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凡人でもできる現代ファンタジー攻略法  作者: 夜鐘
第一章 スケルトンダンジョン攻略 前編

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昨日の敵は?

 

 しばらく探っていたところ、彼らがこのダンジョンを発見・攻略していた理由を見つけた。彼らの持っていたスマホを指紋認証を使って解除すると、メッセージアプリと動画ファイルに事の経緯が詰まっていた。



 どうやら、彼らのうちの一人、リーダー的な存在(鉄の剣を持っていた彼)が、ダンジョンゲートを発見したようだ。アプリでのやり取りを見るに、この工事現場の中を探索していたところ、偶々見つけたようだ。

 ...いや、私が言えたことではないが、不法侵入だろ。


 そして、動画ファイルにはダンジョンへの侵入と一層目・二層目の戦闘や探索の様子が記録されていた。どうやら流行りのダンジョン攻略動画を撮ろうとしていたようだ。流石に三層目ではそんな余裕が無かったのか、あるいは単純にまだ撮影していなかったのか分からないが、動画はなかった。

 

 一応確認したところ、まだSNSや役所などに情報は挙げておらず、大勢にバレたわけではないことに一安心。


 こんな風に情報を漁っていると、視界の隅で彼らの死体が消えていくことに気が付いた。徐々に塵になっていく。私が手にしている彼らのスマホや荷物、装備と衣服を残して、血痕とともに死体が消えてしまった。


 ...マジか。人の死体も消えるのか。

 

 他のモンスターと同じように、人間の死体も塵になっていく様子に驚くと同時に、ある懸念が浮かんだ。

 もしも、ダンジョン内で死んだら、誰も気がつけないのでは?ということだ。死体と血痕はすぐに消えてしまう。その他の持ち物もダンジョン内に一定時間放置されると消えることは確認済みだ。

 ニュースでは、ダンジョンでの行方不明者の多発に警鐘が鳴らされていたが、実際には死体が見つからないだけで、その多くは既に亡くなっているのだろう。

 

 ここ最近の世間の風潮の中で、不自然に感じていた点が一つ解消された気がする。ダンジョンに関する報道や言論の多くで、その危険性が矮小化されているように感じていた。

 現代人は、死の危険が隣り合わせの状況には不慣れだ。にもかかわらず、世間ではダンジョンの攻略を不安視するような意見は少ない。多くの人がダンジョン攻略による「死」を現実のものとして捉えていない。その理由の一つが、「死体が見つからない」ことなのではないだろうか。



 彼らの死体があった場所を眺めながら思索にふけっていると、他にも変化が起きていたことに気づく。それは彼らを倒したスケルトンたち。見た目こそ変わらないが、気配が明らかに強くなった。これはレベルアップだろうか?

 


 *******



 私が侵入者たちを亡き者にするために、別の場所から誘導してきたスケルトン。正確には魔法使いスケルトンと槍使いスケルトンの二体。

 この二体は三層目によくいる、何の変哲もないスケルトンだった。MPKに協力してもらった後、元の場所に戻ることもなく、その場に立ち尽くしていたため、私は無視して彼らのスマホなどの所持品を漁っていた。(念の為に隠れながら。)


 しかし、三人組の死体が塵になって消えると、彼らの雰囲気が変わった。初めてのことだったので、隠れながら観察していると、スケルトンたちがこちらを向き、進んできた。


 おお!索敵範囲が広がっている。三層目のスケルトンでは気づかない距離だと思っていたのだが。やはり彼らが強化されたことは確かだろう。


 スケルトンも成長すると考えると、彼らは人間3人を倒してレベルアップしたのかもしれない。スケルトンはレベルアップしやすいのか、それとも人間から得られる経験値的なものが多いのか。


 そんなことを考えていると、魔法が飛んできた。


 うーん、残念。

 個人的には、協力して敵を倒したことによって、絆が芽生えて、『テイム』とかできるのでは?と期待していたので、少し悲しい。


 槍使いスケルトンが盾になるように位置取り、魔法を防ぐ。遠距離攻撃のある敵相手に二体同時は確かに難しいが、慣れれば何とかなる。

 コツはこのダンジョンの狭さを活かすことだ。かなり射線が通りづらい。魔法が当たって動きづらそうに槍を振り回してくる前衛の槍使いスケルトン。これを魔法の盾にしながらあしらいつつ、弓で後衛の魔法使いスケルトンを狙う。魔法使いスケルトンは攻撃力こそ高いが脆いため、数発の矢が当たれば倒せる。こうなれば後は簡単、いつもの一対一だ。


 少し時間はかかったが、問題なく倒せた。これも慣れのおかげだな。

 手応え的には、四層目の魔法使いスケルトンより少し強かった程度だが、もう慣れた。


 お!どうやらさっきの二体を倒したことによってレベルが上がったらしい。普通のスケルトンよりも経験値が多かったのかもしれない。


 いろいろと想定外の事態ではあったが、収穫もあった。

 一つ分かるのは、時間が経つほどに、こうして他人にこのダンジョンの存在がバレる可能性が高くなるということだ。現在四層目の攻略が終わり、五層目に足を踏み入れようという所。できるだけ早く、このダンジョンを完全制覇しておきたい。



 ということで、色々あって忘れていたがステータスアップアクセサリーの確認だ。


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