14.冒険者ギルドの拡散の考察2
コンビニ帰りに道を歩いてたら異世界にいた
何を言っているのかわからねーと思うが
おれも何をされたのかわからなかった
コレは「Re:ゼロ」の冒頭で主人公が異世界に脚を踏み入れた時の状況です
現在のなろうとは異なりますが、初期の異世界転生モノはこの様に、いきなり見知らぬ草原の真ん中や森の中に着の身着のままで主人公が現れる事が多かった様に思います
この様な物語の導入は一見楽そうに見えますが、ストーリープロットがしっかりと為されていない場合は後々作者に大きな負担を強いる事になります
何故なら異世界に突然現れた主人公には、異世界での生活基盤がないからです
結果として主人公は冒険に出る前に先ず、異世界での生活基盤の確立に奔走する事になる筈です
しかし、この生活基盤の確立と云うのがまともにやろうとするとかなり面倒くさく、只の素人作者ではなかなかに困難なのです
そこで出て来るのが"冒険者ギルド"です
この"冒険者ギルド"
いきなり異世界へ着の身着のままで飛ばされた主人公の生活基盤を確立させるという視点で見ると、チート級に便利なギミックなのです
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先ず"冒険者ギルド"に登録する事でギルドカードを得られます
コレはその人物が冒険者ギルドという組織に属しているという事を証明する一種の身分証明書です
さらに冒険者ギルドではクエストを受ける事が出来ます
コレはいわば仕事の斡旋であり、クエストを達成すれば報酬として現地通貨を獲得でき、異世界での主人公の金策を簡略化しています
異種職で構成される冒険者ギルドは、パーティ編成にも最適です
通常のパーティ構成であれば、実質ギルド内だけで編成可能でしょう
食事や宿泊場所もギルド職員に聞けば、それなりの所を紹介してくれる可能性が高いでしょう
場合によっては酒場や食堂、宿屋が併設されているかもしれません
コレだけを見ても
異世界転生したらとりあえず"冒険者ギルド"に登録!
と言われる意味が良くわかります
さらに、多くの場合"冒険者ギルド"にはランクという制度があり、その世界の政治、社会制度を飛び越えて何処の馬の骨とも解らない主人公が成り上がる可能性迄内包しているのです
又、"冒険者ギルド"はその異職種混成と云う特性上、頭のおかしな位幅広いコネクションがある場合が多く、場合によっては王族とのコネクション迄フォローしています
コレは作者にとっても嬉しい事で、主人公と登場人物の窓口を"冒険者ギルド"に集約させる事で登場人物を整理し、作中のキャラクターが不用意に増えるのを防止できるのです
この様に見ていくと"冒険者ギルド"というギミックは、異世界転生と相性が良く、プロットの甘い素人作者にとっても扱い易いとても便利なギミックである事がわかります
この便利さと扱い易さが受けて素人投稿サイトの多くの作品に採用され、爆発的に拡散したと思われます
現在でも"冒険者ギルド"が出て来る作品では、作中に於いて"冒険者ギルド"は様々なカスタマイズを受けながらも、一貫して作者にとって最も都合良く便利な道具として利用されています
ここで誤解しないで欲しいのは、私は"冒険者ギルド"を便利な道具として使うなと言っている訳ではありません
此れ程までに便利な道具だからこそ、ここまで広まったと言っているのです




