるか?と聞かれたら否だろうしね。こういう人たちが食料の不足と共に出てくることは目に見えていた。 

 まあ、分かっていたとしても対策のしようはない。現状では多くの一般人(超人を除く)は自分のことで精一杯だろう。とても、他人の飯の世話なんぞ焼ける状況ではない。

 


 とはいえ、誰かが対処しなければ混乱は広がる。

 そこで、この施設ではダンジョン帰りの探索者から武器や食料を買い取って、自力では食料を集められない人々に販売する計画を立てているそうだ。 

 


 進捗を聞いてみたところ、食料の方はそれなりに集まっているらしい。武器の数は足りていないようだが。

 当たり前の話だが、武器が無ければダンジョンで狩りなんかできない。今のところ、武器の数に余裕がある探索者なんかほとんどいないだろう。

 

 まあ、そういう意味では私は例外なのだが。



 大量の武器の在庫を抱えている現在。値段次第では、いくつか買い取ってもらうことを考えたが、条件に「いつ・どこで拾得したアイテムなのか」や「売却者の個人情報」などの必須項目が設けられていたため、売るのは中止した。


 拾った場所は誤魔化せたとしても、現状では数本の剣を卸しただけ目を付けられること間違いなしだ。



 他にもいろいろと聞いてみたが、まず、武器の貸し出しはなし。武器が足りないから仕方がない。


 武器の預かりについては無料で行っているようだが、探索者としての登録が必要だと言われた。今回は急いでいるのでなし。


 便利なサービスだと思って聞くと、「街中で武器を持ち歩かれる方が困る」という至極まっとうな意見が出てきた。武器類は出来るだけ施設内で保管しておきたいらしい。

 ダンジョンの攻略が食料事情的に必須になった現在。武器の持ち歩きは禁止できないが、急速に悪化している治安を考えると、武器を持ち歩く一般人など危険でしかない。



 ・・・なぜだろう。歩いていると周囲からわずかに険のある視線を感じる。

 不自然な行動をとった覚えはないんだが。

 無視していいものかどうか。


 不思議に思いながらも歩みを進めていると、見覚えのある顔が前から歩いて来ていた。

 あちらも気が付いたようで、向かってくる。


 ・・・確か、一度だけ話したことがある。前回このダンジョンに来たときに探索者の集団にいたうちの一人のはずだ。

 

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