表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ワンダーランド・ボーイ  作者: 櫻木サヱ
試練と確信

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/50

The Place Where Names Are Called 

迷宮の回廊を抜けると、月光に照らされた広場が広がっていた。

石畳の上に映る影は、まるで自分の心を映す鏡のように揺れ、夜風がささやくたびに心の奥のざわめきが波紋のように広がる。


「……ここが、名前が呼ぶ場所か」

アレンは小さくつぶやき、深呼吸をする。

これまで迷宮の中で感じた不安や迷い、焦り――それらすべてが、この静かな広場でゆっくりと落ち着いていくようだった。


広場の中央には小さな泉があり、月光を反射してキラキラと揺れていた。

水面に映る自分の影を見つめ、アレンは静かに心の奥で名前を呼ぶ。

それは誰かに向けてではなく、自分自身に向けられた呼びかけ。

迷いながらも前に進もうとする自分への、小さな励ましのようだった。


「……俺は、ここで立ち止まらない」

微かに笑みを浮かべ、アレンは心の中で誓う。

名前を呼ぶ力は、孤独の中でも確かな支えになり、

迷宮の奥にどんな影が潜んでいても、胸の奥の光が消えない限り進める――そう信じられる力だった。


泉の水面に映る影は、まるでこれまでの旅のすべてを映すかのようだった。

ホワイトの慌ただしい姿、マッドの奇妙な言動、チェシーの謎めいた微笑――

すべてがアレンの心に刻まれ、迷宮を越える力に変わっている。


アレンはそっと息を整え、手を差し伸べることもなく、ただ心の中で名前を呼び続ける。

その声は静かに、でも確かに、胸の奥で波紋のように広がり、迷いや恐怖を溶かしていく。


「……前に進むんだ、俺」

決意を胸に、アレンは広場を抜け、揺らめく扉の前に立つ。

迷宮の先に何が待っていても、名前を呼ぶ力と胸の光を信じる――

その想いが、彼を確かに導いていた。


広場の月光が揺れるたび、アレンの影も揺れる。

孤独の中での静かな誓いは、迷宮の闇を照らす小さな光となり、

彼を次の冒険へと押し出していく――


そして、アレンは一歩ずつ、確かな歩幅で、扉の向こうへと進んでいった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ