◆episode.04 もう戻らないぬくもり◆
どれくらいの時間が流れたのだろう…。
でも、そこから動きたくなんてなかった。
彼女のぬくもりを忘れてしまいそうで…
彼女がいたことを否定されてしまいそうで…。
シアが光へと溶けてしまったその部屋で、
俺はただただ…泣き続けた。
認めたくなかった…。
彼女はまだ、どこかにいるんだと、思いたかった…。
「あぁ…ああ…あああぁぁぁ……」
でも枯れることなく溢れる涙は、それを認めているようで…
認めたくない俺を俺自身に否定されてるようで、
それが余計に悲しかった…
許せなかった…自分自身が。
「違う…違う!!!!!
彼女は…シアはまだ…っ!!!!」
主のいなくなった部屋で、
自分を否定するように…真実を否定するように…
ありったけの声で叫んだ。
「シアは…シア…は……。」
でも、否定すればするほどに、彼女のことを考えるほどに…
目の前で、光の粒となって消えた、彼女の『あの姿』が、
現実味を帯びてくる。
頭が変に冴えてくる…。
あれが、真実なんだと…。
「…約束…したじゃないか…。幸せな家庭をいつか作ろうって…。
なぁ…? そうだったよな…? シア…。」
それでも、やっぱり認めたくなくて…
もう二度と返ってくることのない問いを、
ただ力なく虚空へ投げかける。
「シア…。…シア…シアぁぁぁああああ!!!!!」
どうしようもなく溢れる感情が…
会いたくても、もう会えないという痛みが…
とめどなく流れる涙と叫びとなって、一気に溢れ出た。
………
……
…




