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蜘蛛の復讐  作者: 凪竜
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三話

一気に投稿します。一応一週間書き溜めていた奴ですが、誤字脱字が多いかも、、、

自宅に帰った後、痒いのを我慢しすぐさまシャワーを浴びる



約1日ぶりの行水は非常に気持ち良く体の汚れと一緒に疲労や痒みをも洗い流しているようだ


依然、謎の痒みは消えなかったが、悪臭は洗い流す事が出来た僕は満足だった


浴場から出た後その場に倒れ伏し眠ってしまいそうだったけど、此処で寝ると夏場で気温が上昇しているとは言え間違いなく風邪をこじらせるだろうから必死に眠気をかみ殺し寝室へ向かう


下着と申し訳程度にパジャマを着てすぐさま僕はベッドに倒れこんだ


上布団やタオルすらかけずに僕は眠りについた









久しぶりに夢を見た










夢の中


東京の街


たくさんの人混み


僕は一人で歩いている


僕以外全てはモノクロの世界


場面が切り替わる


辺り一面緑色ーーーーーーー樹海らしい


テレビでよく特集が組まれる自殺者が多いと聞くあそこだろうか?


そこを東京と同じ様に一人で進む


奥へ、奥へ


更に深い、日の光さえも届かない深淵へーーー


ふと、大木の前で立ち止まる


ーーー屋久杉だろうか?


その木の幹に何かがいる


蜘蛛だ。それも昨日殺したやつと同じ位の大蜘蛛


気付けば右腕には果物ナイフーーー大蜘蛛を殺した時に使用したのと同じ真っ赤なグリップの折りたたみ式ナイフが僕の右手に握られていた


振り上げたーーー何処に?


無論。大蜘蛛に向かって


ーーざくり。胴体部のド真ん中に見事命中


大蜘蛛がずるりと音を立て、巨大の異形が大木から落下する


何故かそこでふと反対側の大木が目に入る


大蜘蛛。ーーー先程と寸分違わぬ、同じ光景


再度ナイフを振り上げる


胴体に風穴を開けられ樹海の地面に落ちる大蜘蛛。ーーーこれも全く変わらない


また、別の大木をみる


大蜘蛛ーーー煌めくナイフーーー落ちる巨体


そして、別の木を見る


結果は同じーーー落ちる蜘蛛


それをエンドレスで繰り返す


何十の蜘蛛が地面に落ちただろうか?


築けば樹海の深緑色の絨毯が大蜘蛛の死骸で覆われている


僕はそれを無表情に眺めていた


それに異変が起きたのはすぐだった


何十何百と積み重ねられた蜘蛛の骸の絨毯の隙間から、朝見た薄茶色いモノが這い出てきたのだ


今朝僕に噛みついたイエグモ


大きさも昨日のあれと同じ


だが今度は一匹だけでは無かった


黒い大蜘蛛の死骸が茶色い絨毯に覆い尽くされたかの如く何百、何千という数では到底及ばないイエグモの大群に蹂躙されたからだ


彼らは食べていたーーーー何を?


当然、イエグモ達が蹂躙している大蜘蛛の死骸をだ


細長い八本脚を支柱にし、腹だけを上下に蠢かせてイエグモ達は“食事”をしていた


そのおぞましい茶色の海の中で、


僕は逃げようとすらせずにただただ震えていた


やがて、イエグモ達の動きが止まった


食事が済んだのだろう


そして暗い暗い森の中で輝く何万という眼が僕の方向に向く


その内の一匹が僕に飛びかかった


「ひっ・・・」


反射的にそいつを振り払う


しかし服に付着した巨大なイエグモはその一匹だけではなかった


見ると、服にーーーズボンに袖に襟に所々取り付いていた蜘蛛達


「来るな・・・」


衣類の上だけではなくシャツの中にも入っている蜘蛛


痒い


カラダが痒い


全身が痒い


細かい毛の生えた小さい脚に体中を掻き回され痒い


同時に顔まで這い上がって来たイエグモが僕の口から侵入してくる


構わず蜘蛛だらけの腕で顔を払おうとした次の瞬間


その手にしがみついていた蜘蛛達が茶色一面の滝となって僕の頭に降り注ぐ



「ーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」



僕の声にならない叫びが大声として喉から変換されていた








夢から覚める


熱病に浮かされたかのように体中から汗が吹き出る

全身が生暖かく水気を発しており気持ちが悪かった


と、同時に口の中に違和感を感じた


睡眠した後に口が乾く現象だと思ったのだが、舌に触れる感触はどうみても歯ではない異物だった


まさか


構わずそれを床に吐き出す

唾に混じって排出されたそれは


「嘘だろ?」


それは虫の脚だった

僕は虫なんかを料理して食べる習慣はない

ましてや昨日は何も食べていない


虫を使った料理と言えば知っている限りではイナゴや蜂が代表的だ


ではこの脚は何なのか?


ちょうど心当たりはあった、しかもさっき見た夢の中で


そしてそうと気付きたくなかった


その事実を認めてしまったらーーー



「っぷーーーー」


吐いた


吐く


吐く


吐く


吐き続ける


胃の中の全てを吐き出すまで


あれは只の悪い夢だったのではないのか?


脳裏を埋め尽くす無数の疑問

混乱し現実を半端拒否しかける


だが一番納得出来ない点


それは、


「なんで」


深い疲労と共に言葉を吐き出す


「僕だけが酷い目に遭うんだ、、、」


それは不条理


「昔からそうだった。クラスメートは僕を臭いと嫌い、デブと蔑み、人間のように扱われなかった」

僕が世界に対して溜め込んだ不満


「僕と同じデブもいた。だけどあいつらはちやほやされて僕ばかりがいつも無視される」


僕の他者への憎しみ


「クラスメートばかりじゃない。先生も、近所のババァ共も」


それが先程の悪夢による不安で解放される


「実の親だって、そうだった!」


憎しみの重油に点火する


「一体僕の何処が悪いんだ!

人より少しばかり太ってるからか?

成績が悪かったからか?

兄弟より出来が悪かったからか?

それとも20歳までニートだったからか?」


感情が止まらない


「少しくらい他人より劣るからってなんでこう不平等なんだ?

僕ばかりがこんなに不幸にあってよい筈が無いだろうが

不幸になるべき屑は他にもいるッ!」


そこでここ数日の出来事ーーーー神社で見つけた大蜘蛛を惨殺したこと、その後に謎の痒みを覚え今も治らない事、夜に隣がうるさくて眠れなかった事、寝不足にも関わらずバイト先で仕事を押し付けられた事、先程の悪夢


「それなのになんで僕ばかりこんな事になるんだ!だいたい蜘蛛を殺したことだって他の連中に行くはずの不幸が僕に回ってきたからストレスのはけ口の為には仕方の無いことだろう。バカな蜘蛛が祟るべきはバイトの山城だろ!」


頭の中で憎き山城とお付きの雌豚である上田、松木の顔が嘲笑を僕に向けていた。僕は架空の奴らに向かって憎しみを込めた視線を焼き付ける


その時


「ギャーギャーうるせえんだよデブ!」


玄関のドアが乱暴に叩かれている


隣の部屋のあいつだ

僕はストレスと痒みでくらくらする思考を深呼吸で落ち着かせようとする

だがドアを叩いた訪問者は忍耐が切れているらしく再びドアが激しく叩かれる


「おい!早く開けろよ!開けて出てこい!」


叫び返したい衝動を押さえながらも、結局は後の仕返しを恐れた僕は、負け犬の様に暗く沈んだ眼差しで虚ろにドアを見つめて小さな声で愚痴る


「五月蝿いのはお前だろ」


そう呟く事しか出来ない僕は僅かに躊躇した後、カチャリと音を立て憂鬱な気持ちで鍵を外した


是非とも感想、評価お願いしますm(_ _)m

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