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氷の王女様の正体は皇太子様への恋に限界化した乙女でした  作者: みかん
第三章

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20/22

初ダンス2


「お二人とも!!」

振り向けば、アルヴィンがこちらへ歩いてきていた。


「お見事でした、さすが王女殿下です!」


「ありがとうございます」

アリアが答えると、アルヴィンは続ける。


「レオ皇子もお上手でした」


「光栄です」

レオも礼を返した。


「特に最後の動きは見事でした」

アルヴィンは純粋に感心したように言う。


「軍人の方は舞踏会を苦手とされる方も多いのですが」


「そうですね、私もどちらかと言えば苦手な部類です」

と苦笑しながら話すレオ。


「そうは見えませんでした」

アルヴィンは素直に感心してた。


「お二人が羨ましいです」

そんな言葉まで口にした。


「羨ましい?」

アリアが首を傾げる。


「はい、

王女殿下も、レオ皇子も、この国と帝国の未来を背負っておられる。

私も微力ながら、お力になれればと思います」

と微笑みながら話すアルヴィン。

本心からの言葉だった。


レオは静かに頷く。

二人は自然に笑みを交わした。


その光景を見ていたアリアは少しだけ安心する。

少なくとも、二人の間に険悪な空気はないらしい。


ーーーー


少し離れた場所から視線を感じる。

振り向くと、ヴァルディア侯爵がこちらを見ていた。

侯爵はアリアと目が合うと、にこやかに会釈する。


いつも通りの穏やかな笑顔。


だが、なぜだろう。

その瞳が何かを計算しているように見えた。


「……?」


アリアは小さく首を傾げた。

しかし、その違和感はすぐに消える。


再び音楽が流れ始め、舞踏会は続いていった。


そしてヴァルディア侯爵は、グラスを傾けながら静かに考える。


(アルヴィン殿はやはり良い)


誠実で真面目。

誰からも好かれる青年。

だからこそ使いやすい。


今はまだ、それで構わない。

むしろ、その方がいい。

人の心は急には動かない。


だが、同じ時間を過ごし、同じ景色を見て、相手を知れば、やがて変わることもある。

老侯爵は誰にも聞こえないほど小さく呟いた。


「焦る必要はありませんな」


その目は、談笑する三人へ向けられていた。



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