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玄関扉に穴が開いた。
正確には銃弾の穴が開いた。
状況を把握しきれていないのだが、僕は生きている。
生きた心地が全くしないが生きている。
心臓がバクバクだ。殺す気かよ。
いや、本当に殺す気だろう。
さっきスマホのアラートが鳴った。
画面をつけたら人類を滅亡させるという旨のメッセージが表示された。
もちろん僕は動揺したし、今も気持ちの整理がつかない。
夢であることを願いたいが、何度頬をつねっても痛い。
残念ながら現実だ。
しかし今手に持っているのはゴミ袋。
現実を受け入れきれていないのが丸見えだ。
扉に開いた穴から、玄関の前に誰か居るのが確認出来る。
確認は出来ないが銃を所持しているのは確かだろう。
初対面でいきなり銃を撃ってくるとは、なんて失礼なやつなんだコイツは。
それに、何故銃なんて物騒な物を持っていやがる。ここは日本だ。
どういうつもりだと、そいつの顔を一発殴ってやりたいが、絶対的に僕よりアイツの方が強い。
しかし一発銃を撃ってから、全く、何もしてこないのは不自然じゃないか? これ以上何も無いに越したことはないのだが。
死んだとは思っていないだろう。
僕が外へ出るのを待ち伏せしているのだろうか。それだと質が悪い。
明さんは、ついさっき慌ただしく、僕の家を出ていった。
明さんが僕のスマホで見ていたものは、履歴が消されており不明だ。
勝手な憶測だが、今銃を撃ってきた奴と明さんが見ていたものとは何か関係があるんじゃないか?
明さんがこっちに来てから面倒事ばかりだ。
溜め息をひとつ吐く。
殺されたくないが、息を潜めるのも面倒だ。
唐突にプツッと機械の音がした。
「はい。何でしょうか?」
扉越しに、声が聴こえる。推測するに、機械の声だろう。
「了解しました」
この声を境に、機械の声は一変した。
その音は、人によっては高い、低い、ゴムの擦れる音等、色んな意見が出るだろう。僕は金属の音に聞こえた。
耳障りな音だ。
それが何分続いただろう。十分にも、三十分にも、一時間にも感じるが、結局過ぎた時間はたった数分だろう。
その音がゆっくり止むと、遠退いて行く足音が聞こえた。
去った、のか?
安心は出来ないが、一段落はついただろう。
安堵の溜め息を吐くや否や、けたたましい爆発音に辺りが包まれた。




