俺生きてた?閻魔大王様に謁見する!
そんなこんなで俺は死んだ!
マジであの女なんなんだ?
考えられるのはあの色男ストーカーくらい? ……まぁ、もう考えたところで? 俺死んじゃってるから無意味なんだけどな?
でも、あの色男には悪いことしたな。
自殺止めた人間が、自分のストーカーが原因で死んだって知ったら自分を責めるよな、メモとか残せたら良かったんだけど流石にそんな余裕無かった。
一応救急の電話ではお前は悪くないって伝えてくれって言ったけど、色男の名前も言わなかったし、てか知らなかったし? 救急の人は誰に伝えんだよって感じだよな。
まッ、もう終わった事だ! 俺にはどうする事も出来ん! 切り替えていこう!
でさ、なんで俺が死因を事細かに長々と説明しているかと言うと今いる場所が天国? なのか良く分かんないんだけど、バカデカい……10mくらいあるか? そんくらいデッカい扉の前の長蛇の列に並んでるからなんだよ。
要するに暇を持て余している。
あとなんでこいつらが並んでるかはマジで分かんない。
なんか並んでるし取り敢えず並んどく? みたいなテンションで並んでるんだけど、マジで何の列なんだろ?
因みに、俺の並んでる列は日本人だけ並んでる。
ぱっと見だから確かではないけど……その他にも列があってそっちはアメリカ人っぽい人達が並んでいた。
色々な人種の人達が、それぞれで並んでるっぽいんだよな。
あと動物とか虫も分かれて並んでるけど、こっちは国籍とか関係なく、陸上生物とか海洋生物とかの中でも何とか科で分かられているっぽい。
正直生物は詳しくないから分かんないけど、隣の列にいるカブトムシは確かコガネムシ科だった筈だから、コガネムシっぽいやつらが並んでいる列にいるし、その数個隣の列には犬が並んでいるけど、狼や狐何かも一緒に並んでいる。
動物達は人間と違って、生まれ国などで分かれてはいない様だった。
まぁ、日本人だけでも10時間待ちレベルの列が出来てるのに、全て一緒にしたら倍以上待たされるのは目に見えてるもんな。
そんな事を考えながら、数ミリずつ進む列に黙って並んでいると前から気の抜けた声と怒鳴り声が聞こえて来た。
「はぁ〜いぃ、あちらがぁ列の最後尾になりまぁすぅ。あぁ、割り込んだらぁ罪が増えちゃうのでぇ大人しくぅ最後尾にぃ並んでくださいねぇ〜?」
「おい! そこのお前! 前の人間を押すんじゃねぇよ!! 罪増やすぞボケがァ!!」
その声が聞こえた瞬間、さっきまで無音だったのに急にあっちこっちから声が聞こえて始めた。
なんで今まで聞こえなかったんだ? 遠いとかではないと思うんだけど、お昼休憩とかしてたのかな?
今がお昼か分かんないけど……。
それか、今の今までみんな礼儀正しく並んでたけど列を抜かす人とか、割り込みする人とかが現れたから出て来たか、声をあげたか。
動物とか虫とかの列からも聞こえるんだけど、虫って割り込みしないよな?するんか?
ここにいると疑問が止まらねぇー。
ここから見える注意している人達は、イベントの待機列で拡張機持ってアナウンスしてくれてる人達と似てる。
口調は全然違うけどね。
遠くに見える姿は着物……? いや、浴衣の様な、でもダボっとしてる……おしゃれに疎い俺にはよく分からない服装をしている。
雰囲気は中華っぽい。
あと、頭になんか付いてる……猫耳?あ、角だ……鬼の様な角が頭から生えている。
鬼がいるってことは、ここは天国じゃなくて地獄だったのか?
手を振ったら来てくれるかな……。
列に並んだまま、その場でぴょんぴょんと飛びながら鬼に向かって手を振ると、直ぐに気付いてくれて側まで寄ってきてくれた。
寄ってきた鬼の顔がとってもイラついた顔をしていたので、来てくれた嬉しさが半減したけど。
「何の用だ?」
「えっと、これって何の列なのかなぁーって」
死んでも治ることのない、人見知りを発揮して目線は合わせられず、キョロキョロと視線が彷徨ってしまうし、なんかヘラヘラしちゃって無駄に大声になってしまった。
モロ陰キャ過ぎる……せめて目は合わせろよ、態々来てくれたんだぞ!
あの色男を止めた時はあんなに堂々出来てたのに……。
「あ? この列は閻魔大王様との謁見の列だろ。お前説明を聞かずに並んでいるのか?」
「閻魔大王様……謁見…………え、説明ってどこかで聞けるんですか?」
「……あっち見てみろ」
見ろと鬼が最後尾の方を指さすので、首を伸ばして見てみると何やら受付カウンターっぽい物が数個並んでいて、女性の鬼が人を誘導していた。
え、なんだあれ全く関わる事なくストレートでこっち来ちまったんだけど……。
声掛けられることもなく、視界に入ることもなく普通に並んでた、
「通常はあそこで説明を受けて、お前ら亡者がどの列に並ぶのか、または別の場所に案内されるか調べてもらうんだよ」
「え! じゃあ俺ここに並んでたらまずいですか?」
「……はぁ〜、名前」
「え?」
「チッ。特別にここで調べてやるから名前言え」
「あっ、はい 池田晴臣と申します」
「池田な。池田、晴臣……お、あったぞ。うーん……あぁ、お前はここの列で良さそうだな」
「そうなんですか?」
この列って種族ごとに分かれてるのかと思ったけど日本人ってだけじゃなくてもっと細かく分かれてるのかな?
「本当にここで大丈夫なんですか?」
「あ? 大丈夫だって言ってんだろ。お前は犯罪者じゃねぇからここの列で合ってる」
「……犯罪を犯している人は別の列なんですね」
「当たり前だろ、犯罪者をすぐに転生出来る列に並ばせる事は間違ってもない。犯罪者はここより1階下のフロアに連れて行かれるんだよ。そこで生前犯した罪の重さを調べて、地獄での刑期が決まる仕組みだ」
「刑期って概念があるんですね、てっきり一生地獄から出れないんだとばかり思ってました!」
「あり得ねぇよ、ずっと居座られたら邪魔だろうが。まぁ刑期が出来たのはここ1万年前くらいの話で、大昔は永遠の苦しみを与えるのがいいとされてたんだけどなぁ。そのシステムだと神様が新しく魂を作り出さないと現世の人間が足りなくなるって分かってからは、神様の負担を減らす為に元々ある魂を再利用して回す事になったらしい」
あー、少子化の原因にもなっちゃうのか。
でも天界サイドだけの問題でもないから、これからは新しい魂を作り出さなくても、元からある魂だけで回していけそうだな。
それにしても魂の再利用って、そんなペットボトルみたいな扱いされてるとは知らなかったな、知りたくもなかった。
しかも大昔はとか言ってるけど、1万年前も俺からしたら大分大昔なんだけど、この人20代みたいな面して一体いくつなんだ?
「まぁ、最近は子供を望まねぇ人間が多いから新しい魂を作り出す意味ねぇんだけどな?現世の少子化? とかの問題で魂が余りまくってるから」
あ、獄卒さんも少子化問題を理解して嘆いておられた。
現代でも天界でも深刻な問題なんだなぁ。
魂が余るとかあるんだって感じだけど。
「ま、余ってるからこそとんでもねぇクズとか?犯罪者は処分出来る様になって助かってるけどな」
「……え、しょっ……処分?」
「ああ、この世に必要のない。地球にも他の星からも欲しがられない魂は輪廻に戻されることなく、存在を消されるんだ。お前は大丈夫だろうが、もし必要の無い魂と判断されたら池田晴臣として生きていた痕跡も綺麗さっぱり消されて塵となって消える」
え、めちゃめちゃ怖いんだが?……良かった悪い事してなくて。
多分大丈夫だよな?獄卒さんにここで良いって言われたし、今更ダメって言ってもここから動かねぇぞ?
あッでも動かなかったら罪が増えるか、よしやっぱり大人しく従おう。
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