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蜘蛛の復讐  作者: 凪竜
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五話

正直言いますと今回の話は駄作です(-o-;)

早い内にリライトするかも、、、

藤谷の死体を片付けるのには苦労した


床に着いた血痕を残さず拭き取り、遺体の腐敗をなるべく遅らせるようクーラーの温度を一番低い十三度にまで下げた後、冷蔵庫の中にに藤谷の体をそのまま運び入れしばらく冷凍庫にて保存するつもりだったが、僕は一人暮らしで冷蔵庫もそれほど大きい物を買っていなかった為、普通の人に比べて若干身長のある藤谷の体は腰や肘を折り曲げても流石に入りきらななかった


面倒だし溜まっていた生ゴミと袋に詰めて緒に棄ててしまおうか?


という考えが頭によぎったが、それはあまりにも馬鹿馬鹿しい思い付きだ。いくら何でも藤谷をゴミ袋に包む場合にはかさばるだろうし、成人男性の体重を抱えながら五階もの階段を降りる労働は二時間くらいしか睡眠を取っていない僕には正直こたえるだろう。

エレベーターを使えば労力の問題は解消されるが、誰かに鉢合わせした場合は最悪だ。運悪く見つかって言い訳なんかを上手くできない僕が仮にその場をどうにか凌いだとしても僕の不信な行動や言動はそいつの記憶にはっきりと残る。

万が一そいつが警察に聞き込まみされたら大変だ


バレてもすぐに口封じをすれば確実に情報は漏れないだろうが不用意な殺人は余計なトラブルと証拠を生む


それ以前にゴミ処理業者が回収の時に、死体に気付いた時点でアウトだ


今は夜だとは言え先ほどの騒ぎを聞いた者もいるだろう。

尤も近所の誰もが藤谷にはも関わりたくなかった様子なので好奇心による積極的な詮索はしてこないだろうが。

管理人が藤谷と関わりたくなかったという点も好都合だ。それにあいつは友人の家に泊まり込む放浪癖があったので、数日間行方が知れなくても誰も怪しまないだろう

ここら辺の所だけは藤谷の奴に感謝しても良かった。


もっとも、礼を言った所で本人は永遠に目覚めはしないだろうから意味は無いが


だから、死体は僕の部屋でしばらく保管する事にした


棄てるにしても処分するにしても時間を置きほとぼりが冷めるまで待った方が良い

あいつは性格上トラブルの種に事欠かないだろう。殺意を抱く人間が複数いてもおかしくは無い。今すぐに山の中に藤谷を埋めに言ったとしても車を持っていない僕には移動手段が限られてくる、夜中に大きな袋を担いだ人物は不審者として通報される恐れがある。そこで警察が来て事情聴取なんてされた日はそれこそジ・エンドだ


なるべく死体は分割して状況を見てから日を選んで目立たないように処理すればいい

そう考えると行動を起こすのは容易かった


風呂場に藤谷を引っ張っていき

台所からある物を持ち出してくる

先程のナイフなど問題にならない長さの刃渡りを持ったそれは主婦お馴染みの台所包丁だ


ふと藤谷の首に包丁の刃を当てながらある思いが浮かぶ


何故クズとは言え人を殺してしまったのにもかかわらず、僕はこんなに平然としていられるのだろうか


実際藤谷は殺されても仕方のないほどにマンションの住民から恨みを買っていたとなるとこれは本人の行いに対して当然の報いなのであり仕方の無い不可抗力なのだろう

だから僕がやらなくても誰かが藤谷を殺した筈だ

そう納得し腕に力を込める


“ごりっ”


死体の首の半端まで沈みこんだ包丁は一気に骨まで届き骨が刃によってなにかが擦れるような、なんとも言えない鈍い音がした

僕は刃の背に手を添えて再度全力で包丁を押し込むが首からの手応えは変わらずにそれ以上切断する事が出来なかった


「チッ」


事がなかなか運ばないことに舌打ちをする

果物ナイフより随分と刃渡りが長いとはいえ、ただの包丁と素人では人間の首を切り離すのは難しい


このまま死体を処理できずにいずれは殺人がバレてしまうのではないか?


根拠の無い焦りが僕の頭を埋め尽くす


しかし、その時何時かの日曜で見たホラー映画の一場面がビジョンとなって脳裏を通り過ぎる


そのとき僕の頭の中で何かが閃いた


あれを使うか


僕は寝室の押し入れに行き、しばらく使われていなかった埃を被った道具箱を見つけるために物色する

目当てのものはすぐに見つかった

幾つもの錆がついた小さな刃を規則正しい並べている道具は木材工作用鋸だ


風呂場まで戻り躊躇無く刃先を藤谷の首に当て、後ろに引く


“ギコ、ギコ、、、ギコギコ”


工作用鋸は本来望まれなかった役割を押し付けられながらも、背骨をぎこちない音を演奏しながら遅々とだが確実そして徐々にに骨を絶ち肉を裂き首を切断し己が持ち主に望まれた目的を果たしていく。

そして首と胴体が文字通り薄型一枚で繋がっている状態まで切れると鋸を引き抜き包丁に持ち替えて首に残った皮を綺麗に切りとる

丁度、図工で木材を切断した後に残る切りのこしを処理する時と同様に行う仕上げの要領と同じ


切り取った藤谷の首は血が垂れないよう新聞紙に包みビニール袋に入れ、冷蔵庫にて保管した


身体の他の箇所も先程と同様に細かく切断していく


腕、脚は根元から各間接ごとに


胴体はそのままに


生前に比べ随分とコンパクトになった藤谷をゴミ処理用の黒いビニールに無造作に放り込み袋の口を締めそれを再度ビニール入れる


この死体を包んだ二重の黒ビニールによりある程度の強度と隠蔽性を獲得した

これなら見られてもすぐにバレることは無いだろう


死体の入った袋一式を冷蔵庫に放り込みようやく一息ついた


バラバラに分割された藤谷が冷蔵庫に収まったせいで、スペースが足りなくなり床に投げ出された邪魔な食料を賞味期限に近いものから手に取る


玉葱、人参、卵二個、ベーコン一袋、act、、、


そのまま腐らせるのはもったいなかったので、他に適当にチョイスした野菜と冷凍保存したご飯と組み合わせてチャーハンを作る

二、三十分位の料理で炒めた野菜の香ばしい匂いと共に料理は出来あがった


作業と調理の後で体が疲弊していたけれど、殺しの後の緊張感と一仕事終えた後の疲労そして空腹感から、時間帯には午後11時の遅すぎる夕食そして今の季節はちょうど夏場の盛り。夜中だとしても十分に気温は高くいまだに暑いというのにも水すら飲まずに一気に貪ってしまった


“美味い”


ここ一日中なにも食事を取っていなかっただからだろうか?このチャーハンは以前食べたものよりも群を抜いて美味だった


ふと喉の渇きを覚え一週間ほど前に買い置きした二リットルの麦茶取り出し、直接注ぎ口から飲む


一気に飲んだ褐色の冷たい液体は喉に流れ背筋から脳天まで突き上げるような清涼感をもたらしてくれた


普段は自炊自体あまりしない僕だったけど、これほどまでに上手い食事が取れるなら毎日調理しても良いとまで考える


違う。特別に飯が美味しいのではない


死体の後始末という普段は決して行わない他人に見られるとマズいといった緊張感を同封した刑事法に触れた“作業”は今勤めているアルバイトなんかでは絶対に味わえないであろう心地良い達成感と疲労感を僕に与えたそのときの多大な精神的負荷の後で行う食事は疲れた心身に平穏と落ち着きを取り戻し、癒やしてくれるのかもしれない


他者と入らぬストレスを抱えながら行う作業がくだらない仕事だとしたら、今僕が感じている緊張感の後の程良い疲れこそ正当な労働の対価と言えるでは無いか?


「くくっ」


口から忍び笑いが漏れる

こんなに気分が良い感情を味わったのは何年ぶりだろうか?


そう考えが至る内に眠気で瞼が重くなる

きっと満腹感そして殺人を行ったストレス、死体処理の疲れなどが僕に束の間ではあるが安心感を与えてくれたのだろう


そう悟ると睡魔に抗う気力も失せ思考も少しずつ曖昧にぼやけていく


もう寝よう


その思いを最後に僕の意識はいきなり視界に暗幕を被せられた様にシャットアウトする






このとき、先の悪夢の事はすっかり頭に入って無かった


評価、感想ございましたら是非ともお願い致しますm(_ _)m

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