契約完了
翌朝、志信とシリエルの2人は宿を出て冒険のギルドへと入って行った。当初2人が入ってくると中に居たギルド役員や冒険者達がザワついていた。
無理も無い、昨日あれだけの大立ち回りを演じ剰え副ギルド長でありSランクの冒険者であるロナルドを半殺しにしたのだ。事情を知らない人から見れば、志信はレベル61以上の実力者でギルド幹部クラスの力があると思われているのだ。
そんな複雑な視線の中2人はギルド長のタンクス達が待つ部屋へと通された。
「失礼します。お2人がお見えになられました。」
「通せ」
「はい・・・・」
部屋に入ると昨日とは打って変わって、和やかとはいかないが堅苦しい雰囲気も無く紅茶とお菓子まで用意されていた。
「あれ?今日はスキルは使わないの?」
「お前さんには効果が無い様だしMPの無駄使いはしたくねぇんだよ」
「別に効果が無い訳じゃないんだけどなぁ」
「その割には余裕の表情に見えたが?」
「ただ単にポーカーフェイスが上手いだけだよ、一応・・・威圧軽減のスキルはあるしね」
「いくらスキルを上位のEXまで上げていてもレベル差で普通意味が無いんだがなぁ・・・・」
「へぇ・・・そうなんだ。因みにタンクスさんってレベルいくつなんですか?」
「もうタンクスって呼び捨てで構わないぜ、まぁレベルは241だな・・・・」
「うわっ!レベルって上限無いの?200越えの人っているんだぁ~へぇ・・・・・」
「なんだよ、どうせお前さんもそんくらいんだろ?」
「へっ?私?私のレベルは1だよ?」
((!!!!!!!!!!!!?????))
「ブッフーーーーーーーーー!!!!?」「ゴホッ・・・・うっカハッ・・・・ゴホゴホッ」
志信のレベルを聞くとタンクスとロナルドは飲んでいた紅茶を盛大に吹きこぼし咽ていた。
「もう、汚いなぁ・・・・顔にちょっとかかったじゃないか!エル、ハンカチはいる?」
「あぁ・・・すまない・・・」
2人はタンクス達の驚きを気にもせず、淡々とハンカチを取り出し紅茶のかかった所をゴシゴシと拭いていた。
「まてまてまてまて!今のは冗談だよな?昨日の俺の話に対しての当て付けか何かなんだろ?」
「まさか!そんな事する意味無いじゃん、なんなら魔道具で嘘かどうか調べる?」
そう言われてタンクス達は魔道具を借りて何度も志信に質問を繰り返した。
「ホントのホントのホントーにレベル1なんだな?」
「はぁ・・・・ホントのホントのホントのホントーにレベル1です!」
もう何度目になるのか、現実を受け入れないタンクスは何度もこのやり取りをし続けいい加減、志信も疲れ始めていた。
「この魔道具が壊れているんだ!そうだ、そうに違いない!なぁ!ロナルド!!」
「残念ですが・・・・私が何度もスキルで確認しましたがその魔道具は正常です・・・・・」
「そっそんなバカな!?・・・・・・嘘だと言ってよロナルドォォォー!!!!!」
泣きながら崩れ落ちろタンクス・・・・・部屋の隅で膝を抱え何やらブツブツと呟きいながらトリップしているロナルド・・・・・・
「あー・・・・えーっと・・・・・その、ドンマイ?」
「ドンマイ!だとっ!?何がドンマイじゃ!お前に俺達の絶望が分かるか!うぅぅ・・・・」
「えっと・・・・そんなにショックな事?」
「当たり前だろ!?見ろ!ロナルドなんてショックのせいで意味不明なことを口走っているじゃないか!」
そう言われロナルドがブツブツ言っている言葉に耳を傾けると、『フッフ・・・ついやっちゃうんだ・・・・』とか『さぁ皆もいっしょに・・・ラン〇ンルー・・・・フッフ・・・・』など危ないセリフを呟いていた。
「えっと・・・・ごめんなさい・・・・・」
結局2人が現実へと戻って来たのはそれから数時間後の事だった。
「コホン・・・・その、失礼しました。お見苦しい所見せてしまい・・・・」
「いや、何かこっちのせいポイし気にしないで・・・・」
恥ずかしそうに咳払いをしてロナルドは仕切りなおし、ようやく話し合いが始まろうしていた。
「んっうん゛・・・・それじゃあ昨日の続きの話し合いでもするか・・・・」
「あっその事なんだけど、今度はそっちの疑問に答えていくよ」
「ん?イイのか?」
「えぇ、昨日で大概の事聞けたから・・・・おあいこってことで今回は良いわ」
「そうゆうことなら、聞かせてもらおうか・・・・お前さんたちの事を・・・」
タンクスは意外だった。てっきりシノブは昨日と同じくこちらに根掘り葉掘り聞いてくると思っていたので、かなり身構えていたのだが・・・・・結果は自分達が質問に答えていくと言うので拍子抜けしてしまっていた。
実は昨日の話し合いで志信は本当に聞きたい事を遠回しに聞いたり、オブラートに包んで聞き出していたので今日は特にそこまで確認すべき事柄は無かったのだ。
本当に志信が聞きたかった事は・・・・・・・・・・
《1:自分達の事がどこまでばれているか》
《2:ギルドの狙いは?》
《3:渡り人を狙っている連中の詳細》
《4:他国にいる渡り人の詳細及び状況》
の4点だった。
自分たちの事は殆どばれていなかった。志信のスキルもそうだが男である事も、最初のオーク似の男が誰なのかも、爺さんの事も、何処から来たのかも詳しく分かっていない事が分かったのでこのまま嘘を通し続けようと考えたのだ。
3、4に関しては詳しくはギルドでもまだ分かっておらず、リヒティーはともかく教会自身は恐らく渡り人かな?くらいにしか分かっていないようで、この国に関しては噂レベルで女王の指示かもしれないとゆうことしか分かっていない
他国はそれぞれの国でかなり違うようで、廃人になっている者もいれば自ら進んで知識を渡している奴もいたりして、概ねはかなり優遇されていてVIP待遇ののようだ。
そして肝心のギルドの狙いなのだが・・・・・
「そうだ、最初に言っておくわね私達ギルドの保護に入るから」
(((!!!?)))
「イイのか!?」「良いんですか!?」「うぇっ!?どゆう事だ志信!!」
「だって、ギルドはただ単に"渡り人"ってネームバリューが欲しいだけでしょ?」
「分かっていたのか・・・」
「?ん?・・・・どうゆう事だ?ネームバリューって何だ?」
「あのねエル・・・・簡単に言えばギルドは"渡り人"を保護したって事実だけがほしいの、知識やレシピなんかは、どうでもイイのよ」
「?????・・・・・益々分からんぞ?そもそも渡り人を保護したいのは知識とかのためではないのか?」
「本来ならね、でもそれは今は関係ないのよ"渡り人"ってその人がどんな知識を持っているかなんて誰にも分からないし、そもそもこの世界で再現できる物は限定されるし使えるか使えない分からないあやふやな物、大金を賭けて作った時それが使え無い物だったら目も当てられないでしょ?」
「それはそうだろうが・・・・しかし"渡り人"を保護しているとゆう名目だけでどんな効果があるというのだ?」
「それは他国・・・違う勢力への牽制・・・脅しよ」
志信はエルにゆっくりと説明し始めた。
"渡り人"とはイコール核兵器だと認識してもらえれば良い・・・・・・この世界の技術レベルは大抵が産業革命前のヨーロッパの技術レベルしかなく、現代の道具や兵器を再現させようとするとかなり難しいのだ。
しかしこの世界には元の世界に無い物がある・・・・それは魔法だ。魔法はそれだけで万能ツールだ!田起こしや開墾・開拓は土魔法や風魔法であっとゆう間にできるし、綺麗な水も魔法で簡単に出せる、簡単な建築も、明かりも、移動手段も・・・・・どれもこれも魔法で解決できる事が多いのだ。
故にどんな異世界の知識も披露しても既に魔法で実現されている事が多く最近の渡り人のありがたみといえば新しい食べ物や飲み物のレシピが殆どだ。
しかし実際に現在使われている列車や飛行船・船なんかは渡り人の知識によるものだし、何か画期的な物や兵器ができる可能性もある・・・・・だからこそ世界は渡り人を欲しがり、恐れるのだ。
もしかしたら自分達の知らない兵器を開発しているかもしれない、最近あの国の渡り人の知識で作った道具はもしかしたら裏では兵器転用が可能かもしれない・・・・・・そういった不安・恐れ・恐怖が抑止力となるのだ。
事実、たった1人の渡り人のお蔭で弱小国家から強国へとのし上がった国も過去にあり、そういった歴史が人々を不安にさせるのだ。
けれどその不安は安定と秩序を齎す事となる・・・・・相手の内情が分からなければ下手に手出ししてくることは無いし、無用な摩擦は起きないのだ。
特に今回の渡り人は大国ばかりに現れていたのでギルドとしてはその力や発言力が落ちていたのだ。しかしここで渡り人を保護できれば今までどおり体等の状態へと戻せるので、その為め志信の事がどうしても欲しかったのだ。
「だから"渡り人"を保護したとゆう事実が欲しいとゆう訳か・・・・・」
「・・・・・・まいったな、そこまで分かっていたのか・・・・」
「そりゃあね、それなりに調べたし昨日のタンクス達の話で確証できたわ」
「・・・・・・・そっか、それじゃあいいんだな?保護しても・・・・」
「えぇ・・・昨日言った条件を全て飲んでくれるならね」
「それくらいはお安い御用だ。それじゃ・・・・ロナルド」
「はい・・・・・こちらです」
「この書面に名前と手形を貰えるか?」
そう言って出してきたのは何やら文様が刻まれ淡く光る一枚の紙だった。
「これは?」
「最上級の契約用の書面だ。大概は国同士の調印の時とかに使用される物だな」
「なるほど・・・それだけの価値が"渡り人"にはあるとゆうわけか」
「そうゆうことだ」
「もし私が裏切って別の国へ逃げたらどうなるの?」
「その時は契約の呪によって一切の記憶・感情・思考が消去される様は・・・・廃人になるって事だな」
「でもそれじゃあ、国同士の時に調印した人だけ廃人になるんじゃ呪として弱くない?」
「そうゆう時は別の呪になってるよ、今回はそういった呪ってだけだ。」
「へぇー・・・・・」
そう言いながら志信はしっかりと契約書の文面を何度も読み返し、十分に納得すると契約した。
「っふ・・・・・ようこそギルドへ渡り人よ」
「これからよろしくねギルド長♪」
ここにギルドと志信との契約は結ばれた。
えー・・・まずは昨日の夜中に間違えてノクターンに連載中の話をこちらにアップしてしまいすいませんでした。
逸早くご指摘いただいたおかげで、サイトからの注意勧告を受けずに済みました。本当にご迷惑おかけしました。メーッセージくれた方本当にありがとうございました。
今後は気をつけて投稿していきますので長い目で見守っていただけると幸いです
ノシ




