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そうだ、お酒を飲みに行こう!〜お酒大好きアクティブ令嬢と偽り身分の王子様〜  作者: 雪月花


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「テオ様、優勝おめでとうございます!!」

 ルーナがサロンの真ん中で音頭をとる。


「かんぱーい!!」

 みんなで、マクシミリア領特産の葡萄ジュースが入ったグラスを高く掲げた。

 BクラスとCクラスの参加希望者での優勝パーティだ。

 

 といっても、テスト勉強会の打ち上げと中身はあまり変わらないけど。


 ルーナは乾杯をしに回っており、シモンの所にも来ていた。

「シモンもすごかったね! お疲れ様。…………私身体を張ったんだから海外逃亡の件、よろしく」

 ルーナが少し死んだ目でシモンに言った。


「お、おう。いつでも任せろ!」

「海外逃亡って何??」

 いつの間にか近くにきていたテオ様が、シモンに詰め寄っていた。

「……い、いやぁ」

 黒いオーラを発しているテオ様にシモンがタジタジだ。

 この2人は剣術の強化練習をしたからか、なかなか仲良くなっていた。




**===========**


 優勝パーティが始まってしばらく経つと、リンス先生とルーナはいつもの隅っこのソファでコソコソお酒を飲んでいた。


「……やっぱり飲んでる……」

 それを見に来たテオ様が、呆れた顔をして呟いた。

 

「テオか! 優勝おめでとう!」

 出来上がっているリンス先生がグラスを高く掲げる。

「リンス先生、ライスワインの方がアルコール強いので飲みすぎないで下さいねー」

 ちょっとだけいい気分状態にほろ酔いしているルーナが、ニコニコ笑いながらライスワインを飲んでいた。


「……今日は僕も飲もうかな」

 珍しく、テオ様もお酒を飲みたがった。

 前のようにソファに座るからちょっと寄ってと手を振って促す。

 

 酔っ払い2人は素直に従った。

「テオ様弱いんで、ちょっとだけですよ〜」

 ニコニコ顔のルーナが、新しいグラスにライスワインを注いでテオ様に手渡した。


 そしてルーナがテオ様のグラスに自分のグラスをあてる。

「あらためて、優勝おめでとー」

「ありがとう」

 テオ様がライスワインを一口飲みながら、穏やかに微笑んだ。


「最後の戦いなんか凄かったなー!」

 リンス先生が奥から褒めだした。

「容赦ない連撃で、相手にトドメを刺すんじゃないかとヒヤヒヤしたよ」

 リンス先生がケタケタ笑いながら言った。




 ソファの後ろの席からも声がした。

「テオ様の鍛錬も容赦ないんだよなー」


 今日はエマとサッシャとレオンに加えて、シモンとその婚約者のルクアが後ろの席に集まっている。

 さっきの発言はシモンだ。


「テオ様はどうしてあんなに強いの?」

 エマがレオン様に聞いていた。

「うーん、アルザイック家の鍛錬がすごいんじゃないかな?」

 レオンはいつもの笑顔で言った。


 本当は王宮での鍛錬だからだ。

 生まれ持った才能の部分もあるが。


 サッシャがエマの腕をツンツンしながら喋った。

「ねぇねぇ、今日はテオ様、何でルーナがお酒を飲むの許してるんだろ?」

 そして「いつもは、酔ってるルーナを他の人に見せたくないから禁止してるの」と面白そうにルクアに教えていた。


「んー……優勝したからかなぁ?」

 エマが分からないながらも予想を言う。

「違うと思うよ」

 レオンが笑いながら言った。

 

 みんながレオンの方を見る。

「もう少ししたら始まるアレに誘うために、お酒の力を借りてるんだと思うよ」


「「あぁ〜」」

 一同は納得した。

 

 もう少ししたら秋麗(しゅうれい)祭の締めくくり、鎮魂のひとときが始まる。




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