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駄幹部が!!

駄菓子を食ってリタイアの勇者、他三人をメロウスは一体どうするのか?

 ヤメルダの酒場のテーブルを囲み、三人とメロウスが話をしている。


「メロウス様、旦那抜きって、嫌な予感しかしないんですけど」


「あいつが居たら、あなた達の成長につながらないと思ってね」


「あ〜、確かにあの勇者がいたら、僕達意味ないですよね〜」


 ロイはテーブルに伏せてだら~っとしている。


「ロイってどんどんやさぐれるよね、ね~メロウス♪」


「ね~♪ともかく説明するわ」


 魔王には右腕と言えるほどの五人の優秀な幹部いた。


 その五人は、魔王ともに封印されたが、時代の端々で姿を表した。


 それは最初の内は魔王が自身の復活の為に、そして今では、メロウスが利用する為に、封印と復活を繰り返していたからだった。

 

 今回は、その一人『凄惨剣ザクロ』を意図的に復活させ、三人の成長の肥やしにする。


 予定…


「あ~メロウス様…そのザクロってやつぁ~…」


 三人の顔が曇る。


「うん、昔この町で大暴れして、街の左利きの人を殺しまくったヤツwww」


「下手したら魔王の次にヤバい奴じゃないですか?」


「でも僕それって、よくわかんなかったんですよね」


 そう切り出すと、ロイはクルミを二つ取り出し、手の中でこすり合わせながら聞いた。


「どうやって左利きを探したのか…そして、なぜ勇者は敗北した直後に勝てたのか…」


 りえぞうは、ロイからクルミを取ると、それぞれ片手に握り両方を砕いた。


「今の問題は、なぜやる必要があるか…ですぜメロウス様」


「あの勇者は、伝説の剣の素材が集まれば、元の世界に帰還することができる。しかし、魔王の復活の時には、あなた達も確実に立ち会うことになる。」


「まあ経験値が必要で、経験者が頼られるのはわかりますが、俺たちは戦闘には向いてないんですぜ?」


「私が人間なら片腹大激痛かしら…だって流石にあなた達が強いことはわかっているし、この話を聞いてもビビッてないことも理解できる。」


 三人は沈黙した。


「…僕はいいですよ、どのみち賢者としての経験値もいるし、あの勇者みたいな、とんでもないのが来るとは限らない。」


「私はメロウスのやり方を信じるわ」


「しかたねぇな…やろうか」


「決まりねじゃあ行こうかしら」



 奥に入り魔法陣前に来る。


「封印の関係で、失敗すれば町中に放つことになるから、必ず成功してよね♪」


「やだな~メロウス様、僕に任せてくださいよ~ww」


「その頼もしいセリフ、私そのセリフ前も聞いた気がするwww」


「はっはっはっ、面白いですね~メロウス様~w」


 ロイとメロウスが仲良く話しているのを、怪訝そうに二人は見ていた。


「あのセリフって任せておけない展開になるヤツよね?」


「まあ、俺は勝算はあると思うぜ…カエサルもそう思ってるんだろ?」


「かえりんよ……まあね」


「いい?入ったら戦闘開始よ、入った時点で封印は半解け状態、侵入者の魔力がカッスカスになったら封印が解けちゃうわよw」


「オッケーメロウス様!」


 


 中に入ると、何事も無いように六本腕に六本の剣を持ったモンスターが待ち構えていた。


「メロウスか…今度は何を企んでいる?」


「はぁ?ありがちなデザインの悪のモンスターが何を言っているのやら」


 見た目は修羅や悪鬼としか言いようのない姿だが、落ち着いた雰囲気で話しかけて来た。


「今度はお前たちが欲望の生贄なのか…人間とは不幸なモノよ…」


 ロイが一歩前に出る。


「欲望の生贄でも、利害は一致していれば手を組む、自然な事じゃないですか?」


 ザクロは全員の目を見ている。


 目の中の覚悟を見ている。


「フム、やろうか…」


 その言葉に全員が身構える。


「デカいけど二メートル半くらいなら、私が時間を稼ぐから何か高出力なもの用意して…」


 そう言うと、かえりんがフラリと前に出た。


「フム…まずは名乗ろう、我は魔王様の右腕、五爪の参!凄惨剣ザクロ!!」


「自分でそれ言うのって早死にしそうね」


 かえりんは一向に構える気配すらない。


「女、名は?」


「職業は舞踏家、芸名は『かえりん』と申します、以後お見知りおきを」


 丁寧なお辞儀をするかえりんは、いつものスリットキツメのチャイナドレスで手甲などもしていない。


「何も装備してないようだが、素手で我が肉体にダメージが通るとでも?」


「あー私は…踊る方の舞踏家ですので♪」


 ズバーン!!


 唐突に一撃が振り下ろされ、それをギリギリで躱している。


「たかが踊り子がなめているのか?」


「アナタに舐めれるような綺麗な場所は無いと思うけど?」


 ズガガガッッ!!


 右の三連撃が降り注ぐが、完全に見切って躱している。


「私、潔癖症が深刻で汚いものは自然と触れられないのよw」


 嘲笑に激しい怒りを覚えたザクロは、本格的な斬撃を振るいだした。


「あ~あ、始まっちまったぜ」


「りえぞうさん、アレくださいアレうつんで…」


「いいよ…つーかそれしかねぇし」


「アレってなに?」


「メロウス様…この世界で一番威力のある魔法は何ですか」


「光の爆裂魔法メギド系でしょ」


「そうです、この世界の光系の魔術師が知ってるアレですぜ」


「メギド・メギドラン・メギドラリオンでしょ」


「俺は自身の経験や旅の中では、文献の中ですらメギドしか習得者がいない、メギドラン撃ったと言う歴史そのものがない」


「ロイには出来るのね、それもメギドラリオンが…」


「はい、そして俺にも一つ言ってない事が…」


 りえぞうは、大きく深呼吸し、両手を合わせた。


「この世界のサブ職はご存知でしょ?」


「ええ、職種を極めると、別の職所の祝福を受けられるアレでしょ?」


「普通のやり方だと、相当なモンスターを狩らないとそこまでいかない、ましてや今の時代そんなにモンスターがいないんですよ…」


 りえぞうの周辺が一瞬だけパァッと光る。


「基本平和だもんね」


「ええ、でも遊び人だと、人を楽しませ続ければ経験値が得られる。」


「シャーマンはレベルいくつなの?」


「遊び人が99ですが、こっちは30程度、しかしこのレベルまで来れば、この技が使える!!」


 地面を槍の柄でドンドンと叩きながら、詠唱をし始めた。


「う~ハッ!う~ハッ!我が唄は英雄譚~う~ハッ!う~ハッ!終わりなき英雄譚~う~ハッ!う~ハッ!仲間と共あろうぞ~う~ハッ!う~ハッ!」


 その詠唱と共にロイが薄っすらと光り始めた。


「ああシャーマンのレベル同一化魔法?」


「そうですぜ、この儀式は、レベル低い仲間を自分と同じレベルまで徐々に引き上げる。」


「レベル30程度でメギドが撃てるの?」


「…メロウス様この儀式はサブではなく本職のレベルに依存します。」


「じゃあロイは…」


「時間さえ経ってまえばレベル99、いや、そこまで待たなくてもロイならメギドラリオンが撃てる。」


「メロウス様、無詠唱で魔法を構築していきます!レベルが必要に達する頃には終わります!!それより…」


「それより?」


「あのかえりんさんって何者なんですか?世界を旅していたんだから、それなりに強いのはわかります。それを差し引いても、身のこなしが異常すぎます!!」


 確かにザクロの連撃は、一人で躱し続けるのは、不可能に見えた。


 現に、ロイやりえぞうには、いつくかの斬撃が見えていなかったし、6本腕で追い込むように、退路を断つように回り込むように放たれる連撃を、なにもないかのように躱し続け、足元を下側二本の腕がしつこく狙っても空中で当たり前のようにステップを踏んで躱している。


「女!お前は何者だ!!」


「最初に言ったでしょ、舞踏家よ、ただし世界一のね♪」


「それでは説明にならんだろうがぁぁ!!」


 ヒラリヒラリと空中で舞い続ける。


「あの娘…似てる。」


 世界中の武術を取り入れた体術じゃない!戦っているときの雰囲気、いいえ普段もそう、どことなく似ている。


「女神リリンにですか?」


「…」


「そりゃそうですぜ、芸名かえりんこと、本名はカエサル=セイクリッド=リリン…彼女は、女神リリンの末裔にして正統後継者なのだから」


 ザクロの頭の上にリリンは立った。


「…アナタ、扇風機としては合格点ね」


 似てる、余裕の時の、あの感じの悪い言い方、あのクソ親父の血の影響かと思ってたけど、この世代まで受け継がれてるの?あの親父のクソ遺伝子!?


 再び手を合わせ、遊び人に戻ると、すぐに支援のために根源を呼び覚ました。


「自然の守護者たるエルフの根源よ、契約に従い我に力を与えたまえ!!」


 金髪のロンゲのエルフに姿を変え、光の弓矢を手に放つ!


「トリプルスリーライトアロー…」


 同時三本の三連続発射の光の矢が、ザクロを襲う。


 その矢は正確に全て顔面を捉えた。


「ぐぅぁぁああ…貴様ら!!」


 頭から宙返りで飛び降りながら左手を伸ばした。


「メロウス!おいで!!」


 何の疑問もなくその左手に収まった。


「勇者様には悪いけど、ちょっと火の魔法剣してもらっていいかしら?」


「ええ、もちろんよ」


 メロウスは、その身に炎を纏い魔法剣となった。


 懐かしいこの感じ…あの頃を思い出すわ。


 ザクロの斬撃を躱すと、手首を切り落とした。


「ぐぉぉぉおおこのザクロ様がこうも一方的にやられるだとぉぉぉ!!!」


「その台詞ですぐにやられるヤツってよくわかるよね~メロウス♪」


「ね~♪」


 二人は楽しそうにしている。


「できたよ準備www」


 ロイのレベルが必要な段階に達し、ザクロの足元に魔法陣が展開されている。


「くらえ!メギドラリオン!!!」


 光の柱が轟音とともに立ち上がり、ザクロの肉体が燃え上がり消えていくを眺めながら、メロウスが質問した。


「彼が完全に切る前に言っておきたいことはある?」


「特にありませんぜ」


「お前、洗ってない犬の匂いがするんだよ」


「僕はこれですね…大層な経歴と態度だったくせに…」


 りえぞうはなんとなく察してハモッた。


『この!駄幹部が!!』

ヤメルダの酒場に戻った三人そこに現れたのは勇者と…


次回 駄復活が!!

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