五里霧中
引き続き36層を徘徊しております。
足元が泥地帯からゆったりとした水流のある浅い水辺に変わり、泥から砂利に変わった事で動き易くなりましたが、変化した環境はソレだけでは無かったのでした。
カ「泥に比べたら動きやすくはなったけどよ、何なんだよこの霧はよ〜」
能天気筆頭がストレス感じるほど環境からのダメージ喰らってます。泥水から浅めな川っぽい感じに変わった辺りで視界を遮る霧も出て来ました。ゆったりとした水の流れと共に霧の方も濃かったり薄かったりと多少は変化しますが、視界はかなり悪く5m先が視えない状況にもなってます。
この霧の事も事前に知ってはいましたがサプライズで教えなかったんですよ。ついでなので恒例の魔物情報と注意喚起です。
ヒ『水エリアなので魚系の魔物が多いって情報です。水中から高速で飛び出して先端のクチバシ?で特攻して来る奴らが多く出るので警戒しながら索敵してくれ。先行集団がその団体さんに良くやられたそうです。クチバシは鋭利な形してて返しも付いてるから刺さったら抜く時メッチャ痛いそうですよ。魚のくせに飛び回ってるトビウオも多く目撃されていて、そのヒレが鋭利な刃物にもなってるのでコチラも注意が必要です。大型種はサメに1角クジラにカジキマグロなんかが淡水なのに相変わらず出ます』
マ「この辺の罠情報なんだけど、間欠泉みたいに水が噴き出る所があって、モロに食らうと天井まで打ち上げられちゃうそうです、そして落ちてくる時にトビウオやダーツに攻撃されるトラップにもなってるそうです」
カ「砂漠の毒もそうだけど急に殺意上げすぎだと思うんだが」
マ「今までがヌル過ぎだったと思うよ」
カ「こんな視界だとお前の索敵能力だけが頼りだからな」
ヒ『この場所なんだけど索敵レベルとかが上がり易い場所みたいで訓練にオススメってなってるから、能力向上の為にも各自でガンバって欲しいんですけどね〜』
視界が良くないので索敵に頼るんですが、相手側も高度な隠密行動をしてるので中々に意地の悪いエリアです。川も水の音がするので聴覚にも頼れ無いですし。更に霧のせいで湿気が身体に纏わり付いて不快なうっとーしぃ感じが倍増でストレスも溜まります。自分とエリは内緒で対策してたりしますがw
その霧の中でうっすらと大きめな石が見えましたが索敵反応から潜んでるつもりのカミツキガメと認識。
ア「前方からムカつく反応が出てますね」
カ「この索敵反応なら俺でも解るは」
そのカミツキガメは2足で立ち上がり両手の爪を飛ばして来ました。
ヒ『全員しゃがめ!』
頭上をブーメランが飛んで行って、返ってきたらカメの顔に突き刺さり、カメは魔石に還りました。
ユ「コイツはアホなのか」
マ「ブーメラン自爆芸人と言われてます」
この霧の中でコレを遠距離からやられたら驚異になるんだけど、知能低めに設定されてるみたいです。(以前の説明会でモデルになった人がA君に盛大に噛み付いて居たのでその意趣返し?)
ユ「周囲に弱い反応が出たり消えたりしてるんだけど〜、コレ何だ?」
ヒ『高速で飛び回ってるトビウオの反応だな、コッチの索敵範囲とかが解るらしいのでギリギリを掠めての精神攻撃をしてるんだと』
マ「気を抜いたり油断をすると突っ込んで来るって事なので気を抜かないで索敵続けて下さい」
カ「油断もナニも感知すら出来ないんだが、感知出来たのはソコの石w」
またカミツキガメがすぐ近くに居ました。
マ「立ち上がったらブーメラン来るからしゃがんで回避だよ」
風と火の混合魔法で霧を少し飛ばしカメとの視界を確保したらカメは立ち上がり、ブーメランを射出しましたが返ってきた奴を自らの顔で受け止め自爆してくれました。そのカメですが魔石と濁ったオーブをドロップしてます。
ユ「アホガメから変な色のオーブ?が出たぞ」
ヒ『その濁った色のオーブは取り扱い注意の品です、使用厳禁な危険なブツですぞ』
念の為、理力の手で回収してます。触る程度なら大丈夫ですけどコレはマージでヤバいので。
ア「コレには強力な呪いでも入ってるんですか?」
マ「そんな感じです、その濁ったオーブを使うとスキルが消えちゃうんですよ」
ヒ『事業仕分けオーブって呼ばれてます』
マ「犯罪を犯したり素行が良くない探索者にペナルティで使うのに丁度良いって事で収穫依頼も出てます」
ヒ『消えてしまったスキルは以降発現しなくなるそうですから、イタズラでも使わない様にって注意されました。消えるスキルはランダムですが特に有用な奴から消えて行くそうです。一応安全策も付いてて、使用するには管理者からの指名を受けた人が複数必要になってます。偶に誤作動起こして効果を発揮してしまう事があるそうですから、おフザケとかしない様にってナゼか再三に渡り注意されました』
マ「その指名された人の中にヒロ君が入ってるんですよ〜」
ア「さすがA君のお気に入りですね〜」
ヒ『こんな物騒なブツは取り扱いしたく無いんですけど〜』
マ「各ダンジョンを巡回してる治安部隊にこのオーブを使える人が優先的に配属されたって話になってますから、彼らのお世話にならないように」
カ「3時の方向から強烈なプレッシャー感じるんだが」
ヒ『霧の向こうにエリア最強格のサイが居てコッチを伺ってますね』
ア「この超ヤバげな気配主ですね」
ヒ『近付かなければ大丈夫なんだけど、収穫依頼が出てるんですよ〜 どーします?』
5mを超す大きさで5トン位ありそうな体格してます。眉間の角も存在感ヤバいっす。高速移動な瞬足使って突進して来る危険な魔物です、皮膚も厚くて硬いので普通に戦うと苦労する敵です。当然、魔法にも耐性がある正にフィジカルモンスター。
マ「本来なら間合いに入らず戦闘を避けるんだけど、高額賞金の為にお持ち帰りしましょう」
ヒ『ソイツと戦闘になるとトビウオやダーツな魚達が横槍入れて来るので、戦闘班と周辺警戒班の2班に分けたいんだけど、闘いたい人は挙手』
手を挙げたのはカズとちびっ子コンビ。
ユ「トビウオやダーツの数の暴力より単体の方が避けるの楽そうだし」
魔法少女wに変身しちゃえば各種能力がLv5〜程度上昇するのでコレ単体なら1人でも余裕で戦えるのですが性格的にダメなんですよ、チキンなビビり野郎ですし、イレギュラー起きるとフリーズする精神性ですし。
ヒ『ダーツ連中はアヤを囮にすれば簡単に処理出来るけどね』
ア「また私が怖い役目なんですか?」
アヤの異常過ぎる謎の防御障壁をダーツやトビウオ程度が突破出来るとは思えませんですし。常時展開の障壁のクセして異常なくらい防御力高い上に本体の鎧もかなりの防御力を誇りますし。死角にコイツらから攻撃喰らってもノーダメで本人が気付かないだろうし。
ヒ『そのサイもだけど背後には特に気を付けろよ』
カバもそうですが、広範囲にウ〇チをまき散らす嫌~な攻撃をして来ます。喰らうと精神的なダメージでLPが大きく減少し、呪い的ダメージで戦闘中は各種ステータスが低下してしまいます。尻尾を超高速で動かし細かい破片にして強烈なガスの威力で広範囲に超高速でまき散らす攻撃をしてくるので、コイツらとは戦わずに距離を取ってやり過ごすのをおススメされてます。障壁で防ごうにも一定確率ですり抜けるブツがあるとの事なので本気で戦いたくない相手です。
倒した時の実入りが結構大きいハイリスクハイリターンな相手ではあるんですけど。
そのサイに対しカズの奴が不用意に近づいてしまい戦闘状態に移行しました。
ユ「お前はナニやってんだ~」
カ「霧のせいで距離分らんかった」
エ「気配感で解らなかったんですか(怒)」
サイからは魔力の高まりが感じられ、突進準備してると思う間もなく
ヒ『早速突っ込んで来てるから避けてくれ』
すれ違いざまに足を狙って切ってみましたが厚い皮膚に勢い殺され骨まで届かず・・・
そのまま通過していきましたが今回は例の攻撃が無かったのですがチャージ状態に入ったように思えます。
ユ「切れて無いぞ~ナマクラ使い」
マ「あのぶっとい足を切り落とすのは流石に無理があると思うよ」
ヒ『次の通過時に例の嫌な攻撃が来るように思えるから用意してくれ』
力を溜めてる気配がするのでコチラも強攻撃で向かい討ちます。
先ほどは普通に切っただけでしたが今度は雷と炎をエンチャントして攻撃してみます。
エリとユイが汚物対策の防御準備に入った辺りでサイが動くのを察知。霧の中から飛び出してきたその足を狙っての全力攻撃を叩き込みます。自分の攻撃より先にカズのフルスイングが鼻先に直撃し、サイの顔が大きく横を向いてくれたので、狙いを変更しその無防備な首に下から強烈な一撃を入れてやりました。
大きく首を切られ、そこから血を噴き出しながらも眉間の角で攻撃しようと暫くの間暴れてましたが、横に倒れ動きが止まりました。首を斬られてからは突進させない様に、正面に張り付いてやり合ってたカズと自分はサイの噴き出してた血をモロに喰らって全身血まみれ状態。その後処理をする間もなく角を生やしたクジラが襲って来ました。
霧の中から高速な角の一撃を喰らわす難敵ではあるんですが、直感スキルに先読スキルで先に反応し正確にハンマーを頭に叩きつけてコレらを処理出来ました。少し落ち着いたので洗浄スキルで返り血を消し去ってスッキリしキレイになってます。カズは水掛けられて遊ばれてましたが。
カ「洗浄スキル使って貰えば水掛けられる必要無いんじゃ」
ヒ『気付いちゃったか』
ユ「丁度良い遊び道具だったのに」
マ「アヤちゃんの方も落ち着いたみたいね」
ア「トビウオにダーツなサンマみたいな魚達、100匹ぐらい捕まえました~」
予想通りアヤは余裕でしたね。大漁は予想外でしたがw
サイに一角クジラを収納し周囲を索敵するとサイが2、カバ?が1、アホガメが5・・・
戦闘に入ったらコイツらがリンクして手に負えなくなりそうに思います。
ヒ『周囲に複数のサイの反応』
カ「尻尾まいて逃げるべ」
マ「大物はあきらめるけどザコは収穫したいのよね~」
ユ「カメの反応が近いけど、サイのテリトリーに入りそうな位置に居る」
ヒ『援護を狙ってる位置取りしてる様にみえるけどアホ設定だから偶然っぽい』
マ「入口に戻るよりこのまま外周を進めば東エリアに入るはずなので、大物から距離とりながら進みましょう」
との事なので全力で索敵しながら慎重に500mほど進んだらあっけなく透明な壁に到着です。索敵に反応してたから激突しないで済みましたが、エリアを別ける視えない壁があります。
ヒ『境界の壁に到着しましたよ』
マ「本当に見えないんだね~触る事は出来るのに」
ユ「入口もナニも見えないけど、どーするんだ?」
ヒ『自分の魔力で全身を覆ってから触れれば通れる様になるんですって』
通り抜けた先はサバンナ地方でした。
ライオンやヒョウにキリンにシマウマなど動物園でよく見る動物な魔物が居るエリアです。




