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「実はね、地下が一番、被害が大きいんだよ」

 堀は表情ひとつ変えず、そう述べた。

 確かに、階段にも死者がたくさん居る。見ていられない、何も出来ない。しかし何故? 地下より、地上の人口の方が多いはずなのに。地下はシェルターの役割を果たしてはくれないのか?

「じゃあ、なんでそんなとこに僕達は来ているの?」

「明さん達が居ると思うの」

 堀がそう思うのは、何故だろうか。

 直感にしては鋭過ぎる。

「なんで?」

「敵は、前回の反省も含め、地下から襲撃するって、耳にしたの」

「それがなんで地下に明さん達が居るという結論至ったんだ?」

「……話すと面倒臭いから後でね」


*


 さっき綾小路君の携帯でニュースサイトを見せてもらったら「謎の殺戮ロボット現る」なんてふざけた題名の記事があった。

 「謎の武装したロボット達が武装して街を徘徊し、人という人を殺しつくしてしまっています。危険です。直に安全な場所へ避難してください」とあったが、今現在この街に安全な場所など一切存在していないだろう。

 この事件は俺達の知っている言葉で言うところの「日本大殺戮事件」だ。

 AIが絡んでいる為、過去言われていた二千四十五年問題とよく照らし合わされる。実際その辺りに一度、AIが反逆しそうになったことはあるが、それは呆気なく収束を迎えた。それからは結構平和に共存してきた。

 俺達が知っているこの事件は、不満を持ったAIが一人の人間へ「人類は滅ぶべきだ。協力してくれたら殺しはしない。だから、人類を滅ぼそう」といった内容を言葉巧みに説明し、協力させ、人類を滅ぼしかけた事件だ。恐らく「地球を本来あるべき姿へ戻す最善の手段をお教え致しましょう」なんて言ってみせたんだろう。

 その一人の人間というのは、自然世界とその組織のトップに君臨していた相原という人間だ。高橋の本名と同じ名字で彼は嫌がっている。

 そして、もうひとつの組織が関わっている。フェニックスだ。

 自然世界がまた、フェニックスの人間を説き伏せ、AIの提供、殺戮に特化したロボットの製造を無理にさせられた。

 もちろん、自然世界の幹部の人間はほとんど逮捕され、死刑。フェニックスはそれに利用されたのだが処罰は受けた。

 今回の事件は首謀者の検討がつかない。しかし、よっぽどの相原信者だろう。

 誰だ。それに、何故この世界で再度実行しようとした?

 過去へ大量に未来の物を持ち込むのは厳しいはずだ。それにこっちのロボットは、現在と比べ、現在の技術を元にしても性能は劣るだろう。

 荷担している訳ではないが、この段階で滅亡させようとするならば、どれだけの時間がかかってしまうか。

 おかげさまで人口の減った現在で再度起こす方が良い(全く良くはないが)だろう。

 そう考えながら走っていると銃声が鳴り響き始めた。まずい。

 高橋、綾小路君、ひなたちゃん。助けてやりたいのは山々だが、唐突に飛び出して来たため、全員何処に居るか全くわからない。高橋に守ってやれとも言いたいが、あいつは今何処に居るんだ。

 ああ、どうかお願いだ、生き延びてくれ。

 勝手ながら俺は、元凶を仕留めに行く。

 でないと何も終わらない。恐らく、今回も数回に別けて日本を襲撃してくるだろう。この一回で確実に、終わらせなければ。

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