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True Mind  作者: 青山洋
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一寸の光


-6-


「……っ」

 気づいたには、俺はベットで寝ていた。

 湿布臭い真っ白な部屋をみて、ここは保健室なんだと気づいた。

 俺は確か……屋上で弁当を食べて……空を見上げて……誰かと話して……誰かと?

「あ、起きた」

「わっ」

 職員机のすぐ近くにいた奴が、俺に声をかけてきた。

「いきなり倒れたからびっくりしたよ。大丈夫」

「……ああ」

 ……俺はその子の顔をみても、誰なのか思い出せなかった。

 何処かでみたことあるような顔なんだけどな……

「もう頭、大丈夫?」

 そう言われて、後頭部を触ってみると、別に異常は無くさらさらの髪の感触しかしなかった。

「大丈夫みたいだ」

「よかった」

 そういったあいつは、あさっていた薬箱を閉まった。

 華奢な体に似合わない落ち着きさを纏っていて、どこか頭の中で引っかかったりした。

 そこで俺は、違和感を感じて正直に聞くことにした。

「なあ」

「うん?」

「君って誰だっけ」

「え?」

 女の子の動きが止まった

「どっかでみた気がするんだけどな」

「……」

 それを聞いた彼女は、何も言わずこっちにきて、俺の上で馬乗りになった。

 そして、上から肩を押さえつけて、俺の身動きを取れなくした。

「おい、どうしたんだ」

「私は……」

 奴は表情は変わらず落ち着いていたが、体全体から何か鬼気迫るものを発しているように見えた。

「私の名前は、梶原結花。性別は女性。好きな食べ物はリンゴで嫌いな食べ物はキムチ。座右の銘は有言実行で、スリーサイズは上から順に」

「あー、分かったから放せって!」

「……思い出してくれた?」

「あ、ああ」

 実は全く思い出せなかった。

 だが、一端落ち着かせるためにそう言った。

「なんだ、また調子が悪いのかと思って驚いたよ」

「また?」

「ううん、なんでもない」

 そういった結花は俺の上から降りて、隣のベッドに腰を降ろし窓の外を見た。

「ねえ見て、もう夕方だよ」

 そこには夕焼けでオレンジ色に染まったグランドがあった。

「さっき、青空が好きって言ってたけど。夕焼けはどうなんだ?」

「もちろん好きだよ。なんか一日が終わるんだな……って感じがして。それはちょっと寂しいけど、終わりってものがあるから、美しく感じるんだと私は思うんだ」

「終わるから美しい……か」

 俺は、もしずっと空が青いままだったら、多分どんなに素晴らしくても飽きていただろうと思った。

 青空があるから、夕焼けを美しく思える。

 夜があるから、朝のよさを知ることも出来る、

 そう思った俺は、結花にこう言った。

「そうだな。空も人間と同じで、色んな奴がいるから、魅力的に見えるものもあるんだな」

「そうだね。私もそう思う」

 結花がどこか寂しげに答えた。

 その姿を見て俺は、一つ思い出したことがあって、あいつに聞くことにした。

「……話が変わるが結花。俺が屋上で倒れたのは分かったが、どうやってここまで運んだんだ」

「私が背負って運んだんだよ」 

 ……怪しい。結花の小さな体で俺を運ぶのは無理なはずだ。

 絶対何か隠している。

 そう思った俺はあの屋上には、何かこの世界のヒントが隠されているのではないかと推測した。

「そろそろ帰ろうか?」

 そういった結花が、自分のかばんを取るために後ろを向いてしゃがんだ。

 今がチャンスだ!

 それを見た俺は、一目散にベッドから飛び出して、この場から逃げだした。

「あ、待って!」

「悪いが、行きたいところがあるんだ!」

 そう言って俺は保健室を飛び出して屋上へ向かった。あそこにいけば、また何か思い出せるかもしれない。


 俺は、このチャンスにかけることにした


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