舞台設定~春若、高宮とは~
これもノーAIです。
これについては解説というよりは対応表に近いです。
これも冒頭に置いといて、登場人物紹介とともに常設しておきます。
そもそも本作のタイトル「ハルワカのうた」のハルワカとは舞台となる「春若町」のことである。ちなみに、「うた」に大した意味はない。
本当のところを説明すると、約二十年前、当時某レンタルショップで借りてきた、GOING UNDER GROUNDのシングル「スタンド・バイ・ミー」(三ツ矢サイダーのCMソングになっていた、と言ったら覚えている方もいるだろうか?)のカップリング曲「ムサシノ天使の詩」から拝借した。この曲が特段好きだったわけでもなく(いい曲だとは思うが)、GUGが大して好きでもなく(いいバンドだとは思うが)、要するに、「手元にあったものからパッと決めた」だけなのである。
しいて言うなら、「前書き」で触れたが、ちょっとファンタジー要素を入れていた時期があり、その頃はヒロイン(茉衣子ら既存のキャラではなく、現存しないキャラクター)が「天使」という属性があったため、それに掛けて「ハルワカ天使のうた」だったが、ファンタジー要素を撤廃した時に、タイトルからも「天使」を削除したのだ。で、特段の意味がなかった「うた」だけが残ったわけだ。
なお、「ハルワカ」は当然ながら舞台となる地名をそのまま頂いたが、地名としての「春若」もいかにして名付けたかも忘れた。苗字としても実在するらしいが、特に関係はない。むしろこの文章を書くにあたり調べて実在することを知ったほどだ。
さて、春若町という場所自体は、たぶん日本中探してもどこにもない……と思っていたら山口県萩市に実在するらしいのだが、なんにせよ、この「春若町」は少なくとも萩とは無関係の架空の地名だ。
「町」ということは、じゃあ、ナントカ県ナントカ郡にあるのか?と言われると、高宮県高宮市にある。……高宮郡だったが、平成の大合併で高宮市に合併した結果、「高宮市春若町」としてその名を残したという、割とリアル寄りの設定だ。ついでに言っておくと、高宮市そのものは高宮県の県庁所在地という設定だ。
実は、高宮とか春若という地名自体は架空だが、モデルとなる場所自体は存在する。いや、ほぼ「そのモデルとなる場所」そのものであり、ぼかすために名前を変えているだけ、にも近い存在だ。……本当は、現実の「そこ」から設定変更した点もあり、完全にそうではないのだが。
即ち「高宮市春若町」には、具体例を挙げると「神山市 ≒ 岐阜県高山市」(古典部シリーズ/氷菓)、「美濃田茂市 ≒ 岐阜県美濃加茂市」(のうりん!)、「稲穂県ミドリ市 ≒ 広島市」(ズッコケ三人組)のようなモデルが存在するわけである。
さて、高宮市のモデルは、長崎市である。すなわち、高宮県のモデルも長崎県である(ホントは佐賀県西部も含めた上に、福岡県と隣り合っている設定になっているが。佐賀県の皆さんすみません)。
で、春若町のモデルはというと、西彼杵郡長与町である。
ん?と思った方も、中にはいるかもしれない。
長与町は長崎市とは別の町である。しかし、春若町は高宮市の一部である。どういうことかというと、要は「架空の合併まで加えてしまった」わけだ。ちなみに、高宮市そのものは「長崎市+長与町+時津町+多良見町(諫早市)」を含めた範囲に相当する、人口五十万人弱の都市である。実際の人口も、たぶん、足し合わせたらその程度の人口になるはずだ(ちょっと減っているかもしれないが……)。
まあ、基本的には長崎のことを知らない読者にも気にせず楽しんでいただけるはずなのだが、あくまで「気になる方」向けに、高宮の地名を、実在の地名(主に長崎)に直すと何になるのか?ということを説明したいと思う。東京を舞台にした話よりは、距離関係とか位置関係はわかりにくいだろうからね。
では、以下、一覧(対応表)及び解説に移る。気になる方だけ参照いただければと思う。ちなみに、具体的な実在地名の位置であるとか、それら同士(もしくは福岡などの作中でも実名で登場する地名との)距離が知りたければ、Google Mapなどで知らべていただければと思う。そこは完全に興味がある人だけでいいので。
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・高宮⇔長崎の地名対応表
高宮(架空)の地名 ⇔ 長崎(実在)の地名 ・ 初出 ※注釈
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高宮県 ⇔ 長崎県(+α) ・ 第一話 ※1
高宮市 ⇔ 長崎市(+α) ・ 第一話 ※2
春若町 ⇔ 長与町 ・ 第一話
久世 ⇔ 高田郷(長与町) ・ 第一話 ※3
春若栄久高校 ⇔ 某県立高校 ・ 第一話 ※4
大門 ⇔ 榎の鼻(長与町) ・ 第三話 ※5
きゃろるすとりーと。 ⇔ 中通り・観光通り(長崎市) ・ 第三話 ※6
名知 ⇔ 滑石(長崎市) ・ 第三話
北橋市 ⇔ 諫早市 ・ 第三話
タバスマイルたかみや(タバスマ) ⇔ みらい長崎ココウォーク(ココウォーク) ・ 第四話
南町 ⇔ 野母崎(長崎市) ・ 第四話
宮川 ⇔ 住吉または浦上(長崎市) ・ 第四話 ※7
久世栄久校下電停 ⇔ JR高田駅 ・ 第四話 ※8
島本市 ⇔ 島原市 ・ 第四話
笠木山市 ⇔ 嬉野市 ・ 第四話
山王 ⇔ 山里または浦上(長崎市) ・ 第五話 ※9
帰去来 ⇔ 本川内郷(長与町) ・ 第六話 ※10
唐人町 ⇔ 新地(長崎市) ・ 第六話
鰻島 ⇔ 樺島(長崎市野母崎) ・ 第六話 ※11
平島市 ⇔ 平戸市 ・ 第七話
松丘 ⇔ 吉無田郷 ・ 第七話
菊水寺町 ⇔ 時津町 ・ 第七話
シャインヒル ⇔ サニータウン(長与町) ・ 第八話
秋葉町 ⇔ 三和(長崎市) ・ 第十一話
注釈
※1:長崎県に、佐賀県のおおよそ杵藤・伊万里地区を合わせた区域。
※2:長崎市に、西彼杵郡長与町・時津町、諫早市多良見町を合わせた区域
※3:本作の主な舞台であるアネックス久世の所在地はは高宮市春若町久世三丁目三の一二。また、春若栄久高校は同じく久世二丁目一七の一。
※4:栄久自体は私立。なお、位置関係が「そこ」になっているだけで、実在の県立高校とは一切の関係はない(なので名前も伏せた)。
※5:具体的には嬉里郷皆前から吉無田郷内園にかけて。ハルうたにおいてはここに商店街があり、千宥の従姉が経営するブティック兼雑貨店の「リリーベル」がある。
※6:長崎市・中島川東側の、八幡町から銅座町にかけての合計1.3キロの通り。
※7:最も広義の「宮川」は長崎市で言う広義の「浦上」全体をさすが、現代の市民の感覚で言う「宮川」は長崎市で言う住吉界隈を指すことが一般的。高宮電鉄の宮川電停も長崎電気軌道の住吉電停に相当。
※8:高宮電鉄とJR長崎本線の関係については「鉄道網」の解説を参照。
※9:浦上は浦上でも、「宮川」がより広い浦上を指すとするなら、「山王」はどちらかというとその中央部、山里とも呼ばれる地域、もっとわかりやすくいえば浦上駅を中心とする地域を指すことが多い。そして、作中に登場するJR山王駅も、当然ながら長崎で言うところの浦上駅に相当する。
※10:JR本川内駅があるあたりだが、高宮市の世界線においては帰去来駅を含む高宮本線旧線は廃線済み。
※11:長崎市野母崎樺島町。ちなみに、中心部に、この樺島をルーツとする「樺島町」があるが、高宮市にもそっくり同じ場所に「鰻島町」が存在する。ちなみに、オリジナルの方の鰻島の住所は「高宮市南町鰻」。
・高宮の交通網
まず、長崎県(+佐賀県西部)の鉄道網と言えば、
①西九州新幹線
JR在来線
②長崎本線
③大村線
④佐世保線
⑤筑肥線の一部
⑥松浦鉄道
⑦島原鉄道
⑧長崎電気軌道
がある。
これらが高宮だとどうなるか?という話をしていく。最初は、高宮市から遠く、北橋(諫早)より東の話をざっくり片付ける。「北橋(諫早)」としている通り、括弧書きを、実際の地名として扱う。
①西九州新幹線
武雄温泉から長崎まで開業し、武雄から先が色々紛糾しまくっている新幹線は高宮の世界戦においては、現行の開通区間も含め、「そもそも着工されていない」設定とする。
ただし、滝野温泉(武雄温泉)~笠木山温泉(嬉野温泉)~野儀(彼杵)を結ぶ路線を在来線として建設し、ここを「高宮本線」とすることにする。
②長崎本線
実際の長崎本線は、鳥栖で鹿児島本線から分かれ、佐賀、江北(旧・肥前山口)、肥前鹿島、諫早、長崎となっている。JR高宮本線は矢高(鳥栖)で鹿児島本線から分かれ、小田山(江北)の手前で福岡県から高宮県に入り、その小田山で線路が二手に分かれる。小田山~北橋の梶松(肥前鹿島)経由はJR梶松線として、高宮本線と別の路線という扱いにする。まあ、いわゆる「有明線」ルートがそのまま独立した形である。
③大村線
野儀~北橋が高宮本線となるため、残る旭町(早岐)~野儀、宗(川棚)経由はJR宗線とする。
④佐世保線
同じく、小田山~滝野温泉が高宮本線となる。残る滝野温泉~仙波(佐世保)がJR仙波線に。
⑤筑肥線
いわゆる筑肥西線。JR今里線。高宮県今里市=佐賀県伊万里市。
⑥松浦鉄道
今里~粉田(有田)は上記のJR今里線の一部とし、今里から松沢(松浦)経由で仙波に向かう路線は、実際と同じ第三セクターの松沢鉄道とする。
⑦島原鉄道
こういう田舎にそこそこの都市とJRを結ぶ地方私鉄って、意外とないような気がするので、無視して高宮の世界線ではJR島本線とすることにした。
……ここまでざっくりと話すつもりだったが、意外と時間がかかってしまった。まとめると、以下の通りとなる。
・高宮本線:矢高(鳥栖)~笠木山温泉(嬉野温泉)~高宮(長崎)
・梶松線:小田山(江北)~梶松(肥前鹿島)~北橋(諫早)
・仙波線:滝野温泉(武雄温泉)~仙波(佐世保)
・宗線:旭町(早岐)~宗(川棚)~野儀(彼杵)
・今里線:照田(唐津)~今里(伊万里)~粉田(有田)
・島本線:北橋(諫早)~島本港(島原港)
・松沢鉄道:今里(伊万里)~松沢(松浦)~仙波(佐世保)
※高宮の世界線においては福岡県内にあたる照田線(唐津線)の説明を省略したが、路線図には掲載した。
ここからが本題、主に長崎本線の長崎近郊と長崎電気軌道が、高宮本線と高宮電鉄としてはどうなるか?というところだ。
まず、長崎本線は、諫早~喜々津、浦上~長崎が複線、そして、その間は単線である代わりに二ルートに分かれるのは有名だろう。いわゆる長与経由が古くからあり、そこの複線化が困難だったため、新たに市布経由が建設されたわけだ。
高宮本線においても途中までは同様の経緯をたどるが、高宮本線の高速化を新幹線以外ではかるべく、市布経由に相当するルートを複線化するものとした。
そして、これは自分でもユニークだと思うが、長与経由に相当する旧線の一部を用い、ライトレール化、という設定を考えた。富山港線みたいな感じで。
高宮という架空都市は、実際の長崎をかなり流用しながらも、この辺は割とオリジナル要素が大きい。すなわち、喜瀬屋(喜々津)~山王(浦上)の新線側を複線化し、のちに春若(長与)を経由する旧線はその多くの区間が廃線となり、春若~越路(道ノ尾)のみが高宮電鉄の路線としてLRT化された、というわけである。
高宮電鉄は少なくとも線路だけで言えば長崎電気軌道をほぼ踏襲するが、実際には赤迫で終点になるのに対し、かつて計画された滑石までの延伸が実現し、さらに前述の春若までのLRTを加え、郊外方面に長く延伸し、更に二手に分かれる、というのが高宮電鉄と長崎電気軌道の違い、というわけである。
最後に、第五話などで登場する高宮行き特急「うみねこ」のモデルは当然ながらかもめである。




