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第15話

 その後、リリィはミヤと一緒に薔薇園を散歩したりお昼寝をしたりして時間を過ごした。

 リリィは傍で眠るミヤを見ていると不思議と不安だった心も和み、口元には自然と笑がこぼれていた。

 空がオレンジ色になる頃、リリィはミヤと一緒に屋敷の中へと戻った。

 ふとリリィがミヤを見下ろし「そうだわ。ミヤ、あなたは――」と、ミヤの飼い主はいったい誰なのかを聞こうとしたが、ミヤはどこにもいなかった。

 リリィは浮きながら周辺をキョロキョロと見回す


「いない……どこに行ったのかしら?」


 先程まで一緒だったミヤがいつの間にか消えていたことに、リリィは可笑しく思いクスクスと笑った。


「まるで、幽霊みたいね」

「へぇ〜。また、幽霊? 僕にも詳しく教えてよ♪」

「ぎゃっ!!」


 突然背後から声が聞こえてきた声にリリィは肩を上がらせながら驚く。リリィは慌てて振り返ると、そこにはニコリと微笑んでいるレオンが立っていた。


「レ、レオン様!?」


(心臓が口から出そうだったわ……ないけど……)


 透けている自分の胸を押さえ、ホッと息を吐くリリィ。


「……レオン様、いつお帰りに?」

「つい、さっきね♪」


 ニコリと微笑むレオンにリリィは苦笑いする。


「そ、そうですか……。おかえりなさい」

「…………」


 レオンは驚いた様子でリリィを見る。リリィは、何故そんなにレオンが驚いているのか分からず首を傾げていた。


(私、何か変なこと言ったかしら?)


「あの……?」

「え? あ、あぁ。ごめんごめん。そのぉ――」


 レオンは少し気恥しそうに自分の首に触れ、照れ隠しのようにリリィから顔を逸らし横を向く。リリィはそんなレオンの表情に内心驚いていた。


 いつもニコニコと微笑んでいる微笑み王子様なのに……こんな顔もするのね……)


 リリィはレオンの新たな一面を知れてなぜだか嬉しい気持ちになる。そんなリリィの気持ちを他所にレオンは気恥ずかしげに小さく呟いた。


「その……お帰りって言ってくれたのが、嬉しくて……」

「え?」


 レオンの言葉にリリィはキョトンとした表情になる。


(挨拶が嬉しい?)


「ふふっ、変な人。ただの挨拶ですよ?」


 口元に手を当て、クスクスと笑うリリィに「そう、だね……」と、レオンは呟いた。

 レオンの様子にリリィはまた驚く。いつもなら「そうかなぁ?」や「普通だよ♪」と、気楽に言うだろうレオンが、今日は違ったからだ。

 リリィはレオンの少し悲しそな目を見るとレオンの近くに寄り頭を優しく撫でた。

 当然、レオンはそれに驚いた。


「え!? なっ、何!?」


 レオンの驚く様子にリリィは慌てて頭からパッと手を離す。


「あ、す、すみませんっ! 何だか、泣きそうな顔をしていたので」

「……ふふ、あははっ」

「…………??」


 そこでなぜレオンが笑うのかわからず、リリィはレオンを見ながら首を傾げた。


「ほんと、君は最高だよ♪」

「えーと……」


(それって、どういう意味なのかしら……?)


 そんなことを考えていると、突然、レオンが「ねぇ、今からデートしようか♪」と、リリィに言った。


「え!?」

「ほら、行こう♪」


 レオンは上着から手袋をはめると、リリィの手首を掴み外に出たのだった。

 リリィはギョッとしながらレオンの名前を呼ぶ。


「ちょ、レオン様!?」

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