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WHITE LIE  作者: うさぎさん⭐︎
エピソード1 過去視(トラウマ)のダーク

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4/15

4 三日月の下、告げられた依頼

 ケイオスはベッドに横になっていた。ようやく、夜になった。起き上がろうとする──。

「ああ~ん、待ってぇ」

 背後から白い手が伸びてくる。まだ横になった状態だったケイオスは、ベッドの上で、後ろから女に抱きつかれている格好になる。

「私が慰めてあ・げ・る♡」

「……まだいたのか、鬼畜」

「あーん、お・こ・ら・な・い・で♡」

「そのバカ丸だしな声をやめろ」

「私の依頼を聞いてくれたらやめてあげる♡」

 舌打ちし、ケイオスはメモリアを無視して起き上がり、窓辺へ歩いてゆく。

 窓の向こうに、鎌のような赤い三日月。

「……こんな気分だったのか」

 メモリアはベッドに腰かけ、息を吐く。

「何が?」

「俺に、過去を言い当てられた奴ら」

 過去視で酷い目に遭ったのは、何もヘヴンが最初じゃない。

 過去を暴き敵を陥れる──そんなふうに考える奴がいくらいても、おかしくはない。

「大したことねぇよな、俺の過去視なんて」

 珍しく気弱に呟いて、ケイオスは喋りすぎたと思ったのか、口を閉ざす。

「そうね。確かに私のほうが、ずっとすごいわね? 私別に、あんたの過去調べても、傷なんで負わないし。ま、別に私の場合はデータ読んだだけで、あんたみたいに追体験──というより誰かと一体化して、過去を視られるわけじゃないけどね」

 メモリアは、脚を揺らしながら髪を払う。

「……私ね、兄がいるの」

 ケイオスが振り向く。

「……兄を、助けて欲しいの……」


「……どういうことですか」

 ヘヴンは驚える声で訊いた。

「言ったとおりだ。この女の依頼を受ける。

 明日にでも出発する。しばらく帰らない」

「……っ、ボクも行きます‼︎」

「来るな」

 リビングに、三人はいた。

 ダイニングからヘヴンの作ったクリームシチューの匂いがしていた。

「それは……探偵としての依頼ですか、それとも<過去視トラウマのダーク>としてですか」

「……後者だ」

「なら──、ボクも同行する!」

「ヘヴン」

「……ケイオスは言ったね? もうダークとしては生きない。過去視はしない。

 その約束を……破るの?」

 メモリアを睨む。

「こんな女のために……」

「……」

「ボクは、行く!」


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