俺生きてた?閻魔大王様に謁見する!II
「今更なんですけど、閻魔大王様と神様って違うんですか?」
「全然ちげぇよ。閻魔大王様は亡者を裁くのが仕事、神は世界の管理と修理が仕事だ」
「管理は何となく分かりますけど、修理って何ですか?」
「文字通り修理だ、世界のな。自然災害とか戦争とかで時空が歪む事が何百年に1回くらいあんだよ、その歪みを放置しとくと狭間が生まれるんだ。で、それを更に放置すると狭間がデカくなって、その狭間に人間が間違って落ちる事がある」
「怖ッ!」
「怖いだろ? それを防ぐ為に何百年に数回神が修理してんだよ。ずっと放置しておくと狭間は大きくなり続けてその星が消滅したり、他の星も飲み込んで大変な宇宙災害になっちゃうからな」
その話を聞いて神様の仕事は何となく理解できた。
正直言って宇宙災害と規模が大き過ぎて想像できないから、いまいちピンとは来てないが。
狭間に人が落ちる所までは想像出来てしまって、怖い。
神様からしたら数百年って数年とか、それくらいのスパンだよな? そんなに頻繁に時空の歪み直してくださってあざます!
届いてるか知らんけど。
「あれ、神様でも災害とは防げずに事後処理なんですね」
「ああ? そんなの当たり前だろ。災害は自然に発生するし、戦争なんかも人間達が勝手に争ってやってんだから。……防ぐ事が出来ねぇわけじゃねぇって大昔に言ってたが、神力をとんでもねぇ量使うらしいから数万年単位で気絶しちまうんだってよ。そうなったら時空の歪み直せず広がり続けちまうだろ?流石に無理だと言ってたよ」
「へぇー神様もそんなに万能じゃないんですね。数万年単位の気絶って超怖い……」
何でも防げる万能な存在は、神様でもいないって事か。
てか、数万年眠って回復するんじゃなくて気絶ってのが普通に死にそうで怖いんだが、神様だから死ぬとかないんか? ……どっちにしろ怖過ぎるが。
「じゃあここに神様が来て、謁見出来るんじゃないんですね」
「ねぇな、こんな所に神がホイホイ降りて来られたら俺達の心が休まらねぇよ。大体神は滅多な事がない限り獄卒にも、ましてや人にも姿見せることなんてねぇよ」
「え! そうなんですか!? ……ん? あの、滅多な事って何ですか……?」
「あー、時空の歪みの修理ってのは枠組みが無い脆い透明なパズルをはめていく様な作業だと聞いたことあんだけど、それを1ピースでも間違えたり壊したりすると人が1人死んだり、国が1つ消滅したり……まぁ、そういうのが起きちまうんだよ」
「ヒッ……」
この獄卒さんが教えてくれる神様の仕事全部こえぇんだよ!
てか、なんでそんな繊細さが求められる作業なんだよ時空の歪み修理!
「今のところ間違いは起きてないらしいけど、起こったら該当する人間に神自ら謝罪しに行くらしいぞ。謝って元の世界に転生するか他の世界に転生するか、あと種族とかも選ばせてくれるらしい。記憶は消すらしいけどな。この話も真実か怪しい眉唾物の話だ」
「好きな世界と種族は魅力的ですけど、神様直々の謝罪は畏れ多いですね」
「突然世界から自分が消えたのに、神様から謝罪がない方が嫌だろ。事故で死ぬとかもあるが急に存在が消える事故もあるらしいからな」
「ひぇ」
「まぁ、お前普通に死んでるし心配すんな。そんな事が起きたら逆に運良いまであるぞ」
全っ然運良くないだろ、どう考えても運激弱だろ。
普通に死んでるから今回は良いけど、次生まれ変わる世界とかでそんなんなったら嫌過ぎる。
てか普通には死んでないんだよな、殺されてんだよな俺。
「ほら、無駄話してたらもう直ぐお前の番だぞ」
「え」
獄卒さんが前を指差すので、前を見ると遠くに見えていた門が目の前にあった。
話に夢中で全く気づかなかった、近くで門見上げると首が折れそう。
「遠くからでも大きかったですけど、近くで見ると更に大きく感じますね」
「閻魔大王様がデカいからな、あの人が楽々入れる様に作られてんだよ。ほら、早く行け後ろが詰まる」
「本当だ、すみません。じゃあ行きます、お仕事中だったのに色々教えてくださってありがとうございました! また死んだ際にはよろしくお願いします」
「一般常識を教えただけだ、一々感謝するんじゃねぇ。今度来る時はジジイになってから来いよ、そんでなんか面白い話持ってこい」
「はい! 長生きできる様に頑張ります。お土産話たくさん持ってきますね」
ジジイになる事無く死んだ俺への冗談みたいなもんか、素直に長生きしろよと言わずにジジイになってから来いと言う当たりコイツはだいぶツンデレだな。
獄卒のお望み通り、長生きして目をキラキラと輝かせて他にはないのかとねだられる様な、とびきり面白い土産話を持って来てやる。
そう思いながら俺は一歩列を進んだ。
「あの亡者とぉ何話してたんですかぁ?」
「あぁ? 色々だよ。今度死んだら土産話を持って、俺に聞かせに来いと言ったな」
「えぇ〜? それぇどんな意地悪ですかぁ?亡者は記憶を消されてぇ転生するからぁ、僕たちの事なんてぇ覚えられないじゃないですかぁ」
「そうだな。俺の事も約束の事も覚えてられねぇだろうな」
「じゃあぁ、なんでぇ約束したんですぅ?」
「そんなもん、何となくに決まってんだろ」
「えぇ〜、ひどすぎですぅ〜」
「はは」
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