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召喚士に目覚めました  作者: まっきー
魔王と魔物
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悪食

「ん?」


今の声はなんだ?


「シロウ様、どうかしましたか?」


足を止めたからアグリーが気にかけてきた。紳士である。


「いや、大丈夫だ、行こう。」


再び歩き出す。




『今のは【世界の声】ね。何かのきっかけで聞こえて、その声を聞くとステータスに変化が起きるわ。』


…頼むから不意打ちで話しかけないでくれ。びっくりする。


『仕方ないじゃない…そんなことより早速ステータスを確認してみたらどうかしら?』



フォルンは肉体がないのだ。理由は知らないが、少なくとも俺の体とリンクしているようだ。

だから、フォルンの存在は俺しか認識できない。



とりあえず、言われたとおりにしてみるか。


ステータスを確認っと。




名取 史朗 〔人族〕

[称号] 転移者 魔王

[職業]召喚士 Lv1

[スキル] 召喚 使役 身体超強化 超回復 全耐性 並行思考 神格補助 憑依

[召喚魔] エリゴール




本当だ。さっきより増えている気がする。

新しいスキル、憑依か。もしかして取り憑けるのか?召喚しか発動してないけど、確実に人から遠ざかりそうなものが揃っているよなあ…。

だけどゲームみたいで少しワクワクしている。

これからスキルたくさん取っていけば本当に頂点目指せたり?調子はのらないけどねっ。


それと新たに[召喚魔]の項目が増えている。

エリゴール…本当に俺が喚んだのか…。




ーー【エリゴール】の詳細を表示しますか?ーー[Yes/No]



いきなり機械的な声がそう告げた。


うおっ、なんだこれ。びっくりした…

フォルンとはまた別人…みたいだな。



うーん、[Yes]っと。



エリゴール 〔魔神〕

[職業] 暗黒騎士 Lv MAX [DP 750,000]

[称号] ソロモン72柱 召喚魔 魔王の加護

[スキル] 超再生 全耐性 剣聖 神速 覇気 黒化 浮遊 魔血 悪魔生成




………なんだこれ。




とりあえず見なかったことにしておこう。

……怒らせたらやばそう。



明らかに俺より強いよね絶対。なんでこんなの従わせてるの。

ほんとにさっきは調子乗ってスミマセンでした。


『なにやってるのよ、もうすぐ出口なんだからしっかりしなさいよ。』


フォルンに叱られ、現実に帰る。

幸い、道中敵と遭遇することはなかった。

しかし、進むに従い地上から発せられる死の気配が強くなっていくのがわかる。


アグリーが歩きながらこちらを振り向く。


「まもなく出口でございます。」


その声が震えていることには気づかないフリをした。

恐らく地上は、倒れた同胞もいるだろう。


通路の奥に上へと続く階段があった。


「この先は教会の裏側へ出ます。」


アグリーの言う通り、俺たちは協会裏の茂みにでた。


途端に強烈な臭いが鼻腔を刺した。

肉の臭い。鉄の臭い。それらは、死の香りだった。


俺たちはあたりを警戒しつつ、教会の正面…中央広場へ向かった。

そこには恐らく敵の親玉…【魔王】がいるだろう。

一際不気味なオーラを感じる。




広場に着いて、目の前の光景に言葉を失った。


広場は200は居るであろう土人族の兵士に占拠されていた。


そして、山のように積み上げられた緑人族の屍。

その緑色の山の上で屍を【喰らっているもの】がいる。



あれが恐らく【グレイル】なのだろう。

奴の体からは死の気配が溢れ出ている。見ていると吐き気がこみ上げてくる。



『あれはグールの王…【食屍鬼王】だわ。』


フォルンが驚いたように言う。




グール?ゴブリンに次ぐゲームの雑魚敵ポジションの?

そんなのがどうしてこんな桁外れな力を持っているんだ。


『本来ならそうね。と、いうか食屍鬼は500年前に滅んだ種族よ。』


滅んだ種族…?


『正しくは一体の食屍鬼【共食い】が原因で一個体のみとなった。その最後の一体もちゃんと私が【殺した】筈なのに…。』


え、殺したって500年前の出来事だろ?


『レディに年齢の話はマナー違反よ?』


隠された。フォルン…シリアスぶち壊すの好きだよね。

お陰であいつの瘴気に当てられなくなったが。



『あの頃よりもさらに強力になっているわ、注意するのよ。』


忠告ありがとう、でも倒さねば次に進めない。

となれば先手必勝だ。


エリゴールは[浮遊]と[神速]で一直線に突っ込んだ。

先程の道中、俺はエリゴールとスキルの効果の確認も兼ねて、いくつか作戦を練っていた。


土人族や屍の山を越え、一気に【グレイル】に迫る。


グレイルがこちらを振り向く。

血まみれの醜悪な顔は笑っていた。


「戻れ!!」


俺は、嫌な予感がしてエリゴールに向かって叫んだ。


咄嗟に軌道を右へずらし、そのまま俺のそばまで戻ってきた。


間一髪。今のは非常に危なかった…。





グレイルが笑った理由。あいつはエリゴールを【喰らう】つもりだった。


グレイルの纏っていた死の気配が巨大な、【髑髏】の顔になり、大口を開いていたのだ。



「怨念…」


あれは【共喰い】の犠牲者ではないのだろうか?

ふとそんな疑問が浮かぶ。



するとグレイルは、俺を視界に捉える。



〘………オマエ〙



低くねっとりとした声が響く。



〘喰ッテイイカ?〙




【食屍鬼王】がニタァと笑う。



もう逃げることはできない。

ついに主人公も戦闘に加わります。


最後までお読みいただきありがとうございます。

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