父の眼差し、受け継がれる鋼
村の境界、古びた石造りの門。
そこには、一人の男が腕を組んで立っていた。カイルの父親であり、村で最も恐れられる狩人、ガルドだ。
「……親父。」
カイルが身構え、荷袋を握りしめる。また罵倒されるのか、あるいは連れ戻されるのか。
だが、ガルドの視線はカイルを通り越し、その後ろに立つユーマの「瞳」をじっと見据えていた。
「村の奴らは、その目を『呪わしき異能』だと抜かしているが……。俺の目は誤魔化せねえぞ、ユーマ。」
ガルドがゆっくりと歩み寄る。その手には、毛皮で包まれた二つの武具があった。
「俺は狩人だ。獲物の傷口を見れば、それが呪いか、あるいは死ぬ気で積み上げた『泥臭い技術』かくらいは判別がつく。あの熊の眉間……あれをブチ抜いたのは、ただの運じゃねえ。……そうだろ?」
ユーマは無言で、しかし逸らさずにガルドの視線を受け止めた。知力28の頭脳が、ガルドの中に「敵意」ではなく「深い敬意」があることを瞬時に読み取る。
「これを持って行け。……呪いとやらで、村の連中を見返してこい。」
ガルドが差し出した包みの中には、鈍く銀色に光る「狩人の特製短剣」が入っていた。
それは、彼がかつて都の腕利きに打たせた、村の既製品とは一線を画す業物だ。そしてもう一つ、カイルにはずっしりと重い「黒鉄の戦斧」を突き出した。
「カイル、テメエのその動き……ユーマに感謝しな。この斧は俺が昔使っていたもんだ。並の魔物の皮なら紙同然に切り裂く。……その『呪い』を笑う奴らを、実力で黙らせてくるんだ。おばあ様のことは、この俺が命懸けで守ってやる。」
「……親父……ッ!」
カイルが戦斧の柄を握りしめる。初めて、父親に自分の「努力」と「歩む道」を認められた瞬間だった。
二人は一度だけ深く頭を下げ、村の門をくぐった。
振り返れば、冷たい視線を送る村人たちの家々が見える。だが、彼らの前には、どこまでも続く「影の森」の深淵と、その先にある未知の世界が広がっていた。
「……行こう、カイル。ここから先は、今までとは次元の違う『努力』が必要になるぞ。」
「ああ、分かってるよ。テメエのその気味悪い目に、置いていかれない程度にはついてってやるよ!」
ステータス:ユーマ(第10話・旅立ち時)
名前: ユーマ(高橋 悠真)
ジョブ: なし
LV: 13
【能力値】
HP: 62 / 62
MP: 18 / 18
力: 14
敏捷: 16
体力: 15
知力: 28
魔力: 5
運: 5
【装備】
狩人の特製短剣(NEW): ガルドから譲り受けた業物。物理・魔法伝導率ともに優秀。
黒角熊の腰袋: 採取アイテムの劣化を防ぐ。
【スキル】
パッシブ: 忍耐 LV2、精密演算 LV1、隠密歩行 LV1
アクティブ: 生活魔法、衝撃、魔力の糸
固有: 努力の魔眼 LV3(共鳴・シンクロ)
【称号】
限界を越えし者
村の異端児
恩を忘れない者
「狩人の志」を継ぐ者(NEW): 武器を用いた際の急所的中率にボーナス。




