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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第一章 スケルトンダンジョン攻略 前編

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攻略のカギ?

 五層目でのアイテム収集(盗掘)に夢中になることしばらく。

 

 他の階層に比べて棺の数は少ないが、密集していないため回収に時間がかかってしまった。

 ただ、今までの階層に比べて収められた副葬品の状態が良かったから、墓の数に比べて多くのアイテムを略奪できた。嬉しい誤算だ。


 まだ回収できていない通路もある。とりあえず、階段のあるホールと正面の扉に向かう通路の棺内は根こそぎ回収してきた。

 

 これで、五層目のアイテム(副葬品)の傾向がかなり見えてきた。



 ********



 これまで、各階層で略奪してきたアイテムの傾向から、このダンジョンのとある特徴について分かっていた。

 それは、

 「階層が進むにつれて副葬品に使われる技術が進歩している。」

 ということ。

 つまり、この墓地に死体を埋葬した時代の文明が階層ごとに進んでいるということだ。細工の精度や、ガラス・鉄の加工法からおおよその見当がつく。


 この傾向から、五層目では四層目に比べてより進歩したアイテム。つまり現状を打破できる強力なアイテムがゲットできることを期待していた。正直、このままだと五層目をクリアするにはかなりの時間がかかるだろうからね。


 

 期待通りと言えばいいのか、五層目の棺からゲットしたアイテムは四層目のものに比べて進化していた。

 

 だが問題は、現代人である私にも使い方が分からないほどに進化していたことだ。



 今までのアイテムはおよそ、原始的と呼べるものだった。

 例えば剣や弓なんかは、その代表例だ。より強い剣になっても、およそ、その使い方は変わらない。それは、斬りたいものに対して刃を振ればいいというように。


 これまでの階層からも詳細の分からないアイテムは多々あった。例えば以前見つけた謎の杯などだ。

 確かに、アイテムの機能自体は分からなかった。何故か水を吸収したりなど謎も多い。

 だが、それが『杯』であることは見ればわかった。


 今回、五層目から見つかったアイテムは、ほとんどが使い方どころか、それが何なのかすら分からないアイテムだった。

 一色で構成されたルービックキューブや、滑らかすぎて持ち手の判別ができないものなど、武器なのか装飾品なのかすら分からない物ばかり。

 黒い立方体がいくらあっても、まきびしにもならない。

 

 そして残念なことに、数少ない使い方が推測できるアイテムの中に、武器だと思われるアイテムは無かった。

 


 *********



 どうやら、今回の攻略でアテにしていた五層目の墓の中身には頼れそうもないことが判明した。

 

 正直、攻略という側面を除けば良い成果ではある。新たに収集したあれらのアイテムの価値自体は高いはずだ。なんか触ったらホログラムみたいなのが出たし。


 だが、今使える武器ではないことも事実。


 少し落ち込みながら、ダンジョンの階段をのぼる。

 今日はかなり長い一日だった。


 ゲートから外に出ると、辺りは真っ暗だった。

 というのも、ここ数日で計画停電が始まったのだ。


 政府が輸出入の停止を発表してからしばらく。未だに再開の知らせは届かない。

 エネルギー資源の産出国でない日本にとって、これは、七割を占める火力発電の停止を意味する。


 私の予想では、いずれファンタジー要素で解決できると考えているが、現状ではそんな話も聞こえない。

 

 今は、停電だけだが、いずれはガスや水など生活インフラ全体が止まることも考えないといけないだろう。


 帰宅。

 やはりインベントリを使えるようになっていてよかった。

 以前の状態では、暗闇の中、家じゅうに散乱したアイテムを踏むこと間違いなしだったろう。



 ********



 五層目まで潜った翌朝。 

 最優先の課題を五層目攻略から食料の確保に変更します!!



 というのも、電気が止まるため、ステータスを得た昨日の時点で冷蔵庫内にあった食料は全てインベントリに移しておいた。それでも腐敗しないかは分からなかったため、生鮮食品の類は早めに食べきってしまったのだ。


 まだ米なんかは残っているのでしばらくは持つかとも思ったが、ダンジョンの攻略という重労働をするにあたってタンパク質の不足は気になる。命の危険がある以上、万全の状態を保っておきたい。


 この辺りで、食材アイテムをドロップするモンスターが多くいるのは、以前も行った駅前の草原のダンジョンだ。


 パパッと食料を集めてスケルトンダンジョンに専念しよう!!




 ******




 ここ数日、ダンジョンに潜ってばかりで情報収集が疎かになっていた。

 最寄り駅近くにある例のダンジョン。以前来た時とはだいぶ様子が異なっている。

 知らない間に世情はかなり荒れていたようだ。



 ゲートの前には食料を求める、大勢の人だかりができていた。

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