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最強スキル【勝確BGM】で異世界ヒーローしますッ!  作者: かんでんち
第四話 ルミナスパレスリゾート編 1
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再定義≪リフレーミング≫

 正気に戻ったのか、今更ながら『底を掴んでしまった』みたいな顔で俺を見上げるロミ。


 どちらのご褒美も有益であるのは間違いないが、魔力は俺自身が作り出せる可能性をロミが示していたし、神様に望んだのが身長とかシェ〇ロンにギャルのパンツをくれとのたまったウー〇ンと大差ないのではないかと思えてしまう。


「お前、パパとママのことになると途端にポンコツになるよな……」


 頭を抱えて転げ回っているロミを見て、俺は内心ホッとしていた。記憶を封印されるまでのロミは酷い顔をしていたからな。もうあんな顔は見たくない。


「まぁ、魔力に関してはちょっと多めにしてくれる、みたいなこと言ってたし……。どれどれ、ステータスオープン。……ん?」


「ぐすん……、どうした、セーダイ?」


 ロミは魔眼で俺のスタータスを確認する。



セーダイ・バツマル

称号:ヒーロー(異世界転生者)


HP  20

MP  0

力  6

守り 5

速さ 5

魔力 ∞


スキル:勝確BGM、魔力無限

習得:勝利武装Lv.2



「なんじゃこりゃーッ!? 魔力、無限だとォ!?」


 難しい話で眠ってしまったシアが目を擦りながら体を起こす。


「ん、ん~……ふぁぁ……ゴメン、二人とも。寝ちゃってた……」


 ステータスを見ながらダラダラと冷や汗をかく俺と、四つん這いで驚き顔のまま固まってしまったロミをシアは不思議そうに見ていた。




 レストランに移動する為、皆で一緒にエレベーターに乗り込む。するとロミは小声で愚痴り出した。


「無限ってなんだ、無限って……! 仮にも超高次生命体が、無限などとぬかすな!」


 幼女の怒りのベクトルはどこかズレていた。


「【勝確BGM】の設計者だし……。けどさ、後は俺のMP修行次第ってことだろ? 目標が絞れて助かるよ」


「それは……たしかに。そうか、事実上無限ではないな……。魔力の項目がセーダイに限って無効になったということか? いや、違うな……これは……“再定義(リフレーミング)”……ッ!」 


「“再定義(リフレーミング)”……?」


「後で説明してやる! 神様モドキめ、やってくれるッ! パパにトレーニングメニューの変更を伝えなきゃな……!」


 なんかわからないが、持ち直したようだ。


 既にレストランは生徒たちで賑わっていた。教師陣も混ざってトレイを手にテーブルに並べられたビュッフェスタイルの料理を見繕っている。


「セーダイ、お前はやはり見込みがある! いずれ私が研究所を立ち上げた際には助手として雇ってやろう! それでは私はパパと一緒に食べて来る! 行くぞ、ダルニャニニャン!」


「よしきた! 吾輩にもたらふく食わせるニャぁ!」


 長靴猫を頭に乗せて、ロミはグラハム先生の元へ駆けて行った。


「あぁ、ロミちゃん。お姉さんにお口ふきふきさせてください~~……」


 恋人に置いて行かれたみたいなポーズでよよよと泣くエリア先輩を、どうしようもない人を見る目でラヴィ先輩とレニー先輩が見下ろしていた。なるほど、突然ダメな人になったんじゃなくて前からなんですね。




 テーブルに着いて食事を始める一同――。


「皆、水着はちゃんと持って来たよね?」


「当然ですわ! わたくしの優雅さに似合うエレガントなものをチョイス致しました!」


 ラヴィ先輩は通販の購入画面をステナビに表示してドヤ顔で俺の顔の前に突き出す。可愛い水着だったが、何にドヤっているのかはイマイチわからなかった。


「私は部活動で使用している競泳用のものです」


「エリア先輩、水泳部だったんですか」


「水泳というかダイビングですね」


 ダイビング……。たしかオリンピックとかで見る、高いところから水に飛び込む競技だっけ? かっこいいな。俺なんかは想像しただけで縮み上がってしまう。別に高所恐怖症という訳ではないが、あんなアクロバティックな飛び込み方は見ているだけでも怖いよ。


 突然、山盛りご飯を食べていたシアがフォークを落とした。


「忘れ……ちゃった…………」


「ん? なにを?」


「水着、忘れちゃったああああぁぁぁ~~~~~~!!!」


 過去一デカイ声で絶叫するシア。


「落ち着けシア。えっと、ほら。多分、レンタルとかあるんじゃないか? 借りればいいじゃないか」


「も、勿論、貸し出しもあったはずです」


「でも……でも……、せっかく可愛いの、見つけたのに……ううっ」


 こればっかりはラヴィ先輩の強権でもどうにもならないようで無言のままアワアワしている。大事な思い出の1ページをお気に入りの水着で過ごしたいという気持ちは女心と言えど、俺にも理解できる。


「シアはどのような水着を買ったんですの?」


「男の子が喜ぶって教えてくれた水着で……」


「ほほぉ」


 レニー先輩がニヤついた顔をこちらに向ける。


「セパレートタイプで……」


「少し幼さの残る感じでしょうか。いいですね、可愛らしくて」


 エリア先輩が言うと危険な香りがするのはどうしてだろうか。


「白黒の縞々が横向きに入った……キャップもセットのやつだったのにぃ!」




「「「「 ん……? 」」」」



 全員が囚人水着のようなものをイメージしたんだと思う。綺麗に声が重なった。


「シアさん、レンタル! レンタルで可愛いのを探しましょう! 縞々水着以外で!」


「そそそ、そうですわ! このわたくしが見繕って差し上げますから! 白黒以外で!」


 皆で一斉にシアをフォローする。勿論、俺も参加した。

 しかし、変だ。シアは別に服のセンスがない訳じゃない。下着も可愛いの買ってたはずだ。一体どうして……。


「ぐすん……。皆、ありがとう。でも、男の子は白黒の縞々水着が好きって聞いたのにな。レニー先輩に……」


「「「「 お前かー!!! 」」」」


「あー……いやぁ、爆笑って意味の喜ぶって話をしたつもりだったんだけどねぇ。あは、あははは……」


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