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第4話「届かない言葉」前編

前書き

※本作は、

まだ古い学校の空気が色濃く残っていた頃の、

学校空間の記録です。


過去に起きた出来事を、

映像記録のような感覚で綴っています。


当時実際に使われていた方言表現や、

当時の言い回しをそのまま残している箇所があります。


また、

重苦しい描写や精神的圧迫を含む表現がありますので、

苦手な方はご注意下さい。


※当時の空気をそのまま体感してもらうため、

感情表現は極力削り、

事実の断片を中心に並べています。

学校の庭で、

私たちは作業をしていた。


周囲には人がいなくなり、

私たちだけになった。


学校側の不手際により、

両親が大変憤っていることや、

祖父の立場について打ち明けたくて、

相談しようと思った。


また、

体育教師の動向を

見張るように言われていたこともあり、

自分一人では、

どうすればいいのか

わからなかった。


『じいちゃんのことだけど‥』


『家庭の問題を、

学校に持ち込むな!』


こちらの話を、

最後まで聞こうともしなかった。


もう一人の子にも、

話そうとした。


『じいちゃんのことだけど‥』


『家庭内の問題ごとを、

学校に持ち込むな!』


やはり、

こちらの話を聞こうとはしなかった。


私は、

何を言えばいいのか

わからなくなった。


二人とも、

祖父の話の内容を

言う前から拒絶されてしまったので、

言葉を失ってしまった。


私は、

相談する相手を

失ってしまった。


それ以上、

言葉は続かなかった。


私は、

何も言えなくなった。


ただ、

学校の庭の空気が、

私たちの間で、

静かに止まっていた。

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